食品安全情報blog過去記事

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評価等

  • アミスルブロムについての農薬リスク評価に関し、確証データを踏まえて加盟国、登録申請者およびEFSAで行った審議の結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for amisulbrom in light of confirmatory data
30 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1338e
EFSA (European Food Safety Authority: 欧州食品安全機関)は、アミスルブロムのリスク評価に関して、承認後に求められる確証データを踏まえ、科学的支援を行うよう求められた。このリスク評価においては、確証データについておよび各データの扱いについて、加盟国、アミスルブロムの登録申請者、およびEFSAが共同で審議を行っていた。この報告書では、報告担当加盟国の英国が主宰した審議の結果の要約と、審議において指摘された事項に対するEFSAの科学的見解および結論が提示されている。
報告書では、アミスルブロムが土壌で光代謝を受けて1-ジメチルスルファモイル-1H-トリアゾール-3-スルホン酸(T-1)を生じることは証明されなかったこと、しかしこの代謝産物が地下水に0.1 µg/Lを超えて検出され得ることが確認された。また、残留に関してはデータが十分ではないが、ブドウやジャガイモに承認された方法で使用する分には、代謝試験に求められる最低濃度に達しないことからさらなる情報は求められないとされた。環境毒性については、2つのモデルが用いて検討されるべきところ、1つのモデルでしか用いられていない。次に問題となる代謝産物3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルスルフォニル)-1H-インドール (IT-4)については、哺乳類でのリスクが十分に検討されておらず、ジャガイモに使用した場合ミミズを食べる鳥ではリスクが高い。IT-4の環境ホルモン作用については、確固とした結論を得るためにはさらなる調査・研究が必要である。

Modification of the existing maximum residue levels for sulfoxaflor in grape leaves and similar species, and globe artichokes
EFSA Journal 2017;15(11):5070 [23 pp.]. 30 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5070
申請者Dow AgroSciences Ltdは、有効成分スルホキサフロルのブドウの葉やアーティチョークにおけるMRLs (Maximum Residue Limit: 最大残留基準値)を改訂するための独立した2件の申請をフランスの所轄機関に提出した。申請の際に提出された裏付けデータは、ブドウの葉や同様植物種については2 mg/kg、アーティチョークについては0.06 mg/kgを新しいMRLsとして導出するのに十分であると判断された。EFSAは、リスク評価の結果に基づき、報告されている農業慣習に従ってブドウの葉や同様植物種、およびアーティチョークにスルホキサフロルを使用する限りにおいては、それにより生じる残留物の短期および長期摂取で消費者の健康リスクが生じる可能性は低いと結論づけた。

  • 食品と飼料に使用する遺伝子組換えトウモロコシ1507 × 59122 × MON810 × NK603株およびサブコンビネーション株の、EC規則No 1829/2003に基づく評価(申請 EFSA-GMO-NL-2011-92)

Assessment of genetically modified maize 1507 × 59122 × MON810 × NK603 and subcombinations, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-NL-2011-92)
EFSA Journal 2017;15(11):5000 [29 pp.]. 28 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5000
EFSA (European Food Safety Authority: 欧州食品安全機関)のGMO (Genetically Modified Organism: 遺伝子組換え作物)パネルは、4イベントスタックトウモロコシ1507 × 59122 × MON810 × NK603株と10のサブコンビネーション株について、それらの起源株とは別に評価を行った。GMOパネルは以前、この4イベントスタックトウモロコシ株に組合わされた4つのシングルイベント株とそれらの組合わせによる5株を評価したが、安全上の懸念は確認されなかった。これらの株について、最初の結論を改めなくてはならなくなるような新データーはないことが確認された。分子的、栽培学的、表現型的、および組成的特性に基くと、組合されたシングルイベント株においても、また今回の4イベントスタックトウモロコシ株において発現するようになったどのタンパク質にも、食品や飼料の安全性や栄養問題を生じるものはなかった。この4イベントスタックトウモロコシ株は、非遺伝子組換え参照株と同様に、安全で栄養価があるとGMOパネルは結論付けた。トウモロコシ1507 × 59122 × MON810 × NK603株の穀粒が生存能力のある状態で偶発的に環境に放出された場合でも、環境の安全上の懸念は生じないと考えられる。以前の評価の対象ではなかった4つのサブコンビネーション株については、タンパク質の発現データが提示されているが、これらのサブコンビネーション株で発現するようになったタンパク質の量に影響する相互作用は認められていない。以前の評価の対象ではなかった5つのサブコンビネーション株は、組合されたシングルイベント株、以前評価されたサブコンビネーション株、および今回の4イベントスタックトウモロコシ株と同様に安全であると予想される。GMOパネルは、トウモロコシ1507 × 59122 ×MON810 × NK603株とそのサブコンビネーション株の市販後の監視は必要ないと考えている。予定されている市販後環境監視計画と報告間隔は、トウモロコシ1507 × 59122 × MON810 ×NK603株やそのサブコンビネーション株が使用される場合の実態と整合している。

  • 遺伝子組換えアブラナMS8、RF3、およびMS8×RF3株の認可更新のための、EC規則No 1829/2003に基づく評価(申請 EFSA-GMO-RX-004)

遺伝子組換えアブラナMS8、RF3、MS8×RF3の認可改訂の評価
Assessment of genetically modified oilseed rape MS8, RF3 and MS8×RF3 for renewal of authorisation under regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-RX-004)
EFSA Journal 2017;15(11):5067 [12 pp.]. 28 November 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5067
Bayer CropScience社の申請EFSA-GMO-RX-004の提出を受けて、EFSA (European Food Safety Authority: 欧州食品安全機関)のGMO (Genetically Modified Organism: 遺伝子組換え作物)パネルは、遺伝子組換え除草剤耐性アブラナMS8、RF3、およびMS8×RF3株の認可更新申請に関連して提出されたデータに関し、科学的リスク評価を導出するよう求められた。市販後環境監視報告書、体系的調査、文献評価、最新の生物情報学的分析、追加文書、および申請のために行われた追加試験のデータを検討し、認可期間に新しくハザードの可能性や暴露シナリオおよび新しい科学的不確実性が確認されていないかを審査した。更新申請をしようとするアブラナMS8、RF3、MS8×RF3株の組換えDNA配列が最初の認可申請時に評価した組換えDNA配列と同じだと仮定すると、この更新申請において、アブラナMS8、RF3、MS8×RF3株の当初のリスク評価の結論を変えるような新しいハザード、暴露シナリオ、あるいは科学的不確実性の証拠は認められないとGMOパネルは結論づけた。