食品安全情報blog過去記事

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SMC UK

  • PHEの過剰なカロリー摂取を減らす計画への専門家の反応

expert reaction to PHE plans to cut excess calorie consumption
March 6, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-phe-plans-to-cut-excess-calorie-consumption/
PHEが政府の肥満対策の一環として過剰なカロリー摂取を減らす計画を発表した
Imperial College Londonプライマリーケア教授Sonia Saxena教授
食品企業にカロリー含量を20%減らし一食分を小さくするよう求めるのは歓迎する。低カロリーの選択肢が本当に健康的で、家庭にとって魅力的で入手可能なら効果はあるだろう。この計画は食品業界すべてが関係するので期待できる。
Exeter大学医学部肥満研究者で糖尿病と体重管理のコンサルタントKatarina Kos博士
これは期待できる計画である。食品のカロリー含量を減らすのに業界の責任を大きくする
小児科と子ども健康王立学会健康増進担当Russell Viner教授
PHEが食品業界にカロリー削減を要請したのは正しい。これは必要な対策で我々は強く支持する。
グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
これは正しい方向への前進である。
(いろいろ略。珍しくみなさん絶賛)

expert reaction to calcium supplements and polyps
March 1, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-calcium-supplements-and-polyps/
Gutに発表された新しい研究が、カルシウムサプリメントは、ビタミンDと一緒あるいは単独で、大腸の小さな増殖−ポリープと呼ばれる−リスクを上げるかもしれないことを調べた。
King’s College London栄養科学部長で栄養学教授Kevin Whelan教授
この研究はカルシウムとビタミンDが単独あるいは組み合わせで大腸にポリープができるリスクに影響するかどうかを調べたRCTの解析である。3-5年経ってサプリメントの使用を中止した時には影響は見られなかった。しかしこの新しい研究で重要なことは、もっと長く、使用し始めてから6-10年後の解析を行ったことである。カルシウムとビタミンDはポリープのある人の数には影響しなかったが、カルシウムサプリメントを使用していた人は大腸がんの前駆体と考えられる特定の種類のポリープ(無茎鋸歯状ポリープ)ができる可能性が2.5倍だった。
この研究の強みは年齢や性、BMI、喫煙などを考慮してサプリメント以外で説明できるかどうか検討していることである。この研究は既にポリープがある人を対象にしているため、そうでない人に同じ影響があるかどうかはわからない。一般人での影響についてはさらなる研究が必要であろう。
また現在喫煙している人の鋸歯状ポリープ発生リスクは2倍以上であることやカルシウムサプリメントを摂った女性は6-10年時点での鋸歯状ポリープ発生が男性より2.5倍高いことも報告している。この研究で使われたカルシウムサプリメントは1200 mg/日で健康食品店で販売されているものと同等であるが推奨されている量(英国700mg米国1000mg)よりは多い。重要なことは食事由来のカルシウムにはポリープリスクへの影響はないことで、カルシウムを含む食品を減らすべきではない
Birmingham大学Cancer Research UKの先進臨床科学者で直腸結腸外科コンサルタントAndrew Beggs氏
これは質の高い研究の解析で、カルシウムサプリメントを使用していた人たちに全がん病変のポリープの数の小さな増加を見つけた。この研究の大きな欠点は、希なタイプのポリープがあると同定された患者数が少ないことである。従って関連は確実ではなく、医師からカルシウムサプリメントを使用するよう助言されている患者は使用を続けるべきである。