食品安全情報blog過去記事

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  • 貪欲、嘘、グリホサート:Portierペーパー

Greed, Lies and Glyphosate: The Portier Papers
Posted by riskmonger on October 13, 2017
https://risk-monger.com/2017/10/13/greed-lies-and-glyphosate-the-portier-papers/
これはChristopher Portierという一人の科学者が、如何にして科学と科学規制機関の助言とWHO機関の評判を貶めたかを暴露したものである。反グリホサート活動家の資金源、透明性、動機、アメリカの反企業訴訟におけるIARCの役割、それに関係した科学者の質に疑問を提示する。これは反グリホサートキャンペーン全体がどんなふうに強欲と欺瞞の上に成り立っているかを示す。
このブログはモンサントラウンドアップを訴えた裁判でのChristopher Portierの証言に基づくものである。PortierはIARCの有名な「グリホサートはおそらく発がん性」と決定したワーキンググループの外部特別アドバイザーだった。この暴露記事では以下を強調する。
・IARCがグリホサートを発がん性だという意見を発表したその週にChristopher Portierはモンサントを訴えるというがん患者の訴訟を請け負う二つの弁護士事務所と高額なコンサルタント契約に署名している
・この契約で手付け金として少なくとも16万ドルと旅費を受け取っている
・この契約ではPortierは他人にこの契約のことを話さないという守秘義務が含まれる
・Portierの証言に含まれるメールからはグリホサートの禁止においてPortierの役割が必須だったことは明らかである。彼はIARCへのメールでIARCの評判と結論を守りBfRとEFSAの件は何とかすると約束していた。
・PortierはIARCのグリホサートの会議の前に、自分はグリホサートについては全く関係なく仕事をしたこともないと言っていた

以下長い記事。最後にPortierへの批判記事を書いている著者に対する膨大な嫌がらせに対して非常に悲しい、と書いている
コメント欄にはグリホサートへのPortier の立場はGMOへのGilles-Eric Séraliniと MMRワクチンへのAndrew Wakefield(ワクチン訴訟で£435,000受け取っている)と同じという話が。

  • フランスの農家はグリホサートを支持し裁判に訴えるという

French farmers back glyphosate and make legal threat
17 October 2017,
https://www.hortweek.com/french-farmers-back-glyphosate-legal-threat/plant-health/article/1447569
もしグリホサートが使えなくなったら欧州司法裁判所に訴えるという
フランスの穀物農家団体OPGは、グリホサートの認可更新に必要なものは全て揃っている、という。ある農家はもしグリホサートが市場から無くなったら、生産コストの増加や雑草の増加などの相当なダメージを受けるだろうという。現在の農業生態学的農法ができなくなる。

  • 除草剤の科学者はがんの弁護士から12万ポンドもらっていた

Weedkiller scientist was paid £120,000 by cancer lawyers
Ben Webster, Environment Editor
October 18 2017
https://www.thetimes.co.uk/article/weedkiller-scientist-was-paid-120-000-by-cancer-lawyers-v0qggbrk6
IARCにグリホサートを発がん性に分類するよう助言したChristopher Portierは、製造業者をグリホサートのせいでがんになったと訴えている弁護士事務所から16万ドル(121500ポンド、1800万円くらい)受け取っていた。
彼は欧州委員会に出したIARCの分類を受け容れるように強く求めた手紙の中で法律事務所との関連は明らかにしていない。
(フランス語でもグリホサートスキャンダル、として報道されているっぽい)

Drug overdoses killed more Americans last year than the Vietnam War
CBS News/ October 17, 2017,
https://www.cbsnews.com/news/opioids-drug-overdose-killed-more-americans-last-year-than-the-vietnam-war/
CBSオピオイド流行特集の一部
2016年の薬物過剰使用による死者は64070人で前年から21%増加。その約3/4がオピオイドによるもの。
ベトナム戦争で死亡したアメリカ人は58200人。2015年の交通事故死は35092人

Legalizing Cannabis and Opioid Deaths: How Marijuana Is Saving Lives in Colorado
By Melissa Matthews On 10/17/17
http://www.newsweek.com/legalizing-cannabis-opioid-deaths-how-marijuana-saving-lives-colorado-686949
オピオイド大麻に置き換えることが役にたつ可能性がAmerican Public Health Associationに発表された。コロラド大麻が合法化された2014年以降、オピオイドに関連する死亡が6.5%減った。まだ短期であり原因が大麻かどうかは不明。

Weed: The Latest Wellness Trend?
By Lisa Elaine Held
http://www.cleanplates.com/know/happiness/marijuana-latest-wellness-trend/
ウエルネスインフルエンサーの間で大麻が流行している。大麻にはあらゆる健康上のメリットがあると宣伝されヨガのジムで使われている。ヘルシーキッチンの構成要素として大麻を台所で育てて料理に使うことを薦めている。最新流行の健康食品は大麻入りチョコレートである。他にも身体に塗ったりスプレーしたりする製品がある。大麻クレンズというものすらある。それは身体から大麻を取り除くのではなく、大麻で身体をきれいにするという。
(このサイトはデトックスやオーガニックを薦めるサイト。農薬はほんの僅かでも許せないという人たちの間で薬物が持て囃される不思議)

  • コデイン論争を巡って医師が公開文書を書く

Doctors pen open letter on codeine battle
October 18, 2017
http://www.theaustralian.com.au/news/latest-news/doctors-pen-open-letter-on-codeine-battle/news-story/125f5ca6e51b3315f1423ec3757ffde9
医師らがコデインの過剰使用は恐ろしい影響があると強調した。
TGAがコデインを含む医薬品を2月から処方薬に限定すると決定したことに対して、薬剤師組合が政治的活動をしていると報道されたことへの対応。薬剤師がコデインを使えるようするためのロビー活動をしているとされ、薬剤師組合は患者の安全よりお金儲けが大事なのだという批判を否定している。医師らは急性の痛みには消炎鎮痛剤とパラセタモールが依存のリスク無く使えるという。

  • Johnson & Johnsonが自社の人気製品に関連したがんによる死亡についての7200万ドルの判決を逆転

Johnson & Johnson wins the reversal of a $72 million verdict over a cancer death linked to one of its popular products
Nate Raymond, Reuters
http://www.businessinsider.com/r-update-1-jj-wins-reversal-of-72-mln-verdict-over-talc-cancer-risks-2017-10
ベビーパウダー卵巣がんになったと主張していた裁判)

  • 旅行時の健康についての6つの誤解

6 Misperceptions About Travel Health
by Jeanine Barone | October 17, 2017
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/6-misperceptions-about-travel-health
旅行時に病気を予防するためにどうすればよいかについての大量の科学的情報があるにも関わらず、誤解も無くならない。ここに主に途上国を訪問した場合の病気予防について6つの事実ではないことを挙げる
・食事の時にアルコールを飲むと旅行者下痢症予防になる
・プロバイオティクスサプリメントで旅行者下痢症予防になる
・外国生まれで移住してまた戻った場合には病気にならない
マラリア予防薬を飲めば他の蚊が媒介する病気にもならない
・蚊の媒介する病気はジャングルでリスクになるが都市部ではリスクはない
狂犬病になるのは野良犬に噛まれた時だけ
(風邪予防だと言って酒飲む理由にしている人は見たことある。プロバイオティクスは最小限の根拠しかないのに万能扱いだし)