食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 殺しのラット

The Rats that Kill
Kevin Folta
https://medium.com/@kevinfolta/the-rats-that-kill-2bb25c8a0527
5年前、世界を一つのニュースが駆けめぐった。グロテスクなラットの3枚の写真がソーシャルメディアに侵入し何千ものウェブサイトの見出しにバナーとして飾られた。この画像は遺伝子組換え作物と腫瘍の関連を主張する論文からのものである。
迅速な反応があった。科学者はこの論文を検討したくさんの欠点を指摘した。一方活動家らはそれをGM技術の恐ろしさの証拠だとして提示した。ケニアを含む一部の国はこれを理由に全ての遺伝子組換え作物の使用を中止した。
そして(5年経った)今日、この画像は今でも反GMOのレトリックに使用され続けている。この教訓は?
この3枚の画像はそれぞれGMO、除草剤、GMOプラス除草剤を餌に混ぜて与えたと主張している。これについては以下の5点を注意すべきである。
1.対照群は?−表を見ると対照群にも腫瘍がある。わざと除いている。
2.処置が全く違うのに結果は同じ。除草剤とGMOが全く同じ作用があるとは驚きである
3.動物の状況 動物が苦しんでいる
4.GMOという単語。「GMO」は処置ではない。特定の系統や正確な名称を書くべきである
5.5年経って、独立した評価はでてこない。動物での再現もなく消費者にも影響は報告されていない

この論文はいくつかの国でGMOの使用を終わらせるのに使われた。この論文は貧弱な科学に政治的メッセージをのせて出版され、栄養不良での死者を増やした。学術論文がプロパガンダに使われた。科学文献は恐怖を煽るのに悪用された。
5年前のこの論文を振り返って、反科学ムーブメントは害を与えることを再確認する。
(Seralini論文。しかし反対派界隈はいまだにパズタイ、エルマコヴァを持ってくる)

  • エネルギードリンクが新米パパの頭蓋骨に穴を残した

Energy drinks leave new father with hole in skull
Posted By: Our Reporter On: October 15, 2017
http://thenationonlineng.net/energy-drinks-leave-new-father-hole-skull/
アメリカ人の若い男性がエネルギードリンクを過剰に飲んで脳出血をおこした。同時に妻が出産した。妻がフェイスブックにショッキングな写真を投稿して注目され、その後削除

  • 病院では特大サイズのチョコレートとお菓子の袋禁止

Supersized chocolate bars and sweet bags banned from hospitals
Monday 16 October 2017
https://www.theguardian.com/society/2017/oct/16/supersized-chocolate-bars-and-sweet-bags-banned-from-nhs-hospitals
NHSの肥満対策
販売するお菓子は全て250カロリー以下にすること。
(板チョコ一枚売りもできないってことか)

  • 寿命、過体重、教育を調べた遺伝研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to genetic study looking at lifespan, being overweight and having an education
October 13, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-genetic-study-looking-at-lifespan-being-overweight-and-having-an-education/
Nature Communicationsに発表された研究で学習と体重と長生きの関連を検討している
Exeter大学医学部公衆衛生と疫学教授David Melzer教授
これは大規模で重要な研究で、この分野の最近の研究の多くを確認した。しかしながら解析は主にUK Biobankに2006-2010年に参加した中年ボランティアの両親の寿命に基づくものである。従って我々が話題にしているのは約1906年から1940年に生まれた人たちのことである。健康にとって教育が非常に重要であることに疑いはないが、ここで報告されている推定は約1世代前の、多くの人が初等教育しか卒業していない、高等教育を受ける人が少なかった時代のものである。従って現在の我々世代にはあてはまらない可能性がある。1年余分に教育を受けることの意味は今よりもっと重要だったろう。
同じことが肥満についてもいえる。現代の糖尿病やコレステロールや高血圧の治療はここで報告されている影響を変えている可能性が高い。

  • ドイツの研究者らが国を挙げてのオープンアクセス推進のなかでElsevier雑誌を辞任

Scienceニュース
German researchers resign from Elsevier journals in push for nationwide open access
By Gretchen Vogel Oct. 13, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/german-researchers-resign-elsevier-journals-push-nationwide-open-access
5人の主導的ドイツ科学者がElsevierの発行する雑誌の編集者の立場を辞任した。オランダの科学雑誌大手の出版方針とドイツ図書館コンソーシアムとのオープンアクセスを巡る戦いの最新局面である。5人は辞任予定の最初に過ぎず、今後次々と辞めていく予定。Projekt DEALでは図書館毎に購読料を払うのではなく、国全体で「出版して読める」合意を目指す

Nomination of climate skeptic to head White House environmental office draws strong reactions
By Hannah Northey, E&E NewsOct. 13, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/nomination-climate-skeptic-head-white-house-environmental-office-draws-strong-reactions
E&E Newsに掲載された記事
Kathleen Hartnettを環境問題諮問委員会の委員長に推薦。企業からは称賛、環境保護主義者達からは悪夢と。

  • 欧州の薬物規制はEMAがロンドンを離れる準備をしているため立ち往生するリスク

Natureニュース
European drug regulation at risk of stalling as agency prepares to leave London
Inga Vesper 12 October 2017
https://www.nature.com/news/european-drug-regulation-at-risk-of-stalling-as-agency-prepares-to-leave-london-1.22817
英国のEU離脱後EMAが引っ越す計画で重大なスタッフ不足になるだろうと局長が警告
EMAの職員900人のうち最大70%がロンドンから移ったら辞めるという。
現在候補地に名乗り出ているのは19都市程度だがEMAの必要条件を全く満たしていない都市もある
(特に臨時職員。)