食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 大麻暴露後心筋炎で小児死亡

Pediatric Death Due to Myocarditis After Exposure to Cannabis
2017Nappe, Thomas M.; Hoyte, Christopher O.
https://escholarship.org/uc/item/1n10w5pc
大麻合法化以降、子どもの大麻暴露が増加している。今回11か月の男の子が大麻に暴露された後発作をおこして中枢神経系の抑制で入院しやがて心停止そして死亡に至った。死後解剖で心筋炎と診断され大麻暴露が確認された。

  • プラスチック廃棄を超えて

Scienceエディトリアル
Beyond plastic waste
Dame Ellen MacArthur
Science 17 Nov 2017:Vol. 358, Issue 6365, pp. 843
毎年800万トン以上のプラスチックが海に入っていることから、人類はプラスチックの使い方を再考すべきである。まずごみにしないようにすべき。

  • 報告はコーヒーと肝疾患リスクの最大70%の削減が関連することを示唆

Report suggests association between coffee and up to 70 percent reduced risk of liver disease
16-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/k-rsa111517.php
コーヒーの科学情報研究所(コーヒー業界の広報)

  • ベビーブーム世代の加齢性黄斑変性はその前の世代より大きく減っている

Large decrease in age-related macular degeneration in baby boomers compared to previous generations
16-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/tjnj-ldi111517.php
ベビーブーム世代(1946-1964)以降が加齢性黄斑変性になるリスクはその前の世代より、原因不明だが大きく減っている。JAMA Ophthalmology

  • その「やること」リストを線を引いて消していこう、研究は全ての日常の活動が寿命を長くできることを示す

Cross off that 'to do' list, study shows all daily activity can prolong life
16-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/uoc--cot111617.php
Journal of the American Geriatrics Societyに発表されたカリフォルニア大学サンディエゴ医学校の研究者による研究によると、家事や用事をこなすことが実際に多様な健康上の利益がある。65才以上の女性で定期的な軽い運動をしている人は死亡リスクが減る。6000人の65-99才の女性を4年半フォローした研究。加速度計を用いて7日間日常の運動を調べている。1日あたり30分の軽い運動で死亡リスク12%減、さらに30分中程度から激しい運動で39%リスク減。全ての人種、全ての体重、全ての年齢で軽い運動にベネフィットがあった。

Is Overdiagnosis of Thyroid Ca a Problem in Teens?
by Kristen Monaco, Staff Writer, MedPage Today
November 16, 2017
https://www.medpagetoday.com/endocrinology/thyroid/69336
日本の超音波研究は病気の自然の進行を調べる
若い患者では、小児甲状腺がんは増殖し続けないかもしれないと研究者が報告した。日本の放射線事故後の若い人の平均6か月の観察で、腫瘍のボリュームに変化はなかった、と福島医大のSanae Midorikawaらはいう。甲状腺腫瘍は最初の増殖期から生長停止期に入ったようで、成長係数は腫瘍の直径と負の相関がある、とJAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgeryに書いている。
「成人では甲状腺がんは一般的に非常にゆっくり成長しほとんどの乳頭腫は進行がんにならないと報告されている。我々の福島調査では、甲状腺の超音波検査は甲状腺がんについて過剰診断の可能性を含むたくさんの発見をもたらした」とMidorikawaはMedPage Todayに説明する。
(略)
招待コメントでシアトル子ども病院のScott C. Manning医師は、観察期間が短いことが欠点であると指摘している。さらに事故後数年で開始し放出された放射能が比較的少ないため、放射線の影響ではなく真に自然の小児甲状腺がんについての研究になっている。
MidorikawaはMedPage Todayに「二回目の超音波検査で甲状腺腫瘍の成長と停止の自然史をさらに明確する確認試験を開始している」という
Comparative Analysis of the Growth Pattern of Thyroid Cancer in Young Patients Screened by Ultrasonography in Japan After a Nuclear Accident
https://jamanetwork.com/journals/jamaotolaryngology/fullarticle/2663380
(検診という名の実験だということははっきり言うべきだと思うんだが。有害影響を明確に理解していながら続けるというのがわからない)

Beliefs, endorsement and application of homeopathy disclosed: a survey among ambulatory care physicians
Stefan Markun, Marc Maeder, Thomas Rosemann, Sima Djalali
Publication Date: 12.10.2017 Swiss Med Wkly. 2017;147:w14505
https://smw.ch/article/doi/smw.2017.14505
スイスチューリッヒ州で2015年に外来診療を行った医師4072人にホメオパシーについて尋ねた。応えたのは38%で平均54才、61%が男性。年に一回以上ホメオパシーを処方したのはそのうち23%。処方に関連する専門分野は専門なし、小児科、産婦人科。処方した人のうち効果を意図したのは50%のみでホメオパシーの方針通りなのはたった27%、効果がある根拠があると思っているのは23%。プラセボ目的でホメオパシーを処方している人が多い。ホメオパシーを健康保険対象に戻すことについては全体の61%が反対。
(スイスのホメオパシーは日本の漢方薬と近い立ち位置)