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食品中のアクリルアミドを減らすための新しい対策

New Measures to Reduce Acrylamide in Food
Thursday, 23 November 2017
https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/acrylamide_regulation_23112017.html
FSAI (Food Safety Authority of Ireland: アイルランド食品安全局)は、食品中に生成し有害作用を有するアクリルアミドへの消費者の暴露を減じることを目的とした新しいEU法を受け入れることとなった。
TEFSA (European Food Safety Authority: 欧州食品安全機関)は、2015年現在、食事からのアクリルアミドへの暴露量は、どの年齢層でも発がんの懸念を生じさせるものであると結論している。
FSAI長官のPamela Byrne博士は次のように語っている。「消費者はアクリルアミドが生じない茹でる調理法を取り入れるべきである。もし、デンプンを含む食品を揚げたり焼いたりする場合には、焦げないようにして、明るい黄金色になるまでに留めるべきである。」
高温で長時間の調理はアクリルアミドを多く生成してしまうため、調理業者はジャガイモや穀物由来の製品を調理しすぎないようにすべきである。消費者も、焦げた部分を避けて食べる必要がある。
新しいEU法では、アクリルアミドの生成を抑える実践的な手段が提示されている。そうした低減策は、食品事業者の様々な態様を考慮に入れて作られており、2018年4月11日から適用が始まり、義務化される。
新しい法律の順守はFSAIとの契約の下でHSE (Health and Safety Executive: 英国健康安全局)によって監視され、またHSEによって検体採取も行われる。新しい法律では多くの食材についてベンチマーク基準が設けられ、それらの食材は調理によりアクリルアミドが多く生成しているかどうかを示し、食品事業者のアクリルアミド低減策が奏功しているかどうかの指標となる。新しい法律による低減策は、主に次のような点に焦点を当てている。すなわち、原料の選択、原料および最終製品の輸送および保存状態、調理法の選択、ならびに消費者への情報提供である。