食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

綿花の栽培地で米国食品安全近代化法について話し合い、妥協点を模索する

Talking FSMA in the Land of Cotton and Looking for Middle Ground
November 27, 2017
https://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2017/11/talking-fsma-in-the-land-of-cotton-and-looking-for-middle-ground/
(FDAの食品獣医局副長官Stephen Ostroff医学博士による)
綿花農家や綿繰り工場が食品を生産していることはあまり知られていない。繊維を取り除いて残る綿花の種や植物体の一部は動物飼料に用いられている。さらに綿花の種からは綿実油が取れ、綿実かすはやはり飼料になる。
食糧とのこうした関連性のため、綿花業界は、FSMA* (Food Safety Modernization Act: 米国食品安全近代化法)で新しい要件が規定されることで、影響があるのではないかと懸念している。こうした懸念を良く理解するために、アラバマ州の北部にある綿花農場、綿繰り事業者、および綿繊維保管施設に足を運んだ。
FDA(United States Food and Drug Administration: 米国食品医薬品局)は、綿花工場から出る原料や種子を飼料に用いることを規制している。長年、綿繰り業は、連邦食品・医薬品・化粧品法の一般食品不良化条項で管轄されてきた。これからは、特定の事業はFSMAが定める予防的管理要件の対象となる。ほとんどの綿繰りは農家で行われており、それは新しい要件の対象とはならなが、農家の手を離れて行われる綿繰り事業は予防的管理要件の対象となり、危害分析や危害を最小限に管理することを実行することが求められる。
綿繰り業務に違いは無いのになぜ非農家事業者にだけFSMA要件が課せられるのであろうか? 我々はこのような矛盾の解決策を共に模索するために活動しており、米国全土や海外の食品施設や農家を訪ね、どうしたら上手く行くのか、どのような問題に取り組むべきかを思索している。
我々はまず、CherokeeのIsbell農場へ赴き、農家での綿繰り業務を視察した。次にTuscumbiaの綿生産者組合の綿繰り工場を訪ね、綿繰りと種の保管状況を視察した。ここでは綿花は密閉されたパイプに入れられて処理され、種も保管場所まで密封パイプを通って保管場所まで運ばれていた。最後に、我々はLeightonの綿生産者組合の保管施設を訪ね、梱包された綿繊維の受領と発送についての情報を取得した。
綿繰り作業は非常に洗練されており、先端技術で操業されていた。
この視察で、最も良く前に進む方法、FDAの中心任務である公衆衛生の保護を低下させない方法について生きた議論ができた。最終目標に到達するにはいくつもの選択肢があり、例えば2016年8月の、綿繰り事業者の法令遵守期限の延期もそうである。綿繰り事業者は、今後動物飼料に関する予防的管理規則を遵守しなければならなくなるが、この延期によりこの最終目標に到達するために必要な次のステップを熟考することができる。
このような話し合いを続け、業界にとって良く機能し、一方で公衆衛生を保護できる解決策を追及していきたいと思っているし、必ずできると確信している。
https://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/FSMA/default.htm