食品安全情報blog過去記事

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ビタミンDが喘息の悪化をある程度防ぐ可能性について

Vitamin D may prevent asthma worsening for some
Thursday October 5 2017
https://www.nhs.uk/news/heart-and-lungs/vitamin-d-supplements-may-prevent-asthma-worsening-some/
ビタミンDサプリメントは深刻な喘息発作から身を守る」と英国一般紙Daily Telegraphは報道している。
この見出しは、喘息患者においてビタミンDサプリメント摂取とプラセボ摂取とを比較した7件の試験から集めたデータのレビューに基づいている。
研究者は、ビタミンDが「喘息増悪」と呼ばれる、入院や経口ステロイド治療が必要となる深刻な喘息症状の発現のリスクを減らすかどうか調べようとした。
結果として、研究者はビタミンDサプリメントによって喘息増悪のリスクが26%減ったという知見を得た。さらに分析すると、予防効果は、最初にビタミンD欠乏状態だった人々にのみ見られた。
しかし、このエビデンスにおいては、主要な欠点として、喘息増悪の発症例が少ないことが挙げられる。具体的には、2件の試験においては喘息増悪が皆無であり、もう1件では1回起きただけであった。
さらにデータの対象者の内の開始時にビタミンD欠乏であったのは92人だけであった。つまりリスクの推定が、少ない例数に基づいていること意味し、正確性が低減する可能性がある。
目下のところ、ビタミンD欠乏のリスクがある人や1歳から4歳の幼児を含めた特定の集団には、1年を通してビタミンDサプリメントをとることが推奨されている。
全ての成人と子供は、日光が少ない時期の秋季や冬季は1日10 µgのビタミンDを取ることを検討するよう提言されている。
喘息発作の際、何をすべきかについては以下のウェブサイトを閲覧されたい。
https://www.nhs.uk/Livewell/asthma/Pages/Asthmaattacks.aspx