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国内流通飲料類、ベンゼンによる危害はない!

2018-02-28 新規有害物質チーム/消費者危害予防政策課
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&pageNo=2&seq=40764
―製造過程中に生成ベンゼン10年前より90%以上減少―
食品医薬品安全処‧食品医薬品安全評価院は、去年韓国で流通していた飲み物類を対象にベンゼン検出水準を調査した結果、人体へのリスクの懸念がない安全な水準であったことを明らかにした。
ベンゼンについては、食品における管理基準はないが、飲用水の場合、世界保健機構(WHO)、日本及び我が国などは基準を設定して管理している。〔世界保健機構(WHO)‧日本‧韓国(10 ppb以下)、アメリカ(5 ppb以下)〕
今回の調査は、飲み物類製造過程中に自然に生成され得るベンゼンの検出水準を調査して、韓国国民の健康に及ぶ可能性がある影響を確認するために実行された。
なお、ベンゼンは、ビタミンCと保存料として使われる安息香酸の化学反応によって自然的に生成され、ビタミンC含有飲料でベンゼンが検出されて問題となった2006年以後から現在まで、ベンゼン低減化のための努力が持続的に行われてきた。
今回の実態調査対象は、韓国国民がしばしば摂取したり、たくさん販売されている飲料6種(果菜飲料、炭酸飲料、豆乳、発酵飲料、人参紅参飲料、その他の飲料)を対象として、計300件を回収‧検査した。
調査の結果、調査対象300件中3件からベンゼンが平均3 ppb検出されたが、検出水準は飲用水のベンゼン基準(10 ppb)に比べて低かった。内訳は、炭酸飲料2件(検出平均2.7 ppb)、人参‧紅参飲料1件(4.5 ppb) であった。
ベンゼン低減化以前の2006年の検出率は94%(67件中63件)で、飲用水の基準(10 ppb)を超過していた割合も67.2%(67件中45件)であったが、ベンゼン低減化推進以後大きく減少したことが明確となった。
ベンゼン実態調査結果:2006年(低減化推進後): 58件中6件検出(10.3%)、10 ppb以上1件、2013年: 81件中2件検出(2.5%)、10 ppb以上0件、2017年: 300件中3件検出(1.0%)、10 ppb以上0件。
また、ベンゼン実態調査結果に基づいて一日推定摂取量(EDI)を評価した結果は0.0000317 µg/kg体重/日で、アメリ環境庁(EPA)が提示した毒性参照値(4 µg/kg体重/日)の0.00079%であり、人体にリスクを生じる懸念がほとんどない水準であることが判明した。
*一日推定摂取量(Estimated Daily Intake): 試験で得られたベンゼン検出量及び該当食品の摂取量のデータを用いて一日暴露量を推定した数値
*毒性参照値(RfD): 人口集団において一生暴露されても明らかな有害影響が現れないと予測される露出量
食薬処は、今回の実態調査の結果ベンゼン検出水準が低かったのは、ビタミンCと安息香酸ナトリウムの混合使用禁止、天然保存料での代替、殺菌工程強化、製造工程改善など、政府と関連業界の持続的な低減化努力の結果と説明している。
また、食薬処は、国民健康確保のため、今後も製造工程中に生成される非意図的有害物質の低減化を持続的に推進する計画であることを明らかにした。