食品安全情報blog過去記事

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蜂蜜サンプルの3/4に農薬の痕跡がある

Three-quarters of honey samples contain pesticide traces
Friday October 6 2017
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/three-quarters-honey-samples-contain-pesticide-traces/
「世界の蜂蜜は、ミツバチに有害と知られている強い農薬で汚染されている。」と英国大手日刊紙Guardianは報道している。
これは、世界中の多様な地域から採取した200個近くの蜂蜜サンプルを分析し、75%がネオニコチノイドと呼ばれる農薬の一種の痕跡を含んでいたことが分かったという研究に基づくものである。
ネオニコチノイド類は1980年代に商業的に利用できるようになり、鳥類や哺乳類に被害をあまり与えない農薬の一種として市販化された。
しかし1990年代以降、ミツバチに有害である可能性を主張してきた研究者もおり、少なくとも部分的には、ヨーロッパにおいてミツバチの数が急減した原因となったと考えられる。
測定サンプルにおける平均濃度は、蜂蜜1グラムあたり1.8ナノグラム(ng/g)であった。
これは、ネオニコチノイド類のうち3種に設定されている50 ng/gや他の2種に設定されている10 ng/gというEUの最大許容濃度よりずっと低い値である。
検出された程度の低濃度は、ヒトにはいかなるリスクも生じないと思われているが、ミツバチやその他の蜜を集め花粉を運ぶ昆虫への有害性とは関連付けられてきた。
この研究は、一般の人々に過度の警告を与えるものではなく、おそらくゴミ箱に蜂蜜のビンを捨てる必要もないだろう。
そうは言っても、世界的な農薬の使用は環境保護への懸念となる。
2020年までは施行されないが、フランスはすでにこれらの農薬の使用を完全に禁止したという話であり、他の国々も後に続くかもしれない。