食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

  • 世界中のハチミツから殺虫剤が検出される

Pesticides found in honey around the world
By Erik StokstadOct. 5, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/pesticides-found-honey-around-world

A worldwide survey of neonicotinoids in honey
E. A. D. Mitchell et al.,
http://science.sciencemag.org/content/358/6359/109
ポジティブな検体の平均は1.8 ± 0.56 ナノグラム/g
UHPLC-MS/MS
(ただし検体の採集は「市民科学」なので測定前の状態は不明、とのこと。ヒト健康に影響するような濃度のものは一つもなかった。
Ppbレベルで何かが検出されて健康上の問題になると思う人はハチミツのようなものは食べられない)

世界中のハチミツからネオニコチノイドが検出される
Honey samples worldwide test positive for neonicotinoids
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/aaft-hsw100217.php
世界中のハチミツの75%にネオニコチノイド殺虫剤汚染がある。ただし検出された濃度はEUでヒトの摂取が認められる濃度より低い。南極大陸以外の全ての大陸から198のハチミツ検体を集め、5種類のネオニコチノイドを測定した。全体として全てのハチミツのうちの75%から少なくとも一種類のネオニコチノイドが検出され、1種類が30%、2種類以上が45%で4-5種類は10%だった。濃度が高いのは欧州、北米、アジア。

Antimicrobial use in Danish animals continues downward trend
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/tuod-aui100517.php
年次DANMAP報告書2016。主な減少は養豚部門。
DANMAPウェブサイトへのリンク有り

  • 情報を単純にすることが子どもの肥満対策に役立つ、研究が発見

Simplifying information aids fight against childhood obesity, study finds
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uovh-sia100517.php
ヘルスリテラシーの低い親向けにデザインされたシンプルな情報を提供することが、健康情報の理解能力に関わらず全ての肥満治療プラグラム参加家庭にとって役にたつ。

  • 最大の双子研究は統合失調症リスクの約80%が遺伝によるとする

Largest twin study pins nearly 80 percent of schizophrenia risk on heritability
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/e-lts100517.php
Biological Psychiatryに発表されたデンマークの研究
(それでも遺伝子はわからない)

  • 研究が10の最も不必要な過剰使用されている医学検査や治療を強調

Study highlights 10 most unnecessary and overused medical tests and treatments
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uoms-sh1100517.php
不必要な薬。問題を明らかにしない検査、あるいは実際には存在しない「問題」を発見する検査。リスクのほうがメリットより大きい治療。UM SOMの新しい研究はアメリカでの医療の過剰使用の最もひどい例を強調する。JAMA Internal Medicine。
10の過剰使用されている検査は
・経食道超音波心臓図検査
・CT肺血管造影
・呼吸器症状のある患者のCT
・頸動脈超音波検査とステント挿入
前立腺がんの積極的管理
COPDと中程度酸素欠乏患者への酸素補充
・膝の半月板軟骨破断の手術
・入院患者の栄養サポート(栄養不良でもないのに)
抗生物質過剰使用を減らす戦略−最大半分は不適切
・不必要な心臓画像診断を減らす

Multivitamin use during pregnancy linked to lower risk of autism with intellectual disability
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/du-mud100517.php
BMJに発表されたスウェーデンストックホルムの10年以上に渡って集めたデータの解析。知能障害を伴わない自閉症には影響がないようようだ。鉄と葉酸の寄与の可能性が排除できず食事や用量やタイミングも評価できないためさらなる研究が必要。
(ビタミンサプリの宣伝に使われそうな)

  • エネルギードリンクの害を最小化する方法をみつける

Identifying ways to minimize the harm of energy drinks
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/e-iwt100517.php
Journal of Nutrition Education and Behaviorに発表された新しい研究は、若い人が自分で摂取量を減らす介入戦略への知見を提供する。オーストラリアの研究者がパースの若い人にエネルギードリンクについての知識をインタビューした。多くの人がエネルギードリンクは簡単に入手できるエネルギーを増やすものだと認識していたがその成分やどう作用するのかについてはあまり知らなかった。飲む行動にはピアプレッシャー、社会の常識、両親の信念や行動が影響する。こうしたインタビューの結果から、摂取量を減らすための介入としては(1)販売と入手しやすさの制限、(2)パッケージの変更、(3)値段を上げる、(4)小売店で見えにくくする、(5)研究と教育、を提案する

  • 肥満手術は重度肥満患者のがんリスクを下げる

Bariatric surgery lowers cancer risk for severely obese patients
5-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uoca-bsl100517.php
Annals of Surgeryに発表された、2005-2012年の間に22,198人の肥満手術をした患者と手術をしていない66,427人の2014年までの医療データをレビューした結果。この研究の患者の80%以上が女性。肥満手術をした患者はフォローアップ期間のがん発症リスクが33%低く、特に大きく下がったのが閉経後の乳がんの42%、内膜がん50%、大腸がん41%、膵臓がん54%。
アメリカのBMI 35以上の人)