食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 欧州水域での電気を使った漁に緊張が高まる

Scienceニュース
Tensions flare over electric fishing in European waters
By Erik StokstadJan. 16, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/tensions-flare-over-electric-fishing-european-waters
驚くことに、欧州議会は本日、環境上のメリットがわかっているある種の電気漁を禁止する投票をした。「パルストローリング」と呼ばれる、短い電気バーストを使ってヒラメが底砂から出て網に入らせる方法の禁止はこの技術に投資してきたオランダの企業を落胆させた。底引きよりも生態系へのダメージは少なくエネルギーも少ないという。しかし一部の環境保護団体は議会の決定を称賛する。
多くの観察者は欧州議会はパルストローリングの規模の縮小を薦めるのみだろうと予想していた。パリの環境団体BLOOM Associationは「素晴らしい勝利」という。しかしグリーンピースなどのNGOはパルストローリングは持続可能性のために期待できるものだったのにそれを止めることは水産業界の革新を阻害するという。
投票は漁業再編の大きなパッケージについての議論の最初の一段階に過ぎない
EUは4年間のパルストローリングの環境影響についての研究プロジェクトを実施中で2019年に結果が出るだろう。

  • 再現性試験を「科学の正常な必須の部分」にすべきとオランダ科学アカデミーが言う

Make replication studies ‘a normal and essential part of science,’ Dutch science academy says
By Matt WarrenJan. 16, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/make-replication-studies-normal-and-essential-part-science-dutch-science-academy-says
オランダ王立科学技術アカデミー(KNAW)が月曜日に発表した新しい報告書によると、科学者、大学、出資機関、学術雑誌は科学研究の再現性を確保するためにもっと多くの努力をすべき。
雑誌は研究者がデータを集める前に研究プロトコールと解析計画を提出することを要求し、研究者は他のグループが再現できるよう研究方法やデータを保管場所に記録する、研究資金の5-10%は再現性に使う、など

SMC NZ
Neonicotinoid pesticides to be pulled from some NZ shelves – In the News
Posted in In the News on January 17th, 2018.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/01/17/neonicotinoid-pesticides-pulled-nz-shelves-news/
オーストラリアのハードウェアチェーンBunningsがオーストラリアとニュージーランドで今年末までにネオニコチノイド殺虫剤製品の販売を止めることを決定した。
シドニーモーニングヘラルドがこの決定を週末中報道した。その中で企業はネオニコチノイド殺虫剤がミツバチの減少に寄与している可能性があるからだと言った。この決定はBunningsに農薬販売中止を訴えるキャンペーンの後でのことだが、会社は請願とは独立にこの決定に至ったという。
ウェリントンのビクトリア大学昆虫生態学教授Phil Lesterは、英国では農家が環境により悪影響の多きい広域殺虫剤に戻っているという報告があるという。一般向けに販売されているネオニコチノド製品はニュージーランドでは小規模であり、Bunningsの中止はあまり大きな影響はないだろうと語った
(豪州ではミツバチは減っていないとAPVMAが言っている)

  • 赤ちゃんの最初の細菌は生まれる前から?

Natureニュース特集
Could baby’s first bacteria take root before birth?
17 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-00664-8
子宮は無菌状態だと考えられていたが、一部の科学者はそこからマイクロバイオームが始まると主張する
長い記事
関連:健康な胎盤から細菌が見つかった(2014年)

  • 光の暗黒面:如何に人工照明が自然界を傷つけているか

The dark side of light: how artificial lighting is harming the natural world
16 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-00665-7

  • ジェームズ・ランディ教育財団賞

2017 JREF Award
1/11/2018
https://web.randi.org/home/2017-jref-award
Susan Gerbicと彼女の"ゲリラ懐疑者guerilla skeptics"チームに2017年の賞を与える
Wikipediaの編集者チームをより理論的科学的思考に継続的に教育してきた努力に対して。

