食品安全情報blog過去記事

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その他

  • IARCゲート:IARCは嘘を止めるべき?

IARCgate: Shouldn’t IARC Stop Lying?
Posted by riskmonger on January 15, 2018
https://risk-monger.com/2018/01/15/iarcgate-shouldnt-iarc-stop-lying/
辞任予定のIARC長官Christopher Wildは米国議会の科学委員会への聴聞参加を拒否した。どの国連機関でもかつてなかった傲慢さで、WildはIARCに単独で最大の資金提供者を冷たくあしらった。さらに悪いことに、数日後(1月11日)にWildは米国議会の指導者達宛に気の毒なほど外交下手な、そっけなく、無礼で、品位のない、そして事実として間違っている手紙を書いた。現在次の長を探しているIARCを、Wildはぼろぼろにして去ることにしたようだ。
米国の立法者はこのような間違った選択をした無礼に困惑しているだろう。Risk-monger(この記事の書き手)はChris Wildのべらぼうな主張とトリックと間違った情報に答えるのは価値があると思う。以下がWildのアメリカへの手紙の内容で、これはIARCが如何におそろしいものになったかについて幾分かの情報となるだろう。特にChris Wildが手紙の中で米国議会についた6つの嘘に光をあてる。
(大幅省略)
・Diversion(論点ずらし)
Portierの弁護士会社との関係を知らなかったと言い張る
PortierとIARCのグリホサートモノグラフの主著者であるKate Guytonが反GMOキャンペーン活動家らと電子メールを共有していたことがPortier ペーパーで明らかになっている(メールのスクリーンショット等)
・Misinformation(誤情報)
Portierの肩書きをもともと米国政府の関係者としていたのに「invited specialist」だったと主張する。興味深いのはIARCはPortierが反農薬団体のために活動してきたことを完全に承知していて、それを隠すことを選択したことである。
・Deception(欺瞞)
IARCのワーキンググループメンバーではないPortierができなかったことは最終決定への投票のみ。そしてPortierはIARCグリホサートワーキンググループのメンバーがEFSAに反対するためにEUコミッショナーに私的に会いに行ったときも参加している
・Misrepresentation(間違った提示)
WildのPortier擁護は残念極まりない。米国議会の科学航空技術委員会に対して米国農業健康研究(AHS)の説明をしてそれが重要でないものだと言っているのを見るのは興味深い
・Obfuscation(不明瞭)
史上かつて無いスキャンダルの中でその態度は大丈夫か?目を覚ませ。
・Omission(除外)
議会が質問した最大のスキャンダルである、グリホサートモノグラフをワーキンググループの会合が終わった後に発がん性を強く示唆するように手を入れたという疑惑についてはどうした?

手紙
https://usrtk.org/wp-content/uploads/2018/01/IARC-letter-back-to-Lamar-Smith.pdf

  • 学校にグミキャンディを持っていったつもりの5年生、でもそれは大麻入りだった

A fifth-grader thought she brought gummy candies to school, but they were laced with THC
By Washington Post Today
https://www.grandforksherald.com/news/education/4391654-fifth-grader-thought-she-brought-gummy-candies-school-they-were-laced-thc
ニューメキシコの9才の生徒が友達にグミをあげた−あとでそれは普通のキャンディではないことに気がついた。それは生徒の親が医療用大麻として使っていたものだった。
生徒は授業中にめまいがして保健室に行った。後で大麻入りキャンディを食べたことがわかった。
(何故「医療用」大麻がキャンディーやチョコレートやクッキーである必要があるのか)

  • 家畜税:規制担当者は肉への課税を検討しているか?

The Livestock Levy: are regulators considering meat taxes?
http://www.fairr.org/resource/livestock-levy-regulators-considering-meat-taxes
要約。全文はFAIRRの出資者には2017年12月に、一般には2018年4月に公開
たばこ税、炭素税、砂糖税に次いで肉が課税対象になるかどうかを検討した報告書

  • 中国が世界最大の学術論文生産国であることを宣言

Natureニュース
China declared world’s largest producer of scientific articles
18 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-00927-4
報告書は国際競争の激化を示すが、米国が科学大国であることに変わりはないことを示唆
NSFがまとめた統計によると、初めて中国が論文数で米国を抜いた。1月18日に発表された報告書は米国と中国や他の途上国との競争の激化を示す。しかしながら質の高い研究や国際的な学生を集める力や科学を価値のある知的財産に変えることにおいては米国が大国であることに変わりはないと示唆する。
2016年の中国の論文数は426000でElsevierの Scopusデータベースのうちの18.6%、米国は409000。そしてインドが日本を抜きその他途上国も増加している。
しかしその光景は最も引用数の多い論文がどこから出ているかを検討すると大きく変わる。米国はスウェーデンとスイスに次いで3番目、4番目がEUで中国は5番目。
(インドにも抜かれたか。しかし数は増えるし書いてあることがどこまで信用できるか常に疑っているので論文を読むにが昔より難しくなったよ。こんなの研究者でも相当難しい作業。それを英語で消費者にやれというのは無理。)

  • 欧州裁判所は遺伝子編集規則の緩和を示唆

European court suggests relaxed gene-editing rules
19 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-01013-5
裁判所の意見ではCRISPR技術を用いて交配した植物や動物には厳しい規制は適用されないだろうという
欧州の化学者はこの注意深い言葉遣いをした文書を用心しながら歓迎した。しかし既存の規則の不確実性が欧州での進歩を阻むだろう、と研究者は言う

  • インドの教育大臣がカリキュラムの改革を訴え進化論を攻撃する

Scienceニュース
India’s education minister assails evolutionary theory, calls for curricula overhaul
By Pallava BaglaJan. 22, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/india-s-education-minister-assails-evolutionary-theory-calls-curricula-overhaul
インドの高等教育大臣Satyapal Singhが金曜日に進化論を攻撃した。化学者であり自分を「責任ある科学者」と呼ぶSinghは、ダーウィンの進化論を「科学的に間違っていて」、学校や大学でのカリキュラムには「変更が必要」という。さらにSinghは「我々の祖先を含む誰も、サルが人間に変わったのを見たと言ったり書いたりしていない」と言った。
トップ科学者はSinghを批判する。昨日インドの三つの科学アカデミーは2000人以上の科学者が認める声明を発表した。「学校の教育内容から進化論を排除して非科学的神話を提供するのは後退である」
インドのBharatiya Janata党で非科学的見解を信奉しているのはSinghだけではない。政府は昨年牛の糞をベースにした民間薬panchagavyaを万能薬として正当化しようとしたし2014年にはNarendra Modi首相がヒンズー教の神ガネーシャが人体に象の頭をくっつけてできたとき、世界初の外科手術がインドで行われたと主張した。
Singhはこの週末進化論と創造論を「オープンに話し合う」会議を開催する予定だという。

  • オンラインツールがPubMed論文の再現性スコアを計算する

Online tool calculates reproducibility scores of PubMed papers
By Dalmeet Singh ChawlaJan. 22, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/online-tool-calculates-reproducibility-scores-pubmed-papers
1月19日に発表された新しいオンラインツールが、引用した論文のデータを解析して論文の再現性を測定する。企業Verum Analyticsが開発したものでr-ファクターという指標を使うがこの指標は学者から多くの批判を浴びていた。新しいツールへの最初の反応はVerumがこれまでの批判に十分応えていないというものである。

  • 政府のシャットダウンが終わる見込みで米国の科学者は安堵

U.S. scientists breathe a sigh of relief as government shutdown to end
By David MalakoffJan. 22, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/shutdown-set-end-us-scientists-can-breathe-sigh-relief

  • フィプロニル卵−ベルギーでは合計7700万個以上の卵が破棄された

“Fipronil eggs – more than 77 million eggs in total destroyed in Belgium
Saturday, 20 January 2018
http://www.brusselstimes.com/belgium/health/10101/fipronil-eggs-more-than-77-million-eggs-in-total-destroyed-in-belgium
連邦農業大臣Denis Ducarneによると、フィプロニル卵スキャンダルは77,375,000個の卵の破棄と1,900,000羽の鶏の安楽死につながった
土曜日にLa Dernière Heureの取材に答えた。「AFSCAの仕事は素晴らしかった。例えばオランダでは、まだ卵がフィプロニルに汚染され100ほどの養鶏場が閉鎖されている」と大臣は言った。欧州委員会は1500万ユーロを農家の援助に、さらに1500万を販売業者に融資することに合意したという。

  • 生の魚をほぼ毎日食べていた男性が身体の中に1.6mの条虫を発見

Man who ate raw fish almost every day found 1.6m long tapeworm in his body
22 Jan, 2018
http://www.nzherald.co.nz/lifestyle/news/article.cfm?c_id=6&objectid=11979458
カリフォルニアのFresnoの30才男性の症例
サケの寿司や刺身を好んで食べていたとのこと

  • 米国政府の停止に研究者が努力し科学グループが反応する

Scienceニュース
Science groups react to U.S. government shutdown as researchers scramble
By David MalakoffJan. 20, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/science-groups-react-us-government-shutdown-researchers-scramble
正確に誰に影響があるのかについては混乱がある

  • 米国政府がシャットダウンし科学は宙に浮く

Natureニュース
Science in limbo as US government shuts down
20 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-01016-2
米国の科学者は議会が政府予算に合意できなかったため1月20日に期限を定めず停止した影響に備えている。この行き詰まりの結果、何千人もの政府の研究者が自宅待機を命じられ政府のメールや電話が使えない。NIHとNSFは研究費申請の処理が止まり、一部の研究者は必須の研究費が尽きるだろう。しかし最悪なのはこの停止が何時終わるかわからないことである。

  • 米国政府の停止は科学にとって何を意味するか

What a US government shutdown would mean for science
18 January 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-00928-3

Good Thinking Society
Cancer and alternative therapies
https://goodthinkingsociety.org/projects/cancer-and-alternative-therapies/
Good Thinkingは根拠のない治療法を受けたい重症患者のための募金活動を非常に懸念している。そのような募金で言及されている多くの治療法のリストを掲載し根拠を評価した。
(ABC順で50くらいを簡潔に紹介、アプリコットカーネルやクルクミン、コーヒー浣腸、オーガニック食品、ビタミンCなどもあげられている)