食品安全情報blog過去記事

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SCCS – 香料成分のための皮膚感作性定量リスク評価についての予備的意見に意見募集

Preliminary Opinion open for comments on Skin Sensitisation Quantitative Risk Assessment for Fragrance Ingredients (QRA2)
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_211.pdf
2018年1月22日まで
国際香料協会(IFRA)が採用している定量リスク評価(QRA)モデルでは、健康なヒトボランティアと動物実験をもとに、閾値がある、つまり極微量では影響はないとしている。それに一連の安全係数を用いていわゆる「許容量」を導出している。これは2008年にSCCPが意見を出している。さらに2012年にSCCPが香料アレルゲンについての意見の中でQRAモデルの改良に言及している。この意見以降企業と大学の協力によるアレルゲンの評価のためのプロジェクトが始まりQRA2が開発された。それについてのSCCSの意見案。
QRA2の概要は以下
ハザード同定
これまでマウス局所リンパ節アッセイ(LLNA)などで皮膚感作性を評価してきたがさらに動物以外の試験法を含む入手可能なデータを用いた根拠の重み付けアプローチに基づく統合的評価を行う
用量反応解析あるいはハザード定量
閾値陽性反応をもたらすのに必要な推定濃度濃度(EC3)を相対感作強度の指標として使う
暴露評価
製品の使用条件で皮膚に残る香料成分の量を単位面積あたりの量(マイクログラム/cm2)で評価する。
リスクキャラクタリゼーション
上述のアプローチにより導出された許容暴露量には新しい用語としてNOAELの代わりに“感作誘導が予期されない量No Expected Sensitisation Induction Level” (NESIL) 、不確実係数の代わりに“感作評価係数Sensitisation Assessment Factors” (SAFs)を使う。許容暴露量はAcceptable Exposure Level (AEL = NESIL/total SAFs)
さらに複数化合物の同時暴露も考慮する

これに対してSCCSからたくさんのコメント。以前のものより良くなってはいるがまだ足りない。

(皮膚につけるのと口から食べるのとは相当違うので(特にアレルギーに関しては)、「食品だから安全です」の類の宣伝をしているコスメは警戒した方がいいよ。)