食品安全情報blog過去記事

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堆肥中フィプロニルの環境リスク:土壌への堆肥使用のリスク評価

Environmental risks of fipronil in manure: Risk assessment of manure application on soil
17-10-2017
http://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Scientific/Reports/2017/oktober/Environmental_risks_of_fipronil_in_manure_Risk_assessment_of_manure_application_on_soil
オランダで違法に家禽ワクモ治療に使われたフィプロニルは土壌や地表水中の無脊椎動物に低濃度でも毒性がある。従って汚染鶏糞を介して環境に入ることを予防することが重要である。環境的には汚染鶏糞は焼却処理するのがベストである。フィプロニルは焼却で完全に壊れる。コンポストや堆肥消化のような他のプロセスでは分解しない。分解速度が遅いので一時保管は解決法にならない。
極めて低濃度のフィプロニルを含む鶏糞を土壌に散布してもほとんどの場合環境基準を超えることはないだろう。しかしオランダの土壌規制における有機肥料の認可では、規制値の目的は「無視できるリスク」を超えないことではない。RIVMは無視できるリスク濃度を超える可能性を排除できない。
フィプロニル汚染のあった農場の堆肥を処理することの経済的帰結については評価していない。この研究結果は意志決定の基礎として経済省に利用されるだろう。