食品安全情報blog過去記事

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意見

  • 既存最大残留基準のレビューを必要としない農薬有効成分

Pesticide active substances that do not require a review of the existing maximum residue levels under Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2017;15(11):5046 [7 pp.]. 2 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5046
EC規則No 396/2005条項5(1)により、最大残留基準(MRLs)を必要としない農薬有効成分が定められ、附属書IVに記載されることとなった。EC規則No 396/2005第12条に基づくレビューが必要とされている有効成分の内、同規則の附属書IVに既にリスク管理者が収載した9つの有効成分について、EFSAは、これ以上の評価が必要かどうかを判定していないことを確認した。EFSAは、これらの9つの有効成分について、MRLのレビューがもはや必要が無いことを説明する意見書を作成した。関連する質問は、この意見書によって対処されると考えられる。

  • 食品と接触する物質に使用される化学物質[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシランの安全性評価

Safety assessment of the substance [3-(2,3-epoxypropoxy)propyl]trimethoxy silane, for use in food contact materials
EFSA Journal 2017;15(10):5014 [8 pp.]. 27 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5014
この科学的見解は、食品接触物質、酵素、香料および加工助剤に関するEFSAのパネル(CEFパネル)が作成したものであり、ガラス繊維強化プラスチックの製造においてガラス繊維の糊付け成分として使用される[3-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシランの安全性評価に関する。この物質は通常最終プラスチック製品に最大で約0.2%適用されている。結果として生じる物質が食品と接触する場合、様々な使用シナリオ、すなわち外気温での長期接触(例えば貯蔵タンク)や、高温度での短期接触(例えば台所用品)が想定される。処理されたガラス繊維抽出物では、この化学物質はガラス繊維1 kg当たり10 µgの感度でも検出できないし、加水分解生成物やオリゴマーもガラス繊維1 kg当たり60 µg/kgの感度でも検出できない。検出限界に基づき、プラスチック製品や想定される使用シナリオを考慮してモデル化を行ったところ、最大移行量は、この化学物質については食品1 kg当たり0.05 µg、反応産物については食品1 kg当たり合計0.15 µgという結果が得られた。パネルは、この物質には遺伝毒性があると結論しているこれはエポキシ基を含む反応産物のいくつかにも当てはまる。だが、暴露量はかなり少ないため、低拡散性プラスチック*にガラス繊維を組み入れる処理に糊付け剤成分として使用する限りにおいては、幾分の暴露があったとしても、あらゆる食品との接触の場合においても、この化学物質は安全上の懸念を生じないと結論した(*ポリエチレンテレフタレートポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、熱硬化性ポリエステル、エポキシビスフェノールビニルエステル)。また、処理したガラス繊維の残渣では、この化学物質については10 µg/kgの検出限界で、また各反応産物(加水分解されたモノマーやエポキシ基を含む環状二量体、三量体、四量体)に60 µg/kgの検出限界で検出されてはならないとされている。

  • リンゴとナシにおけるフォルペットのMRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for folpet in apples and pears
EFSA Journal 2017;15(10):5041 [21 pp.]. 26 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5041
Belchim Crop Protection NV/SA社が活性化学物質フォルペットの許容残留基準値(MRL)の改訂を申請した。申請に当たり提出されたデータは、新しいMRL値を支持するのに十分なものであった。報告された農業慣行に基づく限り、目的どおりにフォルペットを使用した場合に生じる残留物を短期および長期にわたり消費者が摂取しても、健康リスク生じそうもないと結論付けられる。

  • 外部委託科学調査報告「農薬への暴露と健康への影響を関連付ける疫学調査の文献レビュー」で得られた知見のフォローアップに関するPPRパネルの科学的見解についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of the Public Consultation on the Scientific Opinion of the PPR Panel on the follow-up of the findings of the External Scientific Report ‘Literature review of epidemiological studies linking exposure to pesticides and health effects’
1 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1314
2017年5月、植物保護製剤およびそれらの残留物に関するパネル(Panel on Plant Protection Products and their Residues: PPRパネル)は、外部委託科学調査報告「農薬への暴露と健康への影響を関連付ける疫学調査の文献レビュー」で得られた知見のフォローアップに関する科学的見解の草案を承認した。承認後、2017年6月12日から7月28日までパブリックコメントを募集し、関係者から223件のコメントを受け取った。コメントに対しては、回答および科学的見解の文言の修正で応じた。修正された科学的見解は、PPRパネルによって承認され、9月の第89回本会議で議論され、採択された。この技術報告書(technical report)には、受理したすべてのコメント、作業部会が示した回答および行動の内容が収載されている。

  • 外部委託科学調査報告「農薬への暴露と健康への影響を関連付ける疫学調査の文献レビュー」で得られた知見のフォローアップに関するPPRパネルの科学的見解

Scientific Opinion of the PPR Panel on the follow-up of the findings of the External Scientific Report 'Literature review of epidemiological studies linking exposure to pesticides and health effects'
31 October 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5007
2013年、EFSAは、2006年から2012年までに公表され、農薬への暴露と多くの健康状態観察結果との関連を検討した疫学調査について、包括的体系的レビューを行い、内容を発表した。相当量の疫学的情報が入手できたにもかかわらず、これらの証拠の品質は低く、多くの欠点のために結果が影響を受ける恐れがあり、確固たる結論が引き出せなかった。 最終的に、植物保護製剤およびそれらの残留物に関するパネル(Panel on Plant Protection Products and their Residues: PPRパネル)は、農薬リスク評価のために、疫学的データなどの証拠を複数の系列に統合して重み付けを行う方法論的アプローチを提案した。また、疫学調査の生物学的妥当性の検討は、暴露と影響の因果関係を確立する一助とすることができる。