食品安全情報blog過去記事

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論文

  • ボトル入り水の販売は不死への願いで増加する

Bottled water sales fueled by desire for immortality
1-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/uow-bws013118.php
自分や環境に良くないかもしれないことがわかっていても、死への恐怖がボトル入り水を購入するのに寄与している、Waterloo大学の研究が発見した。ボトル入り水の広告のほとんどが人間の深層心理の脆弱性を標的にしているためであることを示唆。
(タイトルが違うだろう。マーケティングが悪徳だということ)

  • 陰謀論を信じることはワクチン懐疑に関連

Belief in conspiracy theories associated with vaccine skepticism
1-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/apa-bic020118.php
米国心理学会のHealth Psychologyに発表された5大陸24ヶ国5323人を調査した研究。
4つの陰謀論、ダイアナ妃は殺された、米国政府は9/11攻撃を事前に知っていてそれがおこるのを選んだ、陰のエリート集団が新世界秩序を創っている、John F. Kennedyは綿密な計画のもとで殺された、を信じていると、住んでいる場所に関わらず反ワクチンである可能性が高い。教育レベルは反ワクチンには小さな影響しかない。

  • 科学者が水銀の世界的及び地域的制御を呼びかける

Scientists call for global and local control and management of mercury
2-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/s-scf020218.php
Ambio特集号に水銀汚染に関する最新情報がまとめられている
Chen, C.Y. and C.T. Driscoll. 2018. Integrating Mercury Research and Policy in a Changing World. Ambio DOI: 10.1007/s13280-017-1010-y

  • 高周波への高線量暴露は雄ラットの腫瘍活性と関連

High exposure to radiofrequency radiation linked to tumor activity in male rats
2-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/nioe-het020218.php
NTPによると、齧歯類に高周波(RFR)を高線量暴露すると雄のラットの心臓の神経の周辺にある組織に腫瘍ができたが雌のラットやマウスではできなかった。この試験で用いられた暴露量は現在携帯電話から放出されて局所の組織が暴露することが認められている最大量より多い。また携帯電話から出るRFRは通常最大許容量より少ない。NTPの結論案は、マウスとラットの二つのテクニカルレポートとして本日発表された。NTPは3月26-28日にこれらの齧歯類の研究の知見の外部専門家レビューを開催する。
雄のラットで増加が観察されたのは悪性神経鞘腫。研究者らはまた暴露群の雌雄ラットで普通ではない心筋症のパターン、あるいは心組織の傷害が増加していることも注記している。マウスではRFRに関連する健康問題はほとんどみられなかった。
暴露量はラットで1.5 から6ワット/kg、マウスで2.5から 10 W/kg。条件は10分オン、10分オフで毎日合計9時間。周波数は2Gと 3Gで、現在米国で通話とテキストに使われている変調を用いた。最近の動画等で使われているのは4G, 4G-LTE,および 5Gでこの試験とは異なる
(NTP/NIEHSのプレスリリース、http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20180202#p11の件
こういうのって生涯暴露の試験が終わった頃には「その技術はもう古いので使われていない」になってしまうのがなんだかな)

  • 血液のエピジェネティック加齢率のゲノムワイド関連研究はTERTの重要な役割を明らかにする

Genome wide association study of epigenetic aging rates in blood reveals a critical role for TERT
2-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/hsif-gwa020218.php
Nature Communicationsに発表された研究によると、約1万人の血液検体を解析した研究で、テロメアを長く維持する遺伝子の遺伝的マーカーは、DNAを包むタンパク質の変化で測定した生物学的若さと関連しない。(略)
「この研究は一部の人たちが宣伝しているテロメラーゼを活性化する(そしてテロメアを長くする)ことがアンチエイジングになるという考えの間違いを強調する。そうではなく、テロメラーゼの発現に基づくアンチエイジング療法は継続する加齢を伴うだろうことを示す」

  • 米国におけるハーブとダイエタリーサプリメントの有効性、安全性及び政府の規制の概要と改善案 シリーズ5のうちの1

An overview of herb and dietary supplement efficacy, safety and government regulations in the United States with suggested improvements. Part 1 of 5 series.
Brown AC.
Food Chem Toxicol. 2017 Sep;107(Pt A):449-471

  • ハーブとダイエタリーサプリメントに関連する肝毒性:症例報告のオンラインの表 シリーズ5のうちの2

Liver toxicity related to herbs and dietary supplements: Online table of case reports. Part 2 of 5 series
Brown AC.
Food Chem Toxicol. 2017 Sep;107(Pt A):472-501

  • ハーブとダイエタリーサプリメントに関連する腎毒性:症例報告のオンラインの表 シリーズ5のうちの3

Kidney toxicity related to herbs and dietary supplements: Online table of case reports. Part 3 of 5 series
Brown AC.
Food Chem Toxicol. 2017 Sep;107(Pt A):502-519

Dietary Supplement-Drug Interaction-Induced Serotonin Syndrome Progressing to Acute Compartment Syndrome.
Patel YA, Marzella N.
Am J Case Rep. 2017 Aug 25;18:926-930
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5580516/
28才男性の症例。セルトラリンを含む複数の処方薬に加えてダイエタリーサプリメントを使用してワークアウトを行っていた。その結果横紋筋融解症を伴うセロトニン症候群を発症し、迅速にコンパートメント症候群に進行し救急に来た。
(健康のため、お酒とタバコを止めて、までは良かったのに)

  • 機能性食品:それらはどう機能性なのか?サプリメント誘発性精神病の症例報告

Functional foods: How functional are they? A case report of supplement-induced psychosis.
Yadav P, et al.,
Int J Psychiatry Med. 2016 Aug;51(6):479-485.
マルチビタミンと各種ハーブ(ニンジン、gui yuan rou、アスタキサンチン、クコ、セレニウムノコギリヤシ、ブドウ種子抽出物、柑橘類バイオフラバノイド、ルテインレスベラトロール、サンクロレラスピルリナ、ファイトセラミド、植物エストロゲン、グルコサトリン、ブロメラインプラス、アメリカミツバチ花粉を含む)を使用して短期的精神病エピソードを経験しその間に自分の指を切断して救急に来た40代アジア系女性の症例。