食品安全情報blog過去記事

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飲料業界「アルコールによるがんのリスク」軽視のため非難される

Drinks industry accused of downplaying 'alcohol-cancer risk'
Friday September 8 2017
https://www.nhs.uk/news/cancer/drinks-industry-accused-downplaying-alcohol-cancer-risk/
アルコールとがんとの関連についてアルコール業界は健康情報を配布していたが、その正確さを調べた新しい分析が発表されたことを受け、「飲料業界はアルコールとがんのと関連を軽視している」と英国大手日刊紙Guardianは報道している。
多くの人がいまだに、アルコールが乳がん、肝臓がんおよび口腔がんのような多くのがんのリスクを増大させる可能性があることを、十分理解していない。
企業責任や社会的責任と関連した目標の一環として、英国のアルコール飲料業界は、消費者に対し健康情報を提供し、節度をもった飲酒を呼びかけ、推奨している。
しかし、業界は、自らが有利になるように証拠を捻じ曲げていると非難されてきた。
研究者は、アルコール飲料業界によって作成された健康情報が、科学的に正しいかどうか調べようとした。
研究者は、業界と関連団体が健康情報を広める際、以下の3つの手法を根幹として用いることに気付いた。
・アルコールとがんとの関連の否定
・リスクについての誤った解釈
・アルコール以外のがんのリスク因子に焦点を当てることで、アルコール消費から注意をそらす操作
飲料業界への批判の声は、このような手法を、喫煙と肺がんとの関連が初めて証明された1960年代と70年代にたばこ業界が取っていた手法になぞらえている。
英国 主席医務官は、男女とも1週間に14ユニット(5%アルコールのビール350 mL缶約11本)以下の量を、均一に3日以上に分けて飲むことを推奨している。