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論文

Lennox-Gastaut症候群に関連する発作患者へのカンナビジオール(GWPCARE4):無作為化二重盲検プラセボ対照第三相試験
Cannabidiol in patients with seizures associated with Lennox-Gastaut syndrome (GWPCARE4): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial
Elizabeth A Thiele, et al.,
THE LANCET, Published: 24 January 2018
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)30136-3/abstract
希な、しばしば入手可能な医薬品による治療が有効でない重症のてんかん性脳症であるLennox-Gastaut症候群患者へのカンナビジオールの有効性についての臨床試験。171人、14週。有効であった。

コメント
Lennox-Gastaut症候群の脱力発作に対するカンナビジオール
Cannabidiol for drop seizures in Lennox-Gastaut syndrome
Sophia Varadkar
Published: 24 January 2018
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)30135-1/abstract
カンナビジオールへの関心が過去十年で増加している。臨床現場よりソーシャルメディアでの興奮が大きく、患者やその保護者からのカンナビジオールを治療に使いたいという声が大きい。そのような要望は重要であるが落とし穴もある。ソーシャルメディアでの主張は必ずしも内容が精査されたものではなく、科学的研究とは同じ価値はない。管理されていない医薬品ではないカンナビジオールを含むオイルが販売されているため患者や患者家族が自己処方している可能性がある。さらに患者が医療用大麻とカンナビジオールの違いを必ずしも理解していない。医薬品としてのカンナビジオールには向精神活性のあるテトラヒドロカンナビノールは含まれない。一部の医師や医療機関や規制担当者には、安全性や有効性への懸念があるにもかかわらず、認可されていない規制されていない大麻製品を処方するようかつてない圧力がかけられている。
この研究はLennox-Gastaut症候群の治療法の根拠に貢献しさらなる研究を促す。