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特別レビュー: ハーブ療法剤と処方薬を合わせて摂取することの危険性

Review highlights the danger of mixing herbal remedies with prescription drugs
January 26 2018
https://www.nhs.uk/news/medication/review-highlights-danger-mixing-herbal-remedies-prescription-drugs/
英国タブロイド紙Daily Mailは、1面の見出しで「科学者は警告。何百万もの人が、ハーブ療法剤と処方薬を同時に摂取することで健康を害する可能性がある。」と報じている。
南アフリカの研究者は、既存の薬品とハーブ療法剤との間の相互作用を調べた研究例をレビューし、様々な危険があることを見出した。
有害反応が起きた可能性がある49件の報告例を調べたところ、その59%が処方薬とハーブ療法剤との間の相互反応によって引き起こされたものと考えられた。この南アフリカの研究者は、さらに2件の研究例の中に、薬剤-ハーブ療法剤間の反応による事例を15件認めている。
ハーブ療法剤は、医薬品の体内における挙動に有害影響を及ぼす可能性があり、薬剤の効き目を抑制したり、逆に強勢したりする可能性がある。このレビューの中で報告されている症状は、肝臓や腎臓の損傷、出血、吐き気、嘔吐や下痢、精神衛生上の問題、発作、筋肉痛などである。
薬剤とハーブ療法剤の多くの組み合わせが相互反応を起こしたが、特に多く登場した薬剤は、ワルファリンとスタチン類であった。
このレビューが明確に示していることは、医薬品の処方を受けるに当たっては、自分がハーブ療法剤を摂取していることを担当医に告げることが重要であるということである。ある物質がハーブであると記載されていても、その記載は、そのハーブが使用する誰に対しても無害であったり安全であったりすることを意味するものではないからである。
ハーブ療法剤を摂取していることを認めるのを恥ずかしがる人もいるかもしれないが、そうした人々にとっても担当医や薬剤師にそれを告げることは非常に重要である。