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食品添加物としてのナイシン(E 234)の新しい毒性データ踏まえた安全性および使用拡大案

Safety of nisin (E 234) as a food additive in the light of new toxicological data and the proposed extension of use
EFSA Journal 2017;15(12):5063 [16 pp.]. 11 December 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5063
この科学的意見書では、新しい毒性データを踏まえたナイシン(E 234)の安全性評価と、フレッシュチーズや加熱処理した肉製品への使用拡大案を取り扱う。ナイシン(E 234)は現在、EC規則1333/2008付則IIに基づいて、いくつかの食品品目での使用がEUで認可されている食品添加物である。食品添加物としてのナイシン(E 234)の安全性は、食品添加物・香料・加工助剤・食品と接触する物質に関するEFSAのパネル(AFCパネル)が2006年に評価し、食品科学委員会(SCF)が以前設定した一日摂取許容量(ADI) 0.13 mg/kg体重を追認した。2006年にEFSAが以前評価した試験データに加えて、AFCパネルはこの意見書において、新しい亜慢性毒性試験のデータを検討した。ラットにナイシンAを90日間反復経口投与した毒性試験において、有害影響は認められなかった。この試験で確定されたナイシンAの無毒性量(NOAEL)は、試験での最高用量である225 mg/kg体重/日であった。このNOAELを用いて、亜慢性から慢性暴露に外挿すること、および動物種差ならびに個体差を考慮してデフォルトの不確実係数200を適用し、ナイシン(E 234)のADIとして1 mg/kg体重/日が導出された。TAFCパネルは、EFSAの包括的データベースで得られるデータに基づき、現在の使用および提案された使用の両方における暴露推定量を算出した。AFCパネルは、推定総暴露量は、全ての年齢集団において新しいADI (1 mg/kg体重/日)を下回ると判断した。AFCパネルは、フレッシュチーズと加熱処理された肉製品への食品添加物としてのナイシン(E 234)の使用拡大案(フレッシュチーズで12 mg/kgまで、肉製品で25 mg/kgまで)は、安全上の懸念を生じないと結論付けた。