食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • バナナのアバメクチンの既存MRLの改訂

Modification of the existing maximum residue level for abamectin in bananas
EFSA Journal 2017;15(10):4987 [24 pp.]. 3 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4987
提出されたデータは、対象とするすべての農作物に対してMRL案を導出するのに十分であった。植物を育てる基質のおけるアバメクチンの残留の管理についても、対象とした基質については適切な分析方法が確立されている。報告されている農業慣行においては、消費者がアバメクチンの使用から生じる残留物を短期間または長期間摂取して健康への有害影響を受けるリスクは、生じそうもない。

Assessment of the incidents of histamine intoxication in some EU countries
29 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1301e
欧州食品安全機関(EFSA)は、その使命に従い、多国にわたり食品由来アウトブレイクが起きた場合の調査を含め、食品と飼料の安全性に直接的・間接的に影響のある全て分野において、地域社会の法律制定や政策に対し、科学的助言と科学的・技術的支援を提供することになっている。EC委員会の要請を受けて、EFSAは食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)で通知された、EU数か国におけるマグロの摂取によるヒスタミン中毒事例を検証した。EFSAは、食品由来アウトブレイク疫学調査で得た情報の提供、食品データの詳細な分析、影響を受けた加盟国における関連食品の遡及的分析を行ったEC委員会への技術的援助などで貢献した。特定の事例における食料製品のデータおよび情報は、遡及的情報や疫学的データおよび分析データと共に、RASFFに加盟の関連諸国に送られた通知から抜粋された。この検証の目的は、ヒスタミン中毒の全事例を精査して、ヒトの発生事例に寄与している可能性のある食品流通網の共通要因を浮き彫りにし、関係する食品事業体の一つから食品流通網を逆上って相関性を探り、それを実証することである。ヒスタミンの特性とその生成に適した条件に照らすと、いくつかの要因が食料供給網の様々な段階で同時に生じることが十分に考えられる。その製品の供給網のそれぞれ段階で、適切な冷却速度、冷却保存・輸送・流通機構、および良好な衛生状態が維持されることが推奨される。食品中毒のあらゆる関連情報は、RASFFの関連する通知に公表されることにより、関連加盟国に共有されるべきである。

  • ピリダリルについての農薬リスク評価に関し、確証的データを踏まえて行われた加盟国、申請者およびEFSAによる協議の成果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for pyridalyl in light of confirmatory data
28 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1298e
この報告書には、報告担当国のオランダが統括した協議の経緯と成果がまとめられており、また、各指摘事項に対するEFSAの科学的見解および結論が提示されている。

  • 白きょう病菌Beauveria bassiana IMI389521株についての農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Beauveria bassiana IMI389521
EFSA Journal 2017;15(9):4831 [16 pp.]. 28 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4831
空の収穫後貯蔵施設において殺虫剤として、昆虫に寄生する糸状菌であるBeauveria bassianaのIMI389521株を、典型的な使用法で用いる場合を基本として結論を導いた。通常のリスク評価に用いるのに適した信頼できるエンドポイントは示されているが、一覧で示したような、法的枠組みの中で必要とされる情報が不足しているため、諸々の懸念が見出された。

  • EFSAのパネルメンバーを雇用している組織の調査

Survey of institutions employing EFSA Panel Members
27 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/15091e
EFSAのパネルメンバーはEFSAの職員ではなく、公共団体、具体的には国立のリスク評価組織、大学、他の研究機関などのフルタイムの職員である。彼らへの支援を改善するために、定期的な調査が実施されている。欧州中の関連機関がこの調査に参加するよう依頼され、70%以上が回答を提出した。回答率は非常に高いとみなされた。この調査は、EFSAに貢献する専門家の状況を最適化するために必要な改善点についての道筋を示し、今後の協議の土台を形作った。資金源を増やすことの他に、対象者が体を運んで行う会議への依存度を減らすこと、作業部会に若い専門家を取り込むこと、管理業務を単純化すること、専門家を雇用している組織にEFSAでの仕事についてもっとよく認識してもらうこと、などが提案された。