食品安全情報blog過去記事

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論文

  • ゲノム研究が小児がんの手がかりを明らかにする

Natureニュース
Genome studies unlock childhood-cancer clues
28 February 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-02359-6
研究者らが20種類以上の1700以上の小児がんのゲノムをくまなく探した結果をnatureに発表した。2つのグループが多くの異なる腫瘍についてのデータを組み合わせた。一つのチームはドイツで24種類961の腫瘍について、もう一つのチームは米国で6種1699の腫瘍を解析した。それぞれが腫瘍の増殖に関与する可能性のある140以上の遺伝子を同定したが、米国研究で同定された遺伝子の45%だけが成人の腫瘍でみつかったがんの関連遺伝子と一致した。

  • 家族性乳がんは必ずしも遺伝するものではない、新しい研究が発見

Familial breast cancer not only inherited genetically, finds new study
28-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/uom-fbc022518.php
家族性乳がんのために遺伝子検査をした女性のうちBRCA1と BRCA2のような既知の乳がん遺伝子がみつかるのはたった約20%であった。Nature Communications

  • 肥満と短命は関連するか?

Is obesity associated with having a shorter life?
28-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/jn-ioa022618.php
JAMA Cardiology。肥満は寿命の短さと心血管系疾患になること及びそれらにより死亡するリスクの増加と関連する、過体重は正常体重の人と同程度の寿命だがより若くして心血管系疾患になるリスクが高い
(肥満パラドックス(心血管系疾患と診断された時肥満や過体重だった人のほうが正常体重だった人より長生きする)というのがあってそれを否定したとのこと)

  • 6か月以降も一緒に寝ている母親は抑鬱と批判されていると感じることが多い

Moms who co-sleep beyond six months may feel more depressed, judged
28-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/ps-mwc022818.php
米国の調査。赤ちゃんが生まれてすぐは母親が一緒に(同じ部屋で)寝ているがほとんどの場合6か月までに部屋を別にする。この調査では生後一ヶ月で73%が一緒に寝ているが3か月では50%に下がり6か月では約25%である。6か月を過ぎても赤ちゃんと同じ部屋で寝ている母親はより抑鬱で、赤ちゃんの睡眠が心配で、他の母親に比べてより多く批判されていると感じる可能性が高い。Infant and Child Developmentに発表。
「もしあなたが赤ちゃんと一緒に寝るなら、あなたの睡眠が妨げられるだろう。だから睡眠不足に注意が必要」
(文化の違いを感じる・・家の広さの差だろうか?)

  • 視点:ビタミンとミネラルサプリメント 臨床医が知っておく必要のあること

Vitamin and Mineral Supplements
What Clinicians Need to Know
JoAnn E. Manson, MD, DrPH; Shari S. Bassuk, ScD
February 5, 2018
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2672264
ダイエタリーサプリメントは米国では300億ドル産業で9万以上の製品が販売されている。最近の全国調査では米国成人の52%が少なくとも1つのサプリメント製品を使っていて10%は4つ以上使っている。最も人気があるのはビタミンとミネラルでそれぞれ成人の48%と39%が主に健康維持と病気予防の目的で使っている。
このような熱狂にも関わらず、ほとんどのビタミンやミネラルサプリメントのRCTは、栄養欠乏と関係のない慢性疾患の一次及び二次予防に明確な利点が示されていない。それどころか一部の試験では推奨食事摂取量(RDA)を超える量の微量栄養素サプリメントは−つまり高用量βカロテン、葉酸、ビタミンE、セレン−死亡率やがん、出血性脳卒中増加を含む有害影響がある可能性が示唆されている。
この原稿では臨床医が患者から頻繁に質問される微量栄養素サプリメントに関して答え、一般的に健康な人のそのようなサプリメントの不適切な使用を抑制し適切な使用を推進する助けになる情報を提供する。重要なことは、臨床医は患者に対して、そのようなサプリメントは健康的でバランスのとれた食生活の代わりにはならないこと、ほとんどの場合そのような食生活で得られる利点以上のものはサプリメントからは得られないことを話すべきである。
また臨床医はサプリメントからではなく食品からビタミンやミネラルを摂ることには多くの利点があることも強調すべきである。
一般人には定期的サプリメントは薦められないが、一部の高リスク集団にはサプリメントが薦められる場合がある。それについても情報提供する。

  • 新しいグラフェンレーザー技術が食べられる電子機器への道を拓く

New graphene laser technique opens door for edible electronics
28-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/acs-ngl022818.php
ACS Nanoに発表された新しい研究で、食品を含むほぼすべての表面にグラフェンでパターンを描く方法を開発した。研究者らは新しい技術で、消化管障害を引き起こす有害微生物の検出や食品を農場から食卓まで追跡することができる食べられる電子機器の開発につながる可能性があるという。

  • 研究者らが淡水有毒藻類の大発生のより完全な図を描く

Researchers create more complete picture of freshwater toxic algal blooms
28-Feb-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-02/ncsu-rcm022818.php
二つの異なる測定法を用いてノースカロライナ州立大学がJordan湖の2年間の有毒藻類大発生を監視した。有毒藻類の大発生による複数のシアノトキシンが一年中、濃度は低いものの、存在することがわかった。測定した毒素は5種類でそのうち4つ:ミクロシスチン、アナトキシンa、シリンドロスパーモプシン(cylindrospermopsin)、β-N-メチルアミノ-L-アラニン(BMAA)が検出された。Toxinsに発表