食品安全情報blog過去記事

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意見

  • 使用後のPETを食品と接触する材料へリサイクルするために使用される"Krones"プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process ‘Krones’ used to recycle post-consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2017;15(10):5015 [12 p p.]. 26 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5015
食品接触材料、酵素、香料および加工助剤に関するEFSAのパネルは、リサイクルプロセスKrones pellet (EU登録番号RECYC0149)の安全性評価を取り上げ、ここに科学的見解を提示した。
このプロセスから得られるリサイクルPETは、食品と接触する材料や製品に100%使用しても、室温で長期保存されるあらゆる種類の食品において、それが熱いものでもそうでないものでも、安全上の懸念を生じない。ただしこのPETで作られたトレーは、電子レンジやオーブンで使用するべきではない。

  • 新規食品としての塩化1-メチルニコチンアミド(1-MNA)の安全性

Safety of 1-methylnicotinamide chloride (1-MNA) as a novel food pursuant to Regulation (EC) No 258/97
EFSA Journal 2017;15(10):5001 [16 pp.]. 26 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5001
塩化1-メチルニコチンアミド(1-MNA)は、ナイアシンの正常な代謝過程の下流で生成され、ヒトの体内に天然に存在する物質である。
NDAパネル(食品・栄養・アレルギーに関するEFSAのパネル)は、1-MNAを用いた新規食品の組成、規格、バッチごとのばらつきについて、十分に情報が提示されていると判断した。
申請者は食品サプリメントに1-MNAを使用することを目的としており、58 mg/日の最大摂取量を提案した。1-MNAに遺伝毒性はないラットの亜慢性試験では、非腺胃上皮の変性が全ての用量で観察され、その発生率は濃度依存的に上昇した。NDAパネルは、ヒトの胃には非腺胃上皮がなく、この知見にはヒトとの毒性学的関連はないと判断した。500および1,000 mg/kg体重の用量では、回復期を設けても回復しない尿pHの変化が報告された。この有害性の知見は無視できないため、NDAパネルは、このラットの試験における250 mg/kg体重を基準値として選択した。体重70 kgで58 mgを消費するヒトの場合、暴露マージンはおよそ300倍となる。NDAパネルは、ニコチンアミドの上限、すなわち成人で900 mg/日という値に着目した。1-MNAはニコチンアミドの主要な代謝物であることを考慮して、食品サプリメントから58 mgの1-MNAを摂取してもヒトの健康に有害影響を及ぼす結果にはなりそうもないと判断した。
NDAパネルは、1-MNAは、提案された使用法と使用量において、安全であると結論を下した。