Assessment of decontamination processes for dioxins and dioxin-like PCBs in fish oil by physical filtration with activated carbon
EFSA Journal 2017;15(12):5081 [13 pp.]. 20 December 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5081
欧州委員会の要請を受けて、フードチェーンの汚染物質に関するEFSAのパネル(CONTAM)は、魚油中のダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン類: PCDDs、ポリ塩化ジベンゾフラン類: PCDFs)およびダイオキシン様ポリ塩化ビフェニール類(DL-PCBs)を低減するために、活性炭を用いて吸収および物理的ろ過を行う除染手順の評価に関し、科学的意見を提出した。飼料の除染手順はいずれも、欧州委員会規則(EU)2015/786に明示された承認基準を満たしていなければならない。飼料業者2社が各自の除染手順に関するデータを提出し、この手順の有効性や除染によりにその製品の性質や特性に有害影響が生じないことについて評価が行われた。それらの処理により、魚油からPCDDs/PCDFsおよびDL-PCBsを、業者が採用した手順に応じてそれぞれ82〜95%および26〜45%取り除けることが証明された。汚染のレベルが未処理の魚油について得られているデータの範囲内であるならば、これらの除染手順により、魚油に含まれる汚染物質に関するEUの要求を満たすことができる。CONTAMパネルは、飼料業者が提出した根拠と得られた文献中の情報とを検討し、提案された手順が魚油の性質に有害な変化をもたらさないと結論付けた。だが、これらの手順はいくつかの有益な成分(例えばビタミン類)を激減させる可能性がある。これらの手順で生じる廃棄物については、安全な処理が行えることを示す情報が提示されている。飼料業者が提出した情報に基づき、活性炭および物理的ろ過により魚油からダイオキシン(PCDDs/PCDFs)とDL-PCBsを取り除く除染手順の提案は、2015年5月19日の欧州委員会規則(EU) 2015/786で規定された承認基準を満たしているとCONTAMパネルは結論した。
Re-evaluation of polyglycerol esters of fatty acids (E 475) as a food additive
EFSA Journal 2017;15(12):5089 [32 pp.]. 20 December 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5089
食品添加物と食品に添加する栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)は、食品添加物として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステル類(PEFA)の安全性再評価に関し、科学的意見を提出した。1978年に食品科学委員会(SCF)は、FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)が以前に設定した許容一日摂取量(ADI) 25 mg/kg体重/日を支持した。消化管での未変化PEFAの吸収は極めて少ない。PEFAは消化管で素早くほぼ完全にポリグリセリンと脂肪酸に加水分解される。ポリグリセリンと特定の脂肪酸の安全性は近年評価されており、情報が得られた試験では有害影響は確認されていない。短期、亜慢性、慢性毒性試験では、どの用量でもPEFAによる有害影響は観察されていない。無毒性量(NOAEL)として、亜慢性試験からは9,000 mg/kg 体重/日が、慢性試験からは試験された最高用量の2,500 mg/kg体重/日が特定された。PEFAには、得られた数少ない情報からは、遺伝毒性は認められていない。生殖毒性試験ではPEFAは有害影響を示さなかったが、それらの試験は非常に限定的である。情報が乏しい臨床試験における臨床生化学的検査と尿検査では、最大300 mg/kg体重/日を3週間投与されたボランティアに有害影響は認められなかった。食品添加物として使用されるPEFAへの最大暴露量は、非ブランドロイヤルシナリオの平均および95パーセンタイル値で、それぞれ、子供における2.6および6.4 mg/kg体重/日である。以上を鑑み、ANSパネルは、食品添加物PEFA (E 475)に報告された用途と使用量で安全上の懸念はなく、ADI値の設定は必要ないと結論付けた。またANSパネルは、E 475に関し、EUの規格を一部修正するよう助言した。
- 遺伝子組換えトウモロコシBt11 × 59122 × MIR株から成り、もしくは同株を含み、あるいは同株から生産された食品および飼料のSyngenta社による認可申請(EFSA-GMO-DE-2011-99)に関連した、サブコンビネーションBt11 × 1507 × GA21株に関する情報のリスク評価
Risk assessment of information on the subcombination Bt11 × 1507 × GA21, related to the application of Syngenta (EFSA-GMO-DE-2011-99) for authorisation of food and feed containing, consisting and produced from genetically modified maize Bt11 × 59122 × MIR
EFSA Journal 2017;15(12):5092 [10 pp.]. 19 December 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5092
EFSAの遺伝子組換え生物パネル(GMOパネル)は、以前シングルイベントのBt11、59122、MIR604、1507、およびGA21株やこれらのイベントを組み合わせた様々なスタックイベント株を評価しているが、それらにおいて安全上の懸念は確認されなかった。5イベントスタックトウモロコシのBt11 × 59122 × MIR604 × 1507 × GA21株(申請書EFSA-GMO-DE-2011-99)の評価において、GMOパネルは、これらのシングルイベントの以前評価されていない全てのサブコンビネーション株について、3イベントスタックBt11 × 1507 × GA21などの実験データが少ししかない、あるいは全くないものも含め、評価を行った。申請書EFSA-GMO-DE-2011-99の認可決定書の条項5に従って、欧州委員会は、Syngenta社からサブコンビネーション株Bt11 × 1507 × GA2で新たに発現したタンパク質の量に関する情報を受け取り、EFSAに対し、これらのデータの分析を依頼し、それらのデータが5イベントスタックのBt11 × 59122 × MIR604 × 1507 × GA21株とそのサブコンビネーション株に関して以前に発表された意見に影響を及ぼすかどうかを示すよう要請した。新たに発現したタンパク質Cry1Ab、PAT、Cry1F、およびmEPSPの量を分析したところ、トウモロコシBt11 × 1507 × GA21株に組合されていて、新たに発現したタンパク質の量に影響を与え得る各シングルイベントの間で、相互作用の兆候は認められなかった。したがって、トウモロコシBt11 × 1507 × GA21株に関する新たな情報は、EFSA-GMO-DE-2011-99の申請時に導かれた科学的意見の結論を変えるものではないという見解にGMOパネルは達した。
- フランスの一般国民の食事調査(INCA3)
The French dietary survey on the general population (INCA3)
19 December 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1351e
第3回目のフランス食事調査(INCA3)が、フランス国立食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)により実施された。EFSAはフランス国民食事調査に協力し、フランス国民食品消費データはEFSAに提供される。2013年に試験的調査が行われ、2014年2月から2015年9月にかけて本調査が実施された。18〜79歳の2,282人の成人集団と、0〜17歳の2,178人の若年者集団のデータが集められた。長期にわたるフードサプリメントの摂取、身体活動、座り作業時間、特別な食事の摂取、身長や体重、などの状況も調べられた。得られた詳細な食事摂取データは、様々な分野でのリスク評価において役に立つと考えられる。