食品安全情報blog過去記事

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その他

  • IARCは米国議会科学委員会のグリホサートがん報告スキャンダルについて証言する要請を却下

IARC rejects US House science committee’s request to testify on glyphosate cancer report scandals
Christine Haughney & Maya Parthasarathy | November 10, 2017
https://geneticliteracyproject.org/2017/11/10/iarc-rejects-us-house-science-committees-request-testify-glyphosate-cancer-report-scandals/
今月初めLamar Smith委員長がIARCへの疑惑について証言することを求めていた。しかしIARCはそれが適切なチャンネルからの公式手続きではないため無視するだろうとIARCのVéronique Terrasseコミュニケーション担当官はPOLITICO Europeに語った。

  • 診断の改善が結核の増加を止められない

Natureニュース
Improved diagnostics fail to halt the rise of tuberculosis
Ewen Callaway 16 November 2017
https://www.nature.com/news/improved-diagnostics-fail-to-halt-the-rise-of-tuberculosis-1.23000
病気の検出のためのより良い試験法が開発されたにも関わらず結核は大きな被害をもたらす病気のまま
7年前、世界の結核と闘っている研究者や活動家コミュニティは有頂天だった。2010年の画期的試験で、新しい遺伝的検査法が結核診断に極めて有効であることを示したので、とうとう結核のコントロールができるだろうと期待された。WHOは直ちにこの検査GeneXpertを推進し、症例の半数を見逃してしまう顕微鏡による診断に置き換わった。
しかしその後の結核の有病率は劇的に減少することはなく、各国は現在多くの結核患者が追跡できないことと診断された人の治療の困難さへの対策を探している。11月16-17日にモスクワで100ヶ国の保健大臣や担当者がこの問題について会議を行っている。世界の医療にとっては良くある話で、実験室や臨床試験では期待できそうに見えたものが医療システムの十分でない中から低所得国ではうまくいかない。
(診断できても治療できなかったら意味ないのはむしろ当然のような?日本だって結核の服薬コンプライアンスは結構難しいはず。症状が軽くなると止めちゃうので)

  • 保存のためのジーンドライブに注意−専門家の反応

SMC NZ
Caution urged over gene drives for conservation – Expert reaction
November 17th, 2017.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/11/17/caution-urged-gene-drives-conservation-expert-reaction/
ニュージーランドの2050年までに補食動物を無くす目標を達成するために、研究者らがこの国から外来オコジョ、ラット、ポッサムを排除する遺伝子編集技術を検討している。
PLOS Biologyに発表された展望論文でニュージーランドと米国の研究者が、この技術の使用にメリットがある可能性はあるものの地元の集団にのみ影響するよう確保する必要があるという。SMCは専門家の反応を集めた
(略、既に配慮されていることへの言及が無くまだ誰も主張していない方法への警告ということであまり評価されていないようだ)

  • 意見:「ツイッターラーチ(フォローワーの多い有名ツイッターユーザー)」がグリホサートの議論の論理をやじり倒している

Opinion:'Twitterati' are shouting down logic in the glyphosate debate
Richard Hackett | November 10 2017
https://www.independent.ie/business/farming/tillage/opiniontwitterati-are-shouting-down-logic-in-the-glyphosate-debate-36294926.html
EUのグリホサート認可更新の行き詰まりには解決の兆しがない。誰の失敗なのか考えてみた:規制担当者、欧州議会議員、ツイッターラーチ、あるいは根本原因はもっと身近にあるのか?最終的にグリホサート問題そして他の多くの食品関連問題の真の犯人は、我々食品生産者、科学と農業の実践者だろうと私は結論した。
20世紀初期の緑の革命以降、食糧を手に入れることが社会の発展の律速段階ではなくなった。最も平和な社会では生産者は食糧を豊富に供給できる。しかし食糧が豊富なために消費者が現状に満足し食糧安全保証は消費者にとって懸念ではなくなった。グリホサートなどの化合物を使えることが食糧をたくさん作る要因の一つである。
グリホサートは最も環境に優しく毒性学的に安全な分子の一つである。それを欧州の規制担当者は知っている。じゃあ何が問題?
ソーシャルメディアと市民ジャーナリストの増加が大きな要因であろう。いつだって事実を否定する反対者はいるし意見を言うことはできる、民主主義社会だから。彼らは新聞に投書し看板を持って歩き回ってきたが誰も感心を持たなかった。しかし過去5年の間に彼らがソーシャルメディアで勢力をもつようになった。
それ自体は問題ではない、問題なのは規制機関がそのソーシャルメディアのノイズに影響されるようになったことだ。突然科学は重要ではなくなった、独立した評価も重要ではなくなった、その代わりあまりにもうるさいツイッターラーチが正しいことになった。
規制機関は科学を援護せず、ますます声が大きくなる少数派の愚かな叫びに埋もれた。一方食糧生産者は他人事のように傍観していた。食糧を生産し続けた。
ツイッターラーチは彼らがどんなに騒ごうとどんなに農業を痛めつけようとスーパーに行けばたくさんの食糧があることを信頼している。しかしいつまでもそうはいかないだろう。
EU農業の大きな問題は若い人が来ないことである。

