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食品医薬品安全処、不正・違法な食品・医薬品検査のための新規試験法を開発・確立

2018-01-31 先端分析チーム
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&pageNo=2&seq=40446
−「2017食品‧医薬品等捜査‧分析事例集」発刊及び配布−
□食品医薬品安全処食品医薬品安全評価院は、「キダチウマノスズクサ」など不正‧違法な食品‧医薬品に使われる原料の分析法(7種)を開発‧確立し、安全性が担保されない製品を迅速、正確に検査して流通を遮断することができるようになったと発表した。
○また、既存の検査法を逃れるため、市販されている医薬品成分の化学構造を改変した勃起不全治療剤類似成分などについても分析できるよう、現在用いられている分析法(7種)を改良して検出できる対象成分の拡大も行った。
○新開発あるいは改良した分析法は、健康機能食品などに医薬品成分を違法に混入して製造・輸入した製品、既存医薬品成分の構造を改変した類似物質を混入した製品などを迅速に検出し、流通を遮断して、新種の犯罪などに先制的に対応するために確立された。
□新たに開発・確立された分析法(7種)の対象は、キダチウマノスズクサ、ブテアスペルバ、万病草、抗ヒスタミン剤(36成分)、化粧品などに含まれるタール色素(21種)、高脂血症治療剤(25種)、酒類中のケイ酸アルミニウムカリウムなどである。
○「キダチウマノスズクサ」は、摂取により心臓損傷、発がんの危険性があり、韓方薬「通草」と欺いて混入・販売する製品がある。
−「ブテアスペルバ」は、タイなどで天然男性性機能改善剤として使われるが、安全性が確保されておらず、国内販売禁止されている。新しい分析法により「ブテアスペルバ」含有製品が海外ネット直販などを通じて輸入・販売されるのを遮断する。
−「ケイ酸アルミニウムカリウム」は国内では食品に用いることができない食品添加物であるが、酒類製品(宇宙酒など)に混入していることがある。
※宇宙術: ウォッカなどに交ぜて作った酒できらめく粉末(ケイ酸アルミニウムカリウムと思われる)が漂って一名宇宙酒と呼ばれる。
−口紅など化粧品に含まれるタール色素(21種)は、同時分析が可能となり、0歳児‧乳児製品および化粧品に禁止されたタール色素(赤色2号、赤色102号)の有無や、表示されていないタール色素の使用の有無も確認される。
※改良された7種の分析法により追加された検査対象: 勃起不全治療剤及び類似性分(79→82成分)、蛋白同化ステロイド成分(27→28種)、局所麻酔剤成分(9→14成分)、肥満治療剤成分(33→35成分)、睡眠誘導帝城分(12→15成分)、鎮痛剤成分(20→22成分)、麻薬類(40→42成分)
−特に、勃起不全治療剤類似物質については、新規不正物質1種類を世界で初めて検出可能とした。
※勃起不全治療剤類似物質(新規の1種): デスメチルピペラジニルプロポキシシルデナフィル(Desmethylpiperazinyl propoxysildenafil)
○なお、食品‧医薬品等捜査‧分析事例集は2011年から毎年発刊されている。