食品安全情報blog過去記事

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「くっつかない」化合物が体重増加と関連

'Non-stick' chemicals linked to weight gain
Wednesday February 14 2018
https://www.nhs.uk/news/obesity/non-stick-chemicals-linked-weight-gain/
Mail Onlineが「ファストフードの包装や衣服に使われている化学物質が女性の体重増加と関連」と報道した。米国の研究者らが、減量研究でダイエットの後に最も体重がリバウンドした女性はパーフルオロアルキル化合物(PFAS)と呼ばれる一連の化学物質の血中濃度が高いことを発見した。PFASは多くの業界で使われている合成化合物で、くっつかない性質があるため台所用品や食品包装に使われている。この研究で提示されている懸念はPFASがホルモンバランスをかく乱して体重を増やすのではないか、ということである。
この研究では減量成功と人体中のPFAS濃度に関係なかった。試験期間中に平均6.4kg減量した。しかしダイエットの難しさはしばしば6か月の減量後の体重維持にある。この研究では減量期間が終わって18か月で平均2.7kg体重が増えた。最もPFAS濃度が高かった女性が、最も低かった女性に比べて約2kg体重が増えた。
しかしこの研究はPFASが体重再増加の原因であると証明したわけではない。PFAS濃度が高いことは単純にこの人達がハイカロリーの包装済み食品を多く食べる傾向にあることを示す可能性がある。ダイエットの後の体重維持は難しい。しかし長期計画とライフスタイルの変更で可能である。減らした体重の維持については以下を参照。
Keep weight off
https://www.nhs.uk/Livewell/loseweight/Pages/keep-weight-off.aspx
減量しようとしている人はPFASを避けるべきか?それは難しいだろうし、それが役にたつかどうかもわからない。我々は英国人のPFASレベルを知らない。PFASを使った調理器具や包装を避けることで人体のPFAS濃度が下がるかどうかわからない。そうした情報無しにPFASを避けるように、というのは現実的でも役にたつ助言でもない。減量したいなら、効果があることがわかっている対応をすべき−カロリーを減らしたバランスのとれた食生活である。