食品安全情報blog過去記事

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SMC UK

  • 低線量イオン化放射線−どのくらい安全なのか?

記者会見
low-dose ionising radiation – how safe is it?
September 13, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/low-dose-ionising-radiation-how-safe-is-it/
人々は常にイオン化放射線に暴露されてきた、そして医学、産業、軍事での使用により現代の生活ではさらに多く暴露されている。中から高線量の放射線の健康リスクは比較的良く理解されているが低線量のリスクは議論があり、異なる情報源からの安全性についての混合したメッセージが人々と政策決定者の両方を混乱させている。
このペーパーは低線量放射線のヒト健康リスクの背景にある科学的根拠の包括的評価を提供する。放射線に暴露されたヒトでの研究、例えば日本の原子力爆弾のような兵器によるものやチェルノブイリや福島原子力発電所の災害のような事故によるもの、をカバーする。疾患の原因となるメカニズムなどの放射線の生物学的基礎についてわかっていることとわからないことについても検討した。このペーパーは低レベル放射線のリスクを人生の文脈において結論している。
このペーパーは情報をよく知っているが技術的専門家ではない人向けにデザインされ、実際に使っている人や政策決定者が放射線防護の背景にある根拠の性質についてより良く理解できるようになるだろう。
このプロジェクトはオックスフォード大学Oxford Martin校が資金提供したRestatements(修正再表示)プロジェクトの一環である。非常に広範なコミュニティ(研究者、産業界、NGO、政府)と相談をしたが完全に独立して行われた。
説明者
オックスフォード大学数理生物学教授で理論生命科学All Souls上級研究フェローAngela McLean教授
マンチェスター大学集団健康研究所疫学教授Richard Wakeford教授
サセックス大学ゲノム傷害と安定性教授Penny Jeggo教授

Restatementsプロジェクト
http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/policy/restatements/
Health effects of low-level ionizing radiation
In press, to be published 13 September 2017

  • フタル酸暴露と精子のエピジェネティック変化について調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study investigating exposure to phthalates and epigenetic changes in sperm
September 12, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-exposure-to-phthalates-and-epigenetic-changes-in-sperm/
Human Reproductionに発表された研究がフタル酸暴露は精子DNAのエピジェネティック変化に関連すると示唆する
エジンバラ大学生殖健康MRCセンター小児内分泌学者で研究グループ長Rod Mitchell博士
この少数の男性での探索的研究はある種の環境化学物質のレベルと精子の特定の生物学的特徴との関連を示した。この研究は良く実施されていて興味深い知見を提供するものの、関連は必ずしも因果関係と同じではないことに留意すべきで精子でのそのような影響がこれら特定の化合物が原因だとは結論できない。より多くの健康男性でこの知見が再現できるか、精子の変化がどのくらいだと胚やその後の世代に影響があるのか、さらなる研究が必要である。
シェフィールド大学男性病学教授Allan Pacey教授
精子DNAのエピジェネティックマーカーが環境要因によって影響されるかどうか、その男性生殖能力に役割を果たしているのかどうかに関心が高くなってきている。これはIVF実施中の男性の精子のこれら指標と尿中フタル酸類との相関を系統的に調べたヒトでの研究の最初のもののひとつである。一部の尿中フタル酸類濃度とエピジェネティックマーカーの数や場所の間に弱い関連が見つかったものの、そのデータの解釈には注意が必要である。例えば対象はたった48人の男性である。さらに関連を説明しているだけで因果関係ではない。従って現在IVF実施中の男性はパニックになる必要はない。それより、禁煙、賢明な食生活で可能な限り健康であるようにすべきである。
バーミンガム女性生殖センター科学主任でバーミンガム大学ヒト生殖生物学准教授Jackson Kirkman-Brown博士
この研究は非常に少数での初期データの提示で結論には注意が必要である。妊娠しようとしているカップルはこのデータを心配すべきではないことを強調することが重要である。
(以下おなじなので略)
ニュースはこんな感じ

ひげ剃りクリームの化学物質が男性の精子を変えているかもしれないことを研究が発見
A study found that chemicals in shaving cream could be altering men's sperm
http://nationalpost.com/news/a-study-found-that-chemicals-in-shaving-cream-could-contribute-to-lower-sperm-counts
Pilsner