  • Britt Hermesのための募金キャンペーン

Fundraising campaign for Britt Hermes
January 13, 2018
https://www.skeptics.com.au/2018/01/13/fundraising-campaign-for-britt-hermes/
ナチュロパスでナチュロパシーへの批判者であるBritt Hermesが米国のナチュロパス‘Dr’ Colleen Huberによってドイツの裁判所で名誉毀損で訴えられた。このことに対してAustralian Skeptics Incが支援を行う。訴訟は裁判に勝つことが目的ではなく根拠のない医療への批判を黙らせることが目的であることを懸念している。
名誉毀損訴訟は2008-2010年に英国カイロプラクティック協会(BCA)がSimon Singhを相手に戦ったことが有名。BCAは最終的に訴えを取り下げたがSimon Singhは相当な訴訟費用負担となった。Britt HermesはSimon Singhほど有名ではなく経済的支援が必要なので我々が国際的支援キャンペーンを担当する。
Hermesのブログ
I need your help: naturopath Colleen Huber is suing me
https://www.naturopathicdiaries.com/need-help-naturopath-colleen-huber-suing/
Colleen Huberはアリゾナでがんを治療しているナチュロパス。医師ではない。

  • IARCは腐敗への追及が高まるに連れPRを強化

IARC cancer agency mounts PR effort as probe of possible corruption grows
Andrew Porterfield | Genetic Literacy Project | January 17, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/01/17/iarc-cancer-agency-pr-effort-probe-possible-corruption/
NPOが「友人」に言及するとき、普通は資金集めである。しかしIARCが「友達リスト」を発表するのは自分自身を「がんコミュニティの権威ある真実の番人」であると宣伝するためである。IARCは2017年11月に「友達リスト」を発表したが、これは初めてである。
リストは印象的で、王族や議員、国連関連機関、ノーベル賞受賞者など。何をもって「IARCの友人」となるのかは定かではないが、ウェブサイトによるとIARCの仕事の価値を保証する大使である
Friends of IARC
http://www.iarc.fr/en/about/friendsofiarc.php
(日本人はDr Toshio Kurokiが入っているけれど1970年代にIARCにいたから。当時は輝かしい時代だったろうけれど。)

Seven children dead after eating poisonous sea turtle in Madagascar
January 17 2018
http://www.gulf-times.com/story/578439/Seven-children-dead-after-eating-poisonous-sea-tur
水曜日にマダガスカル当局がウミガメを食べて食中毒で7人の子どもが死亡したといった
子ども達は数ヶ月から4才で、同じ家族。母親が肉を食べて授乳した乳児二人を含む。
ウミガメはマダガスカルの保護対象であるが人々はまだ食べている。11月から3月の間はウミガメが有毒藻類を食べるので肉にも毒素がある。このような事例は毎年この時期におこる、と保健省の健康プロモーション部長Manitra Rakotoarivonyは言う。
(母乳に毒素が出るんだ、母親はどうなっているんだろう?)
8 children die after eating turtle in Madagascar
https://www.news24.com/Africa/News/8-children-die-after-eating-turtle-in-madagascar-20180116
こっちのニュースは8人の子どもになっている
食中毒患者は27人とされている

  • つわりの薬Diclectinは効かない、秘密の企業文書がドクターショーでレビューされる

Morning sickness drug Diclectin doesn't work, confidential industry documents reviewed by doctor show
Kelly Crowe · CBC News ·
http://www.cbc.ca/news/health/diclectin-pregnancy-nausea-vomiting-persaud-duchesnay-confidential-industry-documents-health-canada-1.4491300
ビタミンB6と抗ヒスタミン薬の混合物であるDiclectinはつわりの薬として、カナダでは毎年30万枚処方箋が書かれている。トロントの家庭医Nav Persaud医師が企業のデータを再解析したところ有効だという根拠は得られなかった。実際のところメーカーが事前に設定した閾値に達していなかった。
(日本では認可されてないと思う。でも臨床試験で効果が証明されていない別のものがあるけど−漢方薬とか)

  • 砂糖税は効果があるか?

ABC
Would a Sugar Tax Work?
Thu 18 Jan 2018,
http://www.abc.net.au/radio/programs/overnights/sugar-tax/9339764
オーストラリアのテレビ番組

  • 塩の摂りすぎは認知症の原因かも、と研究者が警告

Excessive salt intake can cause dementia, warn researchers
By Zee Media Bureau | Updated: Jan 18, 2018,
http://zeenews.india.com/health/excessive-salt-intake-can-cause-dementia-warn-researchers-2074693
高塩食はマウスの脳の皮質と海馬の血流を減らす
Nature Neuroscienceに発表された研究。WHOによると成人は塩の摂取量は1日に5g以内にすべき。
(nature姉妹紙に発表されたネズミ実験だけれど、塩が問題というニュースは日本では無視される傾向があるようなので海外では報道されているという証拠を残しておく)