食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • カナダではグルテン不耐は診断されていないようだ

Gluten intolerance appears largely undiagnosed in Canada
6-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uot-gia100317.php
約3000人のカナダ人の血液を調べて114人に1人(あるいは約1%)がセリアック病を示唆する抗体が高濃度であった。しかし約90%はそれに気がついていない。このデータはセリアック病に関心が高まる前の10年ほど前のものである。BMJ Openに発表。
またコーカサス人が他の人種よりなりやすいことも確認した。数は少ないが南アジアや東アジア人にセリアック病患者はいなかった。セリアック病になりやすい遺伝子変異は白人でもアジア人でも同じくらいであるため、他の要因が寄与している可能性がある。
(患者は気がついてないのに患者でない人が病気だと言う、という混乱した状況。)

  • ライフスタイルの変化が地域による肥満率の違いを小さくできる、研究が発見

Lifestyle changes can close regional obesity gap, study finds
6-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uoe-lcc100617.php
エジンバラ大学の科学者がスコットランドの11000人の健康情報を解析した。肥満率に大きく影響するのは喫煙、飲酒、食生活などのライフスタイル要因で、DNAではない。
Nature Communications

Addressing the double standard
9-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/bawh-atd100617.php
JAMA Internal Medicineのエディトリアル「調剤生物学的同等ホルモン療法。規制のダブルスタンダードは女性を傷つけている?」
閉経期女性のホルモン補充療法に調剤生物学的同等ホルモンの使用が増加している。普通のホルモン剤と同じなのに調剤薬局がより安全、よりナチュラルと宣伝している。調剤薬局の製品はFDAが認可したものではなく品質管理がされていないことを多くの女性が知らない。
(これはアメリカ特有の制度。例外的にお目こぼしされているだけのところが大手の標準品より自然だとか個別に対応とか宣伝して患者を欺くのはよくある)

  • 遺伝子操作によりトウモロコシの栄養価を高めることは何百万もの人に利益となる可能性がある

Genetically boosting the nutritional value of corn could benefit millions
9-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/ru-gbt100417.php
メチオニンを産生する遺伝子を挿入することで動物に与える飼料の量を減らし食糧生産コストを下げられる。Proceedings of the National Academy of Sciencesに発表。

  • がん研究者がドリアンのゲノムを解明

Cancer scientists crack the durian genome
9-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/s-csc100617.php
Humphrey Oeiがん研究所シンガポール国立がんセンターDuke-NUS医科大学の科学者らが世界初のドリアンの完全遺伝的マップを解明した。Nature Geneticsに発表。
(もちろん注目は香り成分の合成メカニズム)

  • ドリアンはどうして硫黄のような悪臭なのか

Natureニュース
How the durian got its sulfuric stench
Emma Young 09 October 2017
https://www.nature.com/news/how-the-durian-got-its-sulfuric-stench-1.22785
ゲノム配列には硫黄関連遺伝子があり、それは象やコウモリを惹きつけるために進化してきたのだろう
ある人は称賛し別の人は嫌いな、ドリアンの臭いの原因となる配列がわかった。