食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

アレルゲンの表示について

Allergen labelling
May 2017
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/Pages/Allergen-labelling-.aspx
アレルゲンの表示は命を救う
一部の食品と食品成分、その構成要素は、アナフィラキシーを含む深刻なアレルギー反応を起こすことがある。
ほとんどの食品アレルギーは、ピーナッツ、木の実、牛乳、卵、ゴマ、魚、貝、ダイズ、小麦が原因である。食品規準規約(The Food Standards Code)は、そうした原因物質が成分としてあるいは食品添加物や加工助剤の構成要素として存在する場合には、それらの食品のラベル上に表示するようが求めている。
役に立つポスターも用意されている。ダウンロード(PDF 418 KB)可能であるし、A2版印刷物を望む場合はinformation@foodstandards.gov.auにメールされたい。
2017年5月25日、表示しなければならないアレルゲン(アレルギー原)のリストにハウチワマメ(lupin)が加えられた。食品企業はこの日から12ヵ月の間に、ハウチワマメを含むあらゆる製品について、アレルゲン表示要件を満たす措置を講じなければならない。アレルゲンとしてのハウチワマメについての詳細はhttp://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodallergies/allergies/Pages/Lupin.aspxを参照のこと。
その食品が包装されていなかったり、表示が必要とされない場合(例えば、持ち帰り用食品店で調理され販売されている場合など)は、この情報は、その食品に関連付けて掲示したり、求められたら購入者に提供しなければならない。
ロイヤルゼリーは深刻なアレルギー反応を引き起こすことが報告されていて、まれではあるが、特にぜんそくやアレルギー患者では、命にかかわることがある。ミツバチが産生するロイヤルゼリーを含む食品には、警告文(別項『警告文および注意書き』およびhttp://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/advisory/Pages/default.aspx参照)を載せる必要がある。ロイヤルゼリーが医薬品として販売されている場合も同じ警告文が必要である。
グルテンを含む穀物には、セリアック病の患者や穀物アレルギーのある人がその製品を見分けられるように、ラベルに表示する必要がある。グルテンを含む穀物には、小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、スペルト小麦およびこれらの穀物の交雑系統(例えばライ小麦)が含まれる。
食品規準規約には、食品の「グルテンフリー」と「低グルテン」を謳う際の要件も含まれている。こうした文言を謳うための要件の詳細は、規約1.2.7 『栄養、健康、関連する宣伝文句』(http://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/nutrition/Pages/default.aspx)を参照されたい。
亜硫酸塩も、食品1 kgあたり10 mg以上の割合で添加される場合、ラベル上に表示しなければならない。
食品にアレルゲン非表示の疑いがある場合の苦情は、その地区の食品業務実施官庁(http://www.foodstandards.gov.au/about/foodenforcementcontacts/Pages/default.aspx)が窓口となっている。
アレルゲン表示を免除される製品
2016年、食品規準規約は、アレルゲンに由来する特定の食品と成分をアレルゲン表示義務の適用外とするよう変更が加えられた。これらの食品や成分は、小麦、ダイズ、乳製品に対するアレルギーのある消費者にふさわしい方法で加工されているため、安全だと評価されたものである。
他の免除製品同様である。免除製品についての詳細は別項『アレルゲン表示免除製品』およびhttp://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodallergies/Pages/Allergen-labelling-exemptions-.aspxを参照のこと。
熟成瓶詰ワインのアレルゲン表示
亜硫酸塩や卵、魚、牛乳、木の実に由来する組成物などの食品アレルゲンは、ワインの製造過程で使用されることがある。これらの物質は、大部分がろ過で除去されるが、ごく少量が残留して最終製品に存在することがある。
これらの食品アレルゲンへの有害な反応に苦しむ人は、2002年以前のブドウの収穫日が表示された瓶詰ワインには、ラベル上にそれらの物質が明示されていないことに注意する必要がある。これは、2002年に食品規準規約が導入される前には、ワイン製造業者はラベル上にアレルゲンを含めて明示することを求められていなかったためである。これらの食品アレルゲンは、清澄剤として使用されているニベ(魚の浮袋から作るにかわ)を除き、2003年以降のブドウ収穫日が表示された瓶詰ワインのラベルには明示するよう求められている。
「含むおそれがある」という文言
ある食品表示では、特定のアレルゲンについて、「ナッツを含むことがあります」といった「含むおそれがある」あるいは「存在するおそれがある」という文言が使用されている。これらは食品製造業者により作成された自主的な文言であり、食品規準規約で規制はされていない。
これらの文言の使用とアレルゲンの二次汚染の管理についての食品企業向けガイダンスは、オーストラリア食品雑貨協会のウェブサイト(https://www.afgc.org.au/our-expertise/health-nutrition-and-scientific-affairs/labelling/)で見ることができる。
追加情報源
アレルギーとアナフィラキシー オーストラリア(https://allergyfacts.org.au/
アレルギーニュージーランドhttp://www.allergy.org.nz/
食品企業向けアレルゲン表示ポスター(http://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/Documents/allergen-poster.pdf

  • 警告文および注意書き(『アレルゲンの表示について』関連)

Warning and advisory statements
December 2015
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/advisory/Pages/default.aspx
注意書き
一部の消費者に健康リスクを引き起こす恐れのある特定の食品や成分については、注意書きを提示しなければならない。
このカテゴリーに該当する食品と成分には以下のものが含まれる:
アスパルテーム―高甘度甘味料アスパルテームを含む食品のラベルには、食品がフェニルアラニンを含んでいることを示さなければならない(まれな遺伝性疾患フェニルケトン尿症の人に有害影響を及ぼす可能性がある)。
ガラナガラナ抽出物−ガラナガラナ抽出物(天然のカフェイン源である)を含む食品のラベルには、食品がカフェインを含んでいることを示さなければならない。
・植物ステロール−添加した植物ステロール(コレステロールの吸収を低減する可能性がある)を含む食品のラベルには、以下のことを示す文言が記載されなければならない:
−その製品を摂取する際には、健康的な食事の一部として摂取すること
−この製品は、5歳以下の子供と妊婦、授乳中の女性にはふさわしくない可能性がある
−植物ステロールは一日当たり3 g以上摂取してもそれ以上の効果を生じない
・カフェイン−添加したカフェインを含むコーラ飲料のラベルには、その飲料がカフェインを含んでいることを示さなければならない
警告文
食品や成分が引き起こす健康への深刻なリスクが周知されていない可能性がある場合は、食品に警告文を付する必要である。例えば、ミツバチが産生するロイヤルゼリーを含む食品は、以下の警告文を載せるよう求められている:
この製品には、深刻なアレルギー反応を引き起こし、特にぜんそくやアレルギー患者では、まれに死亡例を生ずる場合があると報告されている、ロイヤルゼリーが含まれています。
注意書きの全リスト
食品規準規約は、特定の製品に注意書きを付するよう求めている。規約の求める注意書きは、以下の表に記載されている。
(表略)

  • アレルゲン表示免除製品(『アレルゲンの表示について』関連)

Product exemptions from allergen labelling
August 2016
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodallergies/Pages/Allergen-labelling-exemptions-.aspx
2016年、食品規準規約の規約1.2.3(情報提供要件−警告文、注意書き、申告)は変更され、アレルゲン性原料由来のいくつかの食品や成分が、アレルゲン性表示義務要件を満たさなければならないものの対象から除外されることになった。これらの食品や成分は、小麦、大豆、乳製品に対するアレルギーを持っている消費者に適したものとなるように加工されているため、安全であるとの査定が成された。
現在アレルゲン性表示義務要件を免除されている製品は、以下の通りである。:
・小麦デンプンで作られたブドウ糖シロップ(下限値の規格基準に従う)
・十分に精製された大豆油
・大豆派生品(トコフェロールと植物ステロール)
・小麦あるいは乳清由来醸造アルコール
ブドウ糖シロップは、小麦に関する表示義務の免除の要件を満たすには、検出可能なグルテンの量が20 mg/kg未満でなければならない。
それでもブドウ糖シロップの植物原料を確認したいならどうすればいいのか?
規約では、供給元の名前と所在地はラベル上に記載されていなくてはならず、多くの製造業者は電話番号も提示している。したがって、ラベル上に記載されていない情報を得たい場合、供給元に連絡することができる。
この規約の変更はグルテンフリー表示の要件に影響を及ぼすか?
いいえ。ブドウ糖シロップにおける表示免除は、食品アレルゲンとして小麦を申告することに関する義務要件に対してのみ適用される。
この免除は、グルテンフリー表示の規約が規定する要件には影響しない。「グルテンフリー」という文言を謳うための現行の要件には、食品が、検出可能なグルテン、またはオーツ麦あるいはオーツ麦製品を含まないこと、あるいはグルテンを含んだ麦芽化された穀物、またはそのような穀物製品を含まないこと、という条件が盛り込まれている。
ブドウ糖シロップの生産者は、グルテンがその製品に検出可能な量存在する場合、その製品に「グルテンフリー」と表示できない。
安全性評価と研究
FSANZは、免除を検討する製品について徹底した安全性評価を行い、その過程でオーストラリアとニュージーランドのアレルギー専門臨床医との協議も実施した。
提案書のウェブページ(http://www.foodstandards.gov.au/code/proposals/Pages/P1031Allergenlabellingexemptions.aspx)で全てのリスク評価書を読むことができる。
FSANZは以下を考慮に入れて評価を実施した。:
・入手できる公表済および未公表の研究
・オーストラリアとニュージーランドの実情に基づいた研究から得られ以下の情報を示すデータ:
−製品サンプルの中の残留タンパク質量
−一回の食事による推定暴露量
・最終製品中のタンパク質量削減につながる加工工程
・アレルギー反応を起こさずに摂取できるアレルギー性食品の最大量を示すデータ

協議
FSANZは、表示免除に関するこの提案書を作成するに当たり、パブリックコメント募集を2回行った。私達は評価期間中、食品が関連するアレルギーや不耐症を持つ消費者を代表するオーストラリアとニュージーランドの機関と共に、緊密に協議も行った。
国際的な規制
オーストラリアとニュージーランドでアレルゲンの表示が免除されている4製品は、欧州や世界のその他の地域において、すでにアレルゲン表示要件の免除を認められている。
その他の免除
食品規準規約には、以下についてのアレルゲン表示免除も含まれている。:
グルテンを含む穀物において、当該穀物がビールや蒸留酒に存在する場合
・魚において、浮袋からゼラチンを得て、それをビールやワインの清澄剤として使用する場合
・ナッツに類において、それがココヤシの果実から得られるココナッツである場合