食品安全情報blog過去記事

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その他

  • グリホサートのレビューにおいて、WHOのがん機関は「発がん性はない」という知見は削除した

In Glyphosate Review, WHO Cancer Agency Edited Out 'Non-Carcinogenic' Findings
Oct 19, 2017 REUTERS By Kate Kelland
https://www.reuters.com/article/us-who-iarc-glyphosate-specialreport/in-glyphosate-review-who-cancer-agency-edited-out-non-carcinogenic-findings-idUSKBN1CO251
Reuterが見た文書は、国際的論争と何百万ドルもの訴訟につながったIARCのグリホサート評価の重要な章が、最終化されて公表される前にどうやって変更され削除されたかを示していた
(例えばグリホサートはマウスでは異常な増殖をおこさないということについて確実に、全員一致で合意したというEPAの専門家の病理診断の文章が削除された、など具体例いくつか掲載)
Reuterは動物実験の章で10の相当な変更を同定した。いずれも発がん性がないという知見は削除されるかどちらとも言えないあるいは発がん性があるというものに置き換えられていた。誰がこの変更をしたかはわからない。IARCに質問したが答えない。16人の専門家にも取材したがほとんどは回答無し。
(長い記事。Reuterはちゃんと取材してるんだな。IARCモノグラフは案の段階で公開して意見募集をするという今では標準となった手順は踏んでいないので「厳密な科学的基準」は採用していない。事務局にとっては古いシステムと権威にあぐらをかいていたら、たちの悪いウイルスにハックされた、みたいな状況かなぁ。)

  • オーストラリア人は日焼け止めについて「ますます間違った情報を信じている」、新しい研究が示す

Australians are becoming “increasingly misinformed” about sunscreen, new research has showed
Megan Haggan — 20/10/2017
https://ajp.com.au/news/survey-reveals-suncare-myths/
世界悪性黒色腫学会で発表された、がん評議会の全国日光安全調査の最新統計によると、毎日日焼け止めを使用しても安全だと理解しているオーストラリア人はたった55%しかいない。この数字は2014年の61%から減っていて、17%が日焼け止めには健康に悪い成分が入っていると心配している。1/5は日焼け止めを定期的に使うとビタミンD濃度が下がると信じている。
オーストラリアがん評議会の公衆衛生委員会委員長Craig Sinclairはオーストラリア人が日焼け止めを信用しなくなっていることを極めて心配だという。オーストラリア人の3人に2人は一生の間に一度は皮膚がんと診断される。別の研究では十分量使用していない人が85%である。

  • 大麻:何故危険なほど強力な大麻が人々の心と記憶を失わせているのか

Marijuana: Why Dangerously Potent Pot Is Making People Lose Their Minds and Memories
By Jessica Firger On 10/19/17
http://www.newsweek.com/marijuana-dangerously-potent-pot-making-people-lose-minds-memories-688807
新しい系統の娯楽用大麻−強力大麻が依存や記憶障害などを引き起こしている。強力大麻は有効成分量が多く安全にする成分が少ない。そして今週発表された新しい研究によると最もリスクの高い大麻がブラックマーケットから来ている−それは合法化を拡大する根拠になるかもしれない。英国Manchester Metropolitan大学が今週発表した報告ではマンチェスターの50検体の大麻を調べた。全ての検体には高濃度のTHCが含まれCBDは少なかった

  • オリーブオイル:品質を求めて必死

Olive Oil: Desperately Seeking Quality
by Alexandra Kicenik Devarenne | October 19, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/olive-oil-desperately-seeking-quality
「ニセの」オリーブオイルという主張は多いが米国で販売されているオリーブオイルの偽装の事実は少し複雑である。純度の問題、つまりオリーブオイルに大豆油やキャノーラ油、あるいはエキストラバージンオリーブ油に精製オリーブ油を混ぜるといったことは希である。
遥かに多いのはオリーブ油のグレードの誤表示である−それは品質の問題で−グレードの低い「バージン」オリーブ油に、よりハイグレードの「エキストラバージン」と表示して売る。そしてオリーブ油は傷みやすいので、最初はエキストラバージンだったものがあなたの手に届いた時にはそうでなくなっている可能性もある。
この誤表示は市場に意味のある規制が無いことによるだろう。カリフォルニアはこの問題を修正しようとしてオリーブ油の基準を作った−それはこの国で最も厳しいもので、カリフォルニアで生産したオリーブ油はカリフォルニアオリーブオイル委員会がサンプリングと検査をすることを義務づけている。
しかし米国で消費されるオリーブ油の96%は輸入で、その中には最も質の良いものも含まれるためその裏表を理解することが重要である。
エキストラバージンオリーブ油を選ぶときに気をつけることをいくつか提示する
・値段:あまりにも安すぎるものは多分にせ物
・賞味期限や収穫日 オリーブ油は新鮮な方が質が高い
・産地 複数国が産地の場合より一つの国や地域のほうが一般的に質はよい
・実際の生産者のブランドや現地生産
・PGI, DOP, DO,あるいはAOC
・その他 オリーブの品種や農法、絞り方など
・味!

  • Rand Paulは米国のピアレビュー委員会に干渉

Rand Paul takes a poke at U.S. peer-review panels
By Jeffrey MervisOct. 19, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/rand-paul-takes-poke-us-peer-review-panels
上院共和党員が米国政府の基礎研究への資金提供を基本的に変えることを提案して新たな攻撃を開始した。
今週Rand Paul上院議員が提案した法案は、研究費の審査をする委員にその分野の研究について全く知らない人を加える。さらに研究費の申請も公開することを要求する。納税者の声を反映させるという。