食品安全情報blog過去記事

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論文

  • フタル酸とは何?外食は「がんと関連する化合物の量を増やす」

What Are Phthalates? Dining Out 'Raises Level of Chemicals Linked to Cancer'
By Kashmira Gander On 3/29/18
http://www.newsweek.com/phthalates-865275
あたらしい研究によると、外食すると体内の、がんを含む病気と関連する有害化合物の濃度が上がるリスクがある。フタル酸はプラスチックを柔らかくするのに使われ、食品の包装やテイクアウトボックス、手袋などから食品に移行する。George Washington大学とCalifornia大学の研究者らがNHANESの2005-2014年の参加者10253人のデータを用いて、定期的に外食する人の濃度が35%高いことを発見した。著者らは妊娠女性や子ども達はホルモン撹乱物質の有害影響を受けやすいので暴露を減らすのが重要だという。
しかし英国栄養士会の広報Aisling Pigottは「このような報告に過剰反応しないことが重要で、我々はもっと重要なことを既に知っている」という。「時々加工食品を食べることで長期有害影響がでることはありそうにないが、加工度の少ない、自宅で調理した食品をより頻繁に食べるべきである」

Dietary sources of cumulative phthalates exposure among the U.S. general population in NHANES 2005–2014
Julia R. Varshavsky et al.,
Environment International Available online 29 March 2018
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412017314666

  • ウリ科植物中毒に関連する脱毛

Hair Loss Associated With Cucurbit Poisoning
Philippe Assouly,
JAMA Dermatol. Published online March 28, 2018. doi:10.1001/jamadermatol.2017.6128
https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/2674863?redirect=true
苦いカボチャを食べて消化器系の中毒症状を経験した一週間から三週間後に脱毛になった症例2例の報告。植物毒素による細胞分裂阻害作用ではないかと考察

  • カロリー削減食は人で加齢を遅くする兆候を示す

Natureニュース
Reduced-calorie diet shows signs of slowing ageing in people
22 March 2018 Alison Abbott
https://www.nature.com/articles/d41586-018-03431-x
これまでで最も包括的な研究が、人々のエネルギー摂取量を減らすと代謝が遅くなることを示す
米国NIHが資金提供した複数センター試験、200人以上の肥満ではない健康成人の2年間のカロリー制限の影響についてのRCT であるCALERIE (エネルギー摂取を減らすことの長期影響の包括的評価Comprehensive Assessment of Long term Effects of Reducing Intake of Energy)の一部で、Cell Metabolismに3月22日発表。
21-50才の34人が平均15%のカロリー制限、19人が通常通りで2年にわりあて、24時間代謝チャンバーで各種試験をしている。カロリー削減群は睡眠中に対照群よりエネルギーをより効率よく使っていることを発見した。この基礎代謝率の低下は、減量した分(平均約9kg)から予想されるより大きい。他の臨床検査結果も全て新陳代謝率の低下に沿ったもので、加齢による傷害の低下を示す
(これは嬉しいのだろうか?基礎代謝を上げましょう、派はどうするのかな?)

  • ミツバチに優しい殺虫剤の開発に役立つ革新

Breakthrough could aid development of bee-friendly pesticides
22-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uoe-bca031918.php
ミツバチのP450sであるCYP9Qがある種のネオニコチノイドの迅速な分解に関与することがCurrent Biologyに発表された。バイエルの資金提供。

  • 世界で最も長い動物から昆虫毒素検出

Insect toxin detected in the world's longest animal
26-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uu-itd032618.php
最大55メートルにもなるひも虫Linaeus longissimusがカニやゴキブリを殺す神経毒を作ることがスウェーデンの研究者によりScientific Reportsに報告された。ペプチドイオンチャンネル毒素

  • 食品廃棄:最大のロスはあなたが何を食べるのかによる

Food waste: The biggest loss could be what you choose to put in your mouth
26-Mar-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/wios-fwt032518.php
植物ベースの食事に変更することでもっと多くの人が食べられる。PNAS。