食品安全情報blog過去記事

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フィプロニル事件:ブリュッセルで上層部によるフォローアップ会議開催

Fipronil incident: a high-level meeting on the follow-up to the Fipronil incident was held in Brussels.
26 September 2017
https://ec.europa.eu/food/safety/rasff/fipronil-incident_en
以下のリンクから、この会議に関する主要な文書のいくつかを閲覧できる。
・ Press Release: Commission and Member States agree on concrete measures against food fraud: http://europa.eu/rapid/press-release_STATEMENT-17-3486_en.htm
(報道発表: EC議会および加盟国は食品不正に確固とした対策を取ることで一致)
19の対策を講じることで一致した。具体的には以下のリンクの文書にまとめられている。
・ Conclusions: https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/rasff_fipronil-incident_conclusions_201709.pdf
(結論)
1) 加盟国やEC議会が行った、現在行っている、これから行う活動について、全て詳細を調査し意見交換ができるようにする。
2) 鶏卵および鶏肉における違法な薬物使用を検出するためのEU規模の共同監査計画が、即座の実施に向けて最終段階にあることを確認
3) 加盟国とEC議会は今回の経験から得られた教訓について意見交換し、こうした事件を防ぎ、なるべく早く検出し、対応策を改善するために系統的な立案・行動を取ることで一致。
4) EC議会は食品や飼料の事件に対する対処計画を管理するために招集され、EUレベルでの協調の必要性が持ち上がった時などに、役割を早期に調整することに注意を払う。
5) リスクに関する情報伝達が上流に上がるように加盟国とEC議会との連携を改善し、情報が一般大衆に均一的に即時に伝わるようにする。
6) EUレベルの現在行われている残留化合物のモニタリングの適用を強化し、化学物質の不法使用の検出を早め、加盟国が遅滞なく緊急のリスクに対応できるようにする。
7) 加盟国は、食品事業者や関係団体に対し、既存の自主モニタリング体制を改善するように働きかける。
8) EC議会と加盟国は、汚染や残留物の事件が広がりを見せたり化学物質によるリスクが発生したりした場合には、統一した協働的な管理体制を確保するために尽力する。
9) このようなリスクに迅速かつ確実に対応するため、EC議会と加盟国は、危機準備および危機管理のための適切な要員を配備する。
10)通常のリスク評価を迅速に行う手順をまとめる。必要に応じ、欧州食品安全機関(EFSA: European Food Safety Authority)に迅速リスク評価を依頼する。
11)食品及び飼料に関する迅速警報システム(RASFF: Rapid Alert System for Food and Feed)と、行政間の支援と協力(AAC: Administrative Assistance and Cooperation)システムとを利用した場合に生じるギャップをなくし、それらの能力を最大にすることも優先事項である。これらの2つのシステムを統合した枠組みが考えられる。
12)効率的かつ迅速な情報交換を図るため、RASFFやAACに対して各加盟国が持つ窓口を1つにした情報網も可能ではないかと考えられる。
13)『食品安全係官』を置くことも考えられる。EUの食品不正ネットワーク内での不正疑惑の情報交換が、これらの係官により内密に行われることになる。
14)RASFFやAACを活用することは、依然として加盟国の優先義務である。これらのシステムが機能するために、EUが協働する段階の端緒を効率的かつタイムリーに検出することについて、フィードバックが必要である。それらは最終的に明確なガイドラインへと反映されることになる。
15)RASFFやAACの協調および加盟国間の協調や情報伝達等については、植物、動物、食品および飼料に関する常設委員会の作業部会でさらに議論される。議論の内容は、獣医局長や医務局長の会議および食品安全局の局長会議で最終案にまとめられる。
16)これらの方策実現に係る行程や技術的問題解決については、EU連合理事会議長国のエストニアが開催する会議で議論される。この会議は、食品および植物の健康における情報システムやデジタルツールの役割に関するもので、2017年10月26日にブリュッセルで開催される。
17)情報伝達網や警告システムがどこで改善することができるかを検討する過程において、EC議会は、10月に開始が予定されている4つの事実調査任務からの新しい情報も関連があれば組み入れる予定である。
18)加盟各国およびEUのレベルで、教育や訓練など、能力を高める活動を行い、ネットワーク機能の改善や監査につなげる。多分野にまたがる性質のものであることおよび事件や危機の事例から学んだ教訓を考慮に入れて行われる。
19)対策は、EUレベルでは司法官憲と公衆衛生局との間で、EC議会レベルでは、欧州司法機構(EUROJUST: European Judicial Co-operation Unit)、欧州刑事警察機構(EUROPOL: European Police Office)およびRASFF-AAC-不正食品ネットワークの間で、刑事訴追に至る可能性がある事案を埋もれさせない必要性に対応し、情報伝達を速やかにすることに関して講じられるものである。
・ Video: Press point by Commissioner Vytenis Andriukaitis following the meeting: https://ec.europa.eu/avservices/video/player.cfm?ref=I144012
(動画: 保健・食品安全総局長Vytenis Andriukaitisが会議を司る)
・ Opening speech by Commissioner Andriukaitis: https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/rasff_fipronil-incident_speech_20170926.pdf
(保健・食品安全総局長Vytenis Andriukaitisによる開会挨拶)