食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

Wealth-associated disparities in death, disability in older adults in US, England
23-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/tjnj-wdi101917.php
JAMA Internal Medicineに発表された新しい論文によると、医療システムとセーフティネットが大きく異なる二つの国の両方で、高齢者の死亡と障害は富の少なさに関連する。
多くの社会経済状態の影響調査には指標として収入を使う。この研究は財産を使った。その結果どちらの国でも財産の少なさは死亡と障害リスクの高さに関連した。最も貧しい人達にとっては僅かな財産の増加が寿命や機能の獲得につながる可能性が示唆された。
(超高額な医療に投資するより社会福祉レベルを上げる方が効率がよいのだろう。)

  • 研究が砂糖の主張使用に関するカナダ規制の欠点を発見

Study finds shortcomings in Canadian regulations governing use of sugar claims
23-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/csp-sfs102017.php
砂糖に関して「より健康的な」栄養強調表示をしている食料雑貨にはまだ過剰量の砂糖が含まれる
Applied Physiology, Nutrition, and Metabolismに発表されたトロント大学の研究者らによる研究。「砂糖は添加していない」という表示を消費者はより健康的でカロリーが低いと信じているが、それでもWHOの定義による「過剰量」になる場合がある。例えばフルーツジュース。
(イメージで判断してはいけないということと、栄養成分表示のほうが重要であることを知ってもらうしかないのでは)

  • 試験が薬物が劇的に肥満のヒトの体重を減らせることを示す

Trial shows drug can dramatically reduce weight of people with obesity
23-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uol-tsd102317.php
糖尿病治療薬として開発中のセマグルチドsemaglutideで12週間で5kgの減量が観察された。Diabetes, Obesity and Metabolism。食欲抑制により食べる量が減っていた。

  • オピオイド危機「学んだことと、ここからどこへ行くのか?」

The opioid crisis: 'What have we learned and where do we go from here'?
23-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/wkh-toc102317.php
of Anesthesia & Analgesiaの特集号。「オピオイド流行の背景、問題、そして解決法」

  • 健康な歯のための学校近くのより良い食品選択

Better food choices near schools for healthier teeth
23-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/indl-bfc102317.php
American Journal of Preventive Medicineに発表されたGreater Montréal地域の200の学校330人の8-10才の生徒の2年間に渡る各種データの解析。健康な食生活と歯の衛生促進プログラムはポジティブな影響があるものの、子ども達の食品や社会経済環境の影響に比べると小さい。学校で教えるだけではなく健康的食環境を促進する政策がより大きな影響を与えるだろう。

  • この遺伝子編集ブタは栄養豊富で脂が少ない−でも美味しいだろうか?

Scienceニュース
These gene-edited pigs are hearty and lean—but how will they taste?
By Kelly ServickOct. 23, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/these-gene-edited-pigs-are-hearty-and-lean-how-will-they-taste
良いベーコンやポークチョップに対して「脂が少ない」とはあまり言わない。しかしCRISPR遺伝子編集で作った脂の少ないブタが養豚界にデビュー。子豚は低体温になりやすいので涼しい気候の農家はヒートランプなどを買う必要がある。脂肪の多いブタは、美味しいけれど成長がゆっくりで、同じ量の肉を作るのに脂身の少ないブタより多くの飼料を必要とする。CRISPR技術を用いてマウスUCP1遺伝子を与えられた12頭のブタは寒さに晒されたときに組替えでないブタより体温を維持することができ、殺したときの脂肪の割合が15%で対照群の20%より少なく肉の割合が50%から53%に増えている。PNASに発表。

  • ガリネズミの頭蓋骨は冬の生存のために縮む

Natureニュース
Shrew skulls shrink for winter survival
Emma Young 23 October 2017
https://www.nature.com/news/shrew-skulls-shrink-for-winter-survival-1.22874
骨の組織を吸収して小さくなることで食糧が少ない時期にエネルギーを節約するのに役立つのかもしれない
ドイツの野生のトガリネズミをつかまえてタグをつけて調べたところ、冬に頭蓋骨と身体の大きさが小さくなり、春に再び生長することを発見した。脳の量ですら20-30%減る。
Current Biology
(生き物ってすごいよなぁ)