食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

とても熱いお茶を飲むと食道がんになるか?

Does drinking very hot tea cause oesophageal cancer?
February 6 2018
https://www.nhs.uk/news/cancer/does-drinking-very-hot-tea-cause-oesophageal-cancer/
「喫煙や飲酒をする人は熱いお茶でがんになる可能性がある。」と英国一般紙のThe Daily Telegraphは報じている。
研究者らは、毎日お茶を飲み、さらに1日15 gのアルコール(100%エタノールで約20 mL)を飲み、喫煙習慣のある中国人について調べ、そうした人が非常に熱いお茶を飲んだ場合、食道がんに罹り易いという知見を得た。
熱いお茶を飲むが、毎日喫煙あるいは飲酒をしない人では、食道がんのリスクの上昇は認められなかった。
この調査結果が英国の人に当てはまるかどうかは不明確である。中国で一般的な食道がんの種類は扁平上皮がんであるが、英国ではこの種類ははるかに少なく、多くは腺がんである。
また、英国では火傷するほど熱いお茶を飲むことは少なく、特にミルクを入れて飲む場合はことさら熱いということはない。熱いお茶を飲む習慣は中国では比較的一般的であると報告されている。
食道がんのリスクの主因は、喫煙、飲酒、肥満、および胃酸の逆流である。食道がんを発症するリスクを下げたい人は、お茶をどれくらい飲むかより、これらのことに対処した方が良いだろう。
もちろん、どんな種類の飲み物でも熱くして飲んで口や喉に繰り返し熱傷を負わせるのは良いことではない。こうした負傷を避けるために良識的な温度で飲むことが推奨される。