食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EFSA、食品中のヒドロキシアントラセン誘導体が生じる健康上の懸念を確認

EFSA confirms health concerns for hydroxyanthracene derivatives in food
23 January 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/180123
EFSA(欧州食品安全機関)は、ヒドロキシアントラセン誘導体として知られる植物成分グループに属する物質について、食品に添加された場合の安全性を評価した結果、DNAを損傷する可能性があり、がんを引き起こすことがあるとの結論に達した。
このグループの化学物質は、アロエやセンナなどの種類の植物に天然に生じる。それらの化学物質を含む抽出物は、緩下作用があることから、フードサプリメントに使用されている。
EFSAは2013年に、食品中のヒドロキシアントラセン誘導体には腸の機能を改善する可能性があることを示したが、潜在的な安全上の懸念があるため長期使用と多量摂取をしないよう助言した。欧州委員会はその後、これらの植物成分を食品に使用した場合の安全性を評価するよう、また健康への悪影響を生じない1日摂取量に関して助言するようEFSAに求めた。
得られたデータに基づき、EFSAは特定のヒドロキシアントラセン誘導体には遺伝毒性がある(DNAを損傷する可能性がある)と結論した。そのため、安全な1日摂取量を設定することはできなかった。動物試験では、これらの物質のいくつかは腸にがんを引き起こすことが示された。
これらの化学物質が由来する植物については、世界保健機関、欧州医薬品庁、そしてごく最近ではドイツ連邦リスク評価研究所などの他の欧州の団体や国際団体により評価が行われているが、上述の結論は、こうした以前の評価と整合している。
*ドイツ連邦リスク評価研究所による評価(アントラノイドを含有するアロエ全葉調製物を用いたフードサプリメントによる健康リスク)
Food supplements with whole-leaf Aloe preparations containing anthranoids are associated with health risks
http://www.bfr.bund.de/cm/349/food-supplements-with-whole-leaf-aloe-preparations-containing-anthranoids-are-associated-with-health-risks.pdf

  • 食品中のヒドロキシアントラセン誘導体の安全性に関する科学的意見

Scientific Opinion on Safety of hydroxyanthracene derivatives for use in food
EFSA Journal 2018;16(1):5090 [97 pp.]. 23 January 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5090