食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 研究が米国のがんへのリスク要因の寄与を計算

Study calculates contribution of risk factors to cancer in the United States
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/acs-scc111617.php
新しい米国がん学会の研究がCA: A Cancer Journal for Cliniciansに発表された。結果として10例中4例以上のがんや死亡は変更可能なリスク要因に関連し、予防対策がある。
がんへの寄与が最も大きいのはタバコ(19.0%; 298,970 cases)、 (28.8%; 169,180 deaths)、次いで重すぎる体重(7.8% of cases; 6.5% of deaths)、飲酒(5.6% of cases; 4.0% of deaths)、紫外線(4.7% of cancers; 1.5% of deaths)、運動不足(2.9% of cases and 2.2% of deaths)。果物と野菜不足は1.9% of casesと 2.7% of deaths、HPV感染は1.8% of casesと 1.1% of deaths。
(タバコは死亡率の高い肺がんの原因になるのでとにかく禁煙が最優先。特定の食品をどうこう言うより体重管理が大事。日本人だと体重より感染症が重要になるがなにしろタバコ対策ができない国なので)

Social networks and survival: Social ties could help with cancer management
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/bawh-sna111717.php
より強い社会的ネットワークをもつ女性は直腸結腸がんと診断された後の生存率が良い。Cancerに発表。

  • 大気汚染が精子の質の悪さと関連

Air pollution linked to poorer quality sperm
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/b-apl111717.php
Occupational & Environmental Medicineに発表された研究。特にPM2.5。住所から推定。

  • 心不全症例は増加し続けている、最も貧しい人が最も悪影響を受けている

Cases of heart failure continue to rise; poorest people worst affected
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/uoo-coh112017.php
The Lancetに発表されたオックスフォード大学のイングランドの400万人のデータを解析した研究。2002年から2014年の間に予防に若干の改善があり病気になる年齢が上がっているが総数は12%増えている。主な理由は高齢者が増えたこと。貧富の差が拡大していて、最も豊かな人の診断年齢が上がっているのに対して最も貧しい人の診断年齢が低下し約3.5年の差がある。

  • 若年成人の障害のある食べ方は長期にわたる負の健康影響がある

Disordered eating among young adults found to have long-term negative health effects
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/uoh-dea112117.php
フィンランドヘルシンキ大学の研究によると、24歳前後の男女の病的食事は、その時と10年後の両方での体重の重さ、ウエストの大きさ、心理的健康度の低さ、自己評価の低さの指標である。European Eating Disorders Review
臨床的に摂食障害でなくても、早期認識と治療が重要である、と栄養士の著者は言う。
病的な食生活とは、例えば体重を気にしてお腹が空いても食べない、やたらと細かく食事を計算して計画して食べる、厳密な食事制限、何らかの理由で特定の食品を排除する、など
(もともと病的なヒトが食にこだわるのか、こだわりのせいで病的になるのかわからないけど。)

  • 正しく使われたネオニコはミツバチコロニーに悪影響はない、新しい研究が発見

Correctly used neonics do not adversely affect honeybee colonies, new research finds
21-Nov-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-11/uog-cun112117.php
Guelph大学の研究者らがJournal of Toxicology and Environmental Health-Bに発表。シンジェンタとバイエルが規制機関に提出したクロチアニジンとイミダクロプリドとチアメトキサムについての未公表データと公表されている文献を解析した。

Comparison of veterinary drugs and veterinary homeopathy: part 1
P. Lees, D. Chambers, L. Pelligand, P-L. Toutain, M. Whiting, M. L. Whitehead
Veterinary Record Aug 12, 2017
http://veterinaryrecord.bmj.com/content/vetrec/181/7/170.full.pdf

パート2
Comparison of veterinary drugs and veterinary homeopathy: Part 2
Veterinary Record, Aug 19/26, 2017
http://veterinaryrecord.bmj.com/content/vetrec/181/8/198.full.pdf
オープンアクセス

何故効果があるように見えるのか、有効性はどうやって評価するのかといった解説
動物業界ではオーガニック農場でよく使われている。ヒトではプラセボ効果で本人が良くなったと思うなら価値はあるのかもしれないが動物ではそういうことはなく、動物の所有者の自己満足に終わるところが非常に悪質。そうしている間に病態が悪化する。(赤ちゃんに使う場合でも同じ問題はある。)