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5:2食事法が心臓病を防ぐという根拠はない

No evidence the 5:2 diet prevents heart disease
March 19 2018
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/no-evidence-52-diet-prevents-heart-disease/
「ひもじい思いをすること。」および「5:2食事法実践者は、体重を『より早く』減らし、より健康的な心臓を持つことができる。」と、英国の日刊紙The SunとThe Daily Telegraphは報じているが、これらは誤解を招く見出しである。これらの記事は、5:2食事法と標準の低カロリー食事法を比較した非常に小規模の試験に基づいている。
試験を実施した研究者は、食事直後に採血して血中脂質値と血糖値を測定している。高脂肪も高血糖も、心臓病のリスク要因である。
5:2食事法は、間欠的エネルギー制限(絶食)の原理に基づいている。週のうち5日間は「通常の食事」をし、残り2日間はカロリー摂取を制限(通例500〜600 Cal/日に制限)する。
この試験は、たった41人の被検者で行われた。5:2食事法群と標準低カロリー食事法群とで、減量目標を達成するまでにかかった時間や減量を達成できた被検者数に、有意な相違は認められなかった。
この試験では、試験の始まりと終わりの時点でしか血液検査を行っていない。血糖値には2群の間で相違は認められなかった。血中脂質値は、5:2食事法群の方がわずかに低かったが、5:2食事法が必ず血中脂質値を低らすと言い切れるほど十分な証拠ではなく、将来心臓病になるリスクをより低減するとも言えるものではなかった。
もし過体重や肥満であるならば、減量(および低減した体重の維持)は、心臓の健康状態の改善に役立つであろう。NHSは、健康的な食事と規則的な運動を組み合わせたNHS減量計画を提供しており、安全で持続可能な減量を勧めている。