食品安全情報blog過去記事

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論文

  • スポーツ及び減量用サプリメントに4つの実験的興奮剤が発見された:2-アミノ-6-メチルヘプタン(オクトドリン), 1,4-ジメチルアミルアミン(1,4-DMAA), 1,3-ジメチルアミルアミン(1,3-DMAA)および 1,3-ジメチルブチルアミン(1,3-DMBA).

Four experimental stimulants found in sports and weight loss supplements: 2-amino-6-methylheptane (octodrine), 1,4-dimethylamylamine (1,4-DMAA), 1,3-dimethylamylamine (1,3-DMAA) and 1,3-dimethylbutylamine (1,3-DMBA).
Pieter A. Cohen et al.,
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15563650.2017.1398328
米国で販売されているサプリメントを(禁止された)1,3-DMAAの類似体をにおわす成分名(2-amino-isoheptane, DMHA, 2-amino-6-methylheptane あるいは Aconitum kusnezoffii(トリカブト))で検索
いつものことながら商品名とメーカーは実名
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29115866
PubMedにrivm linkerというのが貼ってある。RIVMに文献請求できるらしい、オランダ語だったけど)

Potential U.S. Population Impact of the 2017 American College of Cardiology/American Heart Association High Blood Pressure Guideline
November 13, 2017
http://circ.ahajournals.org/content/early/2017/11/08/CIRCULATIONAHA.117.032582
高血圧の治療開始や目標値のガイドライン改訂について
JNC7(これまでのガイドライン)と2017 ACC/AHAの違いにより高血圧の人が31.9%から45.6%に増加する
(高血圧の定義(収縮期圧140以上拡張期圧90以上から130以上80以上に)を変えたものの、医薬品投与を始める推奨値は高リスクではない人では同じなので投薬対象はそんなに増えない、ということ。投薬推奨ではない高血圧の人には食事と運動が薦められるという流れ)

  • 米国の砂糖入り飲料の摂取は減っているが一部の集団では多いまま

Sugary beverage consumption in US declining but remains high among certain groups
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/htcs-sbc110917.php
2003年から2014年の間に炭酸飲料やその他の砂糖入り飲料の摂取量は子どもと成人の両方で減少した。しかし青少年や若年成人では多いままで、特に黒人、メキシコ系アメリカ人、非メキシコ系ヒスパニック集団で多い。Obesity

  • 減量食、主に脂肪が少ない、は肥満成人の早期死亡リスクを減らすかもしれない

Weight reducing diets, predominantly those low in fat, may reduce risk of early death for adults with obesity
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/b-wrd111017.php
BMJ。肥満成人において主に脂肪の少ない減量用食事法は早期死亡を減らすかもしれないが心疾患やがんへの影響は見られなかった。54のRCTのデータのレビュー。
(肥満の人が減量できればメリットがあることはわかってもデータの質があまり高くないので詳しい解析に耐えない、ということ)

  • インドでの包括的健康研究が非伝染性疾患の増加を発見

Comprehensive health study in India finds rise of non-communicable diseases
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/ifhm-chs111317.php
1990-2016年をカバーするインドの最新健康解析。子どもと母親の栄養不良は相当減ったものの、最も有害な健康寿命損失リスク要因のままである。若い人の死亡では交通事故と自殺が主な要因で、自殺率は州により4倍違う。州による国内の格差が大きい。The Lancet。

  • 世界の出生シーズン研究が環境と疾患リスクを関連させる

Global birth season study links environment with disease risk
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/cumc-gbs111417.php
3ヶ国(米国、韓国、台湾)5つの異なる気候での1億人以上の情報を解析したJournal of the American Medical Informatics Associationに発表された研究によると、冬に生まれた子どもはある時点で2型糖尿病となるリスクが高い傾向にあり、秋に生まれた子どもは生涯で鬱と診断されるリスクが高い。
(日光とか大気汚染などの環境要因が原因だと主張しているがADHDと診断される可能性が高いのは生まれた季節に関係なく学校に入った年齢が低い場合ということを報告している。それって社会的要因だよね)

  • マウスの研究は食事レベルのゲニステインが雌の生殖能力に有害影響している可能性を発見

Study in mice finds dietary levels of genistein may adversely affect female fertility
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/uoia-sim111417.php
新しいマウスの研究で、妊娠前の植物エストロゲンゲニステインへの暴露は、用量と期間により雌の妊孕性と妊娠の結果に有害影響がある可能性がある。Reproductive Toxicology。
ゲニステインはNIEHSが内分泌撹乱物質と分類している。雌のマウスに300, 500 あるいは 1,000ppmのゲニステインを含む餌を30, 60, 150 あるいは 240日間与え、対照群は植物エストロゲンを含まない餌を与えた。30日で妊娠期間の減少、60日で子どもの数の減少、150日で交配後の妊娠可能性の低下が見られた。240日では300ppm群の妊娠率は50%で対照群の67%より低かったが500ppmでは83%、1000ppmでは100%と妊娠率を上げた。

  • ミツバチの減少において、抗真菌剤がありそうにない悪役として浮上

In bee decline, fungicides emerge as improbable villain
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/cu-ibd111417.php
Proceedings of the Royal Society Bに発表されたコーネル大学のチームによる発表。
アメリカでの防カビ剤(クロロタロニル)の使用と病原体の存在とマルハナバチの減少との「地理的関連」を発見した。
(こんな大雑把な「関連」でものが言えるはずもないけれど、これまでこのやり方で「成功」してきたので。昆虫や環境を守れと言っている人たちは人類最大の環境破壊である「農業」をやめさせたいのかな)

  • 低用量の定常的ドリップ:医薬品とパーソナルケア用品の汚染が水棲生物に影響

Low dose, constant drip: Pharmaceutical and personal care pollution impacts aquatic life
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/cioe-ldc111417.php
Elementaに発表された新しい研究によると医薬品やパーソナルケア用品の淡水生態系汚染リスクは過小評価されている。排水処理施設はそのような化合物を除去するようにデザインされていない。

  • IED(即席爆発機器)の脅威を減らすためには小売りレベルでの前駆体の監視強化が必要

Greater oversight of precursor chemicals at retail level needed to reduce threat from IEDs
14-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/naos-goo111417.php
NASEMの新しい報告書。テロリストや過激派、犯罪者が自家製爆発物を使うことを防ぐには、特にインターネットで販売されているものへの監視強化が必要。
NASEMのプレスリリース
New Report Calls for Greater Oversight of Precursor Chemicals Sold At the Retail Level to Reduce Threats from Improvised Explosive Devices
Nov. 14, 2017
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=24862&_ga=2.124693517.688413565.1510635693-147430040.1465349714

Scienceニュース
These mussels could be key to decontaminating New York City’s dirty waters
By Katherine KorneiNov. 13, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/11/these-mussels-could-be-key-decontaminating-new-york-city-s-dirty-waters
ニューヨーク市の水路は汚いことで有名である:タバコの吸い殻から廃水処理施設からの排水まであらゆるものでいっぱいである。栄養の多い水系で生存する藻類が全ての酸素を使ってしまうため魚や植物は文字通り窒息している。今回科学者たちが数千のイガイを使うことを解決法の可能性として発見した。貝を載せた筏ひとつが毎年約60kgの窒素を除去でき、数百の筏で都市部の水質に意味のある改善ができる可能性がある
Environmental Science & Technology