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  • ママ達、胎盤を食べるべき?

Scienceニュース
Moms, should you eat your placentas?
By Roni DenglerDec. 1, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/12/moms-should-you-eat-your-placentas
社交界のセレブKim Kardashian Westは「エネルギーレベルを上げる」という。Mad MenのJanuary Jonesは「産後鬱を治す」という。でも世界中で増加しているように見える胎盤食は本当に効果があるのか?最初の詳細な解析によると、大した効果はない。
二つの新しい研究で、自分の胎盤を摂取した母親は気分、エネルギーレベル、ホルモン濃度、あるいは新生児との絆において、プラセボと比較して有意な変化はなかった。「全てではないとしてもほとんどはプラセボ効果だった」と動物の胎盤食について40年以上研究しているニューヨーク州立大学の行動神経科学者Mark Kristalはいう。
胎盤を食べるのはヒトだけではない。実際のところほとんどのほ乳類は食べる。ラットでは胎盤を食べると子どもの世話を始め痛みを緩和する;羊水と胎盤の両方にモルヒネ関連の麻酔成分が含まれる。しかしヒトで胎盤食に利益があるかどうかはよくわからない。わかっているのはそれが人気になってきていることである。1970年代以前は、それは伝統中国薬として男女の病気治療目的でたまに使用されていた。いまや胎盤スムージー胎盤食の料理本や貯蔵ガイドがある。最も現代的な消費者はそれを蒸して乾燥させて粉末にしてお洒落なビタミン剤のような錠剤にする。
この研究では27人の健康な妊婦を参加させ、産後3週間自分の胎盤錠剤あるいはプラセボを摂取した。その結果ホルモンレベルに差はなく疲労や産後鬱への影響もなかった。
著者らはたくさんの欠陥は注意している。サイズは小さく自主参加である。
(いろいろ略)
で、母親は胎盤を食べるべきなのか?オレゴン州立大学の助産師で人類学者のMelissa Cheyneyは、害はなさそうなので、本人が役にたつと思っているなら「女性がそれを安全に得られるなら問題はない」という。
(CDCの感染症報告は入れて欲しかった。助産師はそう言う情報知ってるべき)

  • 募集:政府に必要なことを知っている学者

Natureワールドビュー
Wanted: academics wise to the needs of government
Chris Tyler
30 November 2017
https://www.nature.com/articles/d41586-017-07744-1
出資者は政策影響を結果論として扱う政策に関係する仕事を支援すべきではない
私達が英国議会で根拠がどのように使われているかを調べる3年計画の研究を始めた2013年には、英国のEU離脱は問題になっていなかったしDonald Trumpは政治家ではなかったし「フェイクニュース」がニュースになったりしていなかった。研究が終わる頃には世界はまるで違うものになっていて民主主事は間違った情報の多さに軋んでいる。
この騒動は、少なくとも我々の研究にとっては好都合だった。政治家や政策助言者は根拠の役割についてますます重視するようになってきて我々は普通でない隠されない反省の声を聞くことができた。一部の政治家は、これまで自分の政治的立場を強化し政治的ポイント稼ぎのために根拠を使っていたことを認めた。そして今は全体として英国議会は意志決定をするために根拠が欲しいという健全な要求をもっている。
そしてこの要求は、しばしば満たされない。11月30日に発表した我々の報告では、大学の研究は十分ではないことを発見した。立法府に供給される根拠の多くは政府とNPO団体からで、大学はもっと貢献すべきである。
何故これが重要か?民主主義による決定は事実を根拠にする必要がある。どうやって肥満を減らす?原子力発電所はもっと必要?福祉か減税か?答えには価値判断が必要だが、それは根拠によって支えられなければならない。

政策分野で働いている人たちは大学の参加は的はずれでナイーブであると感じている。私の経験からも大学の学者の参加の質の低さには何度もフラストレーションを感じた。彼らは専門用語だらけで課題とほとんど関連のない「信念」を語ったり、上から目線で説教したりする。
本当に政策にとって情報を提供する研究が必要