食品安全情報blog過去記事

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論文

Algorithm could streamline harvesting of hand-picked crops
13-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uoic-acs031218.php
農家がデータ分析のメリットを享受できる最新集団である。ここ数年で精密農業が農家の収量増加や賢明な意志決定に役立つようになってきた。しかし多くはドローンなどでデータ収集し大型機械で収穫する作物であった。今回イリノイ大学のRichard Sowers教授は手で収穫する作物で役にたつアルゴリズムを開発した。Natural Resource Modelingに発表された研究ではイチゴの収穫で行った研究結果を示す
(某イベントでやたらとF1種子悪者説を唱える人がいたのだけれど、そういう品種改良や農薬を否定するような農業を進めるならこの手のハイテクが必要になる。収穫時期がばらばらになるものを適宜選別し病害虫が発生する兆しを迅速に検出する必要があるのだから。それが復古主義の思想に適合するのかどうかは知らないけれど。)

  • 40年のデータがBtトウモロコシの採用による複数の作物にわたる利益を初めて定量化する

Forty years of data quantifies benefits of Bt corn adoption across multiple crops for the first time
12-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uom-fyo030718.php
膨大な利益には病害虫の90%削減、散布と作物の被害の大幅減少を含む
Maryland大学の研究者らがPNASに発表
Btトウモロコシは米国で1996年に初めて採用され今は遺伝子組換えのものが栽培されるトウモロコシの80%以上を占める。この研究ではBtトウモロコシが採用される前の20年と採用後の20年の、1976 – 2016のデータを用いて解析した。

  • サンフランシスコ湾の貝から4種類の藻類毒素がみつかる

Four kinds of algal toxins found in San Francisco Bay shellfish
12-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uoc--fko031218.php
Harmful Algaeに発表。淡水と海水の両方の毒素が検出されている。
99%の貝には少なくとも一種類、37%の貝には4種類の異なる藻類毒素が検出されている
ドーモイ酸、サキシトキシン類、オカダ酸類、ミクロシスチン類。

  • 豆乳ベースのミルクを与えられた赤ちゃんは生殖系組織に変化がある

Babies fed soy-based formula have changes in reproductive system tissues
12-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/chop-bfs031218.php
新しい研究によると、新生児の頃に豆乳ベースのミルクを与えられた乳児は、牛乳ベースのミルクや母乳を与えられた乳児に比べると一部の生殖系の細胞や組織に違いがある。生後数ヶ月で観察されたこの違いは僅かなもので警鐘を鳴らすようなものではないが、豆乳中のエストロゲン様物質暴露の影響についてさらなる調査を必要とするだろう。
Journal of Clinical Endocrinology and Metabolismに発表されたフィラデルフィア子ども病院の栄養センター長Virginia A. Stallings医師らの報告。
410組の母子が参加し283組が研究を終了した。そのうち102人の子どもが豆乳のみを与えられ、牛乳は11、母乳は70だった。赤ちゃんの約半分が女の子、70%がアフリカ系アメリカ人。女の子は36週まで、男の子は28週まで観察して測定を行った。差があったのは女の子でエストロゲン暴露の影響と一致する膣細胞の成熟指数が高く子宮容量の低下が遅い。米国小児科学会は母乳を薦めているがミルクにする場合でも豆乳は勧めていない
(むしろ豆乳ベースのミルクを与える親がそんなにいるのかということに驚く。「希な遺伝病」なわけはないのでベジタリアン?)

  • 自己修正の危機:メディアの科学報道を再考

Crisis or self-correction: Rethinking how the media cover science
12-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/appc-cos031218.php
科学の自己修正が、人々の科学への信頼を毀損する「科学はダメになっている」という物語を強化しているか?
PNASに発表された、科学に関するメディア報道を検討したPennsylvania大学Annenberg公共政策センター長のKathleen Hall Jamiesonによる記事。
メディアで騙られる科学についての物語の三つの構造を検討した。一つは古典的な探求の冒険、もう一つは嘘つきの科学者の不正を暴くという物語、そして三つ目は科学はダメになった、という物語である。この3つめの物語が過剰に一般化されている、と著者は主張する。