  • フィプロニル危機:卵の毒物検査結果は間違っている可能性がある、と分析が言う

Fipronil crisis: Egg poison test results may have been wrong, analysis says
16 November 2017
https://www.farminguk.com/news/Fipronil-crisis-Egg-poison-test-results-may-have-been-wrong-analysis-says_47922.html
フィプロニルの検査を行った分析機関のパフォーマンスを評価した欧州委員会の報告書によると一部の検査結果は間違っていたかもしれない。検査機関の94%は評価に合格したが6つの検査機関は失格で、1つの検査機関のフィプロニル検出結果は間違いであろう。問題の検査機関の名前は公表されていない
この報告はJRCによる習熟度テストの結果。

  • 中毒疑い野生のイノシシを食べた後、3人が植物状態

Three people left in vegetative state after eating suspected poisoned wild boar
16 Nov, 2017
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11944514
ニュージーランド北東の病院で成人3人が植物状態
食べた野生のイノシシの検査結果は明日出る予定

This Woman's Face Was Badly Burned by Her Essential Oil Diffuser. Here's What You Need to Know
http://www.health.com/skin-conditions/essential-oil-diffuser-burn
アロマセラピーには確かにリラックス作用がある、でもリスクがないわけではない
ディフューザーエッセンシャルオイルを使うのは良いアイディアだと思われるかもしれない。でも英国女性が恐ろしいリスクについて警鐘を鳴らす。
Emily Smithがフェイスブックで彼女の化学火傷の詳細を綴っている。「装置を切るときにディフューザーの蒸気の一部が顔にかかったようだ。でも私は気にしなかった。」数時間後、暖炉に新しい薪を足そうとしたら顔が焼けるような感じがした。火傷だと思って冷水で冷やした。救急情報センターの相談電話でも一度の火傷である可能性が高いので自宅で冷やすことで対処できると言われた。しかし次の朝目が覚めて鏡を見たら顔が腫れて目から涙が出続けてよく見えず、皮膚は膿が出ているようだった。
化学火傷は水で冷やしても効果はない。油なので水に溶けない。油で除去する必要がある

Toronto police criticized for not disclosing drug squad officer's fentanyl overdose sooner
By Julia Whalen, Philip Lee-Shanok, CBC News Posted: Nov 16, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/toronto/toronto-police-officer-dies-fentanyl-1.4405363
警察はMichael Thompsonが死亡して7か月後に発表した
37才の麻薬捜査官は4月10日に自宅で苦しんでいるのを発見され病院に運ばれたが3日後に死亡した。警察によると4月に死因の調査を始め結果が7月にわかって、フェンタニル過剰使用だった。彼の体内から見つかったフェンタニルの量は(業務上の)接触によるものにしては多すぎた。

  • AHA会長は軽い心臓発作の後、良好

AHA
AHA president doing well after minor heart attack
November 13th, 2017
https://news.heart.org/aha-president-stable-condition-heart-attack/
AHAの会長で心臓専門医のJohn Warner医師が年次会合で心疾患の話をした次の日、心臓発作で入院したが、病院でステントを入れた。彼の話は彼の父親と祖父が60代で心臓バイパス手術を受けているというものまた母方の祖父と曾祖父も心疾患で亡くしている。

  • Johnson & Johnsonはカリフォルニアのタルク中アスベストががんの原因と主張する裁判で勝訴

Johnson & Johnson wins California lawsuit claiming asbestos in talc caused cancer
November 17, 2017
https://www.reuters.com/article/us-johnson-johnson-cancer-lawsuit/johnson-johnson-wins-california-lawsuit-claiming-asbestos-in-talc-caused-cancer-idUSKBN1DG2PK