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妊娠期のプロバイオティクスや魚油の摂取は子供のアレルギーを減らす可能性がある

Probiotics and fish oil in pregnancy may reduce allergies in children
March 1 2018
https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/probiotics-and-fish-oil-pregnancy-may-reduce-allergies-children/
「妊娠期に魚油サプリメントやプロバイオティックヨーグルトを摂取すると、子供がアレルギーを発症するリスクが低下する可能性がある」と、英国オンライン新聞The Independentが報じている。
喘息、皮膚湿疹、食物アレルギーなどのアレルギー疾患は、英国では一般的なものになっている。以前の研究では、妊娠中の女性の食事や母乳哺育、および母乳哺育期間が、その子供がアレルギーを発症する可能性に影響することが示唆されている。
今回のレビューでは、1946年まで遡って記録を分析し、この分野における研究の概要を捉えた。注目すべき知見が2件見つかった。
いわゆる善玉菌を含むプロバイオティックサプリメントを摂取すると、子供が皮膚アレルギーを発症する可能性は22%減少ことが示された。ただし、こうしたメリットが妊娠中にサプリメントを摂取していた女性に由来するのか、母乳哺育によるものなのか、サプリメント組成物を乳児が摂取していたことに由来するのかは不明確である。
一方、妊娠中に魚油サプリメントを摂取し、母乳哺育を行った場合は、子供が卵に感作される(潜在的なアレルギーの徴候)可能性は31%減少した。この場合、ピーナッツアレルギーを発症する可能性も減少したと思われるが、それについての根拠は不足している。
母乳哺育が皮膚アレルギーのリスクを減らす可能性があること、およびプロバイオティクスが牛乳アレルギーになるリスクを減らす可能性があることについても、いくつか根拠が存在する。しかし、それらの根拠の質は良くない。
これらの結果は、将来のガイダンスに妊娠期や母乳哺育期に何を食べるべきか、あるいは乳児に何を食べさせるかに関する情報を付与する際の根拠になる可能性がある。
オメガ-3サプリメントで魚油を妊娠中に摂取しても安全だと考えられるが、妊婦はタラの肝油など、魚の肝臓を含むいずれのサプリメントも摂取すべきではない。
妊娠期にプロバイオティクスを摂取することで生じるリスクは知られていない。