食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 6か月以上母乳を与えた女性の糖尿病リスクは低いことを30年の研究が示す

Thirty-year study shows women who breastfeed for 6 months or more reduce their diabetes risk
16-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/kp-3y011118.php
JAMA Internal Medicineに発表。北カリフォルニアのKaiser Permanente メンバー1000人以上からなるCoronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA)研究の30年フォローアップデータを解析した。全く母乳を与えない女性と比べて、6か月以上授乳した女性は47%、6か月未満の女性は25% 2型糖尿病になるリスクが低かった。

  • 以前インフルエンザウイルスに暴露されたことがあると別のインフルエンザの流行に罹りやすい

Previous influenza virus exposures enhance susceptibility in another influenza pandemic
16-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/mu-piv011518.php
mBioに発表されたカナダの研究者の研究。1957 H2N2 あるいはアジアインフルエンザの流行時に生まれた人々は2009 H1N1 ブタインフルエンザおよび2013-2014 H1N1再流行で死亡リスクが高い。

  • 量の問題ではないとき

When the dose doesn't make the poison
17-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/hms-wtd011118.php
ほとんどの手術患者で、オピオイドの処方の長さと再処方が誤用のリスクの高さを予想する。BMJ
(短期間(二週間以内)であれば量が多いことの寄与はあまりない。ただし長期だと用量が多いと誤用が多い)

  • 人々に予防接種について再確認することで接種率を上げられる

Reminding people about vaccinations can increase rates of immunization
18-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/w-rpa011718.php
コクランレビューの更新
(当たり前のようだけどちゃんとエビデンスがある)

  • 新しい'Buck'裸麦:食品、飼料、醸造

New 'Buck' naked barley: Food, feed, brew
17-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/asoa-nn011518.php
オレゴン州立大学の研究者らが古代の穀物に新しい命を与えた、ただし下品ではない方法で。'Buck'裸麦は外皮が穀物にくっついていないので収穫の際に剥がれ落ちる。
Journal of Plant Registration.

  • パンケーキシロップはもうなくなる?気候変動でサトウカエデが終わるかも

No more pancake syrup? Climate change could bring an end to sugar maples
By Roni DenglerJan. 17, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/no-more-pancake-syrup-climate-change-could-bring-end-sugar-maples
Ecologyに発表された研究。あるシナリオでは。

  • 史上最悪の流行病の一つはよくある食中毒菌により引き起こされたかもしれない

One of history’s worst epidemics may have been caused by a common food poisoning microbe
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/one-history-s-worst-epidemics-may-have-been-caused-common-food-poisoning-microbe
当時、その症状は医師が見たことがないものだった。患者は黄疸で黄色くなり、耳や鼻から血が流れた。幻覚があり不快なひきつけをおこした。数日で死亡した。アステカ人はそれをcocoliztliと呼んだ。地元のNahuatl語では疫病を意味する。それが何でどこからくるのか誰も知らなかった、とメキシコシティーの国立メキシコAutonomous大学の歴史疫学者Rodolfo Acuña-Sotoは言う。現在でもその流行の正確な原因はわからない。最初にメキシコに出現したのは16世紀で、原住民の45%を殺したと推定される。歴史的記録からは何らかの出血熱が示唆されるが、今週発表されたDNAはそれが欧州の開拓者が持ち込んだサルモネラだったことを示唆する。Nature Ecology & Evolution