食品安全情報blog過去記事

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その他

SMC UK
Skripalsは神経剤と自宅で接触し、最も高濃度だたのは玄関ドアであるという警察の報告への専門家の反応
expert reaction to police reporting that the Skripals probably came into contact with the nerve agent at their home, and that the highest concentration of the agent was on their front door
March 29, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-police-reporting-that-the-skripals-probably-came-into-contact-with-the-nerve-agent-at-their-home-and-that-the-highest-concentration-of-the-agent-was-on-their-front-door/
Leeds大学環境毒性学名誉教授Alastair Hay教授
警察はSkripalsが神経剤に接触したのは自宅のドアに何かがついていた結果である可能性が高いと報告した。警察の言うことはこれまでで最も高い濃度がドアだという。
これまでの報告では車が汚染されていた可能性を示唆していた。家のドアで手のひらが汚染されていたらそれが車のハンドルに移行した可能性は高い。
捜査対象がノビチョク類であることに注意が必要で、我々はサリンやVXに比べてそれあについてはほとんど知らない。ノビチョクの一部は揮発性が高く他のものは残留性が高くなるよう開発されていた可能性は高い。
(略)

expert reaction to weight loss supplement to mimic calorie restriction
March 29, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-weight-loss-supplement-to-mimic-calorie-restriction/
Nature Communicationsに発表された研究で、中高年成人への長期ニコチンアミドリボシド補充の健康影響を調べている
グラスゴー大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
これはこの新しいサプリメントの影響についての極めて早期の知見である。現時点で感激することはなくより大規模でより良いデザインの試験でこのサプリメントが過体重や高血圧の人の血圧やその他の指標を本当に改善するかどうか結果を待ちたい。過去このような小規模試験の結果が再現されない事例を数多く見てきた。従って、興味深いがまだ早すぎる。
Reading大学栄養健康准教授Gunter Kuhnle博士
この試験は質の高いものだがその結果は、特に血圧に対しては、実質的には有意ではなく、なんら意味は無い。ほんの少しだけ運動すれば同じような結果になるだろう。著者自身が効果に統計学的有意差はないことを認めていて、追加データではどちらの群にも実質的差はない。この研究は単純に規模が小さすぎて何も言えないが、そのことは要約にも記載されている。また期間が6週間と短く、長期摂取とは言えない。

  • 泡消火剤−専門家のQ &A

NZ SMC
Fire-fighting foams – Expert Q&A
March 23rd, 2018
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/03/23/fire-fighting-foams-expert-qa/
ニュージーランドのある種の泡消火剤の使用についての公式の調査が続く中で、2006年に使用が制限されているが今でもストックしているところとして空港が同定された。
PFOSとPFOAを含む泡消火剤は1970年代から2000年代初期までは標準的なものだった。2011年以降はニュージーランドでは輸入・製造・使用が禁止されている
オーストラリアではこの消火剤の使用を巡って近年現在進行中で対応していて、我々はオーストラリアの専門家にこの化合物について尋ねた。
(各種情報源へのリンク有り。難分解性であるために規制されているがヒト健康影響については見解が分かれる。オーストラリアの保健省が設定した専門委員会の報告書は今月後半に公表される予定
The Expert Health Panel for Per- and poly-fluoroalkyl substances (PFAS)
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/ohp-pfas-expert-panel.htm まだのようだが。)

  • Alice Watersと食品について語る

Talking Food with Alice Waters
by Brian Rinker March 20, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/talking-food-systems-alice-waters
(Marion Nestleへのインタビューと対になる記事。シェフでレストラン経営者で食品の活動家であるAlice Watersは、地元のオーガニックな食品を自分で育てるあるいは生産者から直接買って自分で料理して食べることを理想とする反体制(ファストフードの「早い・安い・簡単」への)活動家。植物は幹や葉などの(通常食べない)ところも食べるべきと主張する点でマクロビにも類似。どんな植物でもニンニクとオリーブ油で食べられるらしい。
Berkeleywellnessはこういうのが好き)

  • キノコ:もうすぐあなたのそばのバーガーに

Natureエディトリアル
Mushrooms: coming soon to a burger near you
26 March 2018
http://www.nature.com/articles/d41586-018-03855-5
キノコと牛肉の混合物がウエストと炭素排出量拡大対策に
先月米国のファストフードチェーンSonic Drive-Inがメニューに導入したのは牛肉の一部をキノコに置き換えたSignature Slingerチーズバーガーで、カロリーを減らし二酸化炭素の排出量が少ないという。これは米国のシェフと科学者と健康と環境の活動家が協力しているムーブメントの最新のメニューの一つである。100%牛肉の製品の最大半分をキノコにすることで公衆衛生と環境持続可能性の両方に利益がある。
この主張に科学的根拠はあるか?
牛肉は特に環境負荷が大きい。アメリカ人が毎年食べる約100億個のバーガーの牛肉の30%をキノコにできれば、道路から200万台の車を取り除いたのと同じくらいの排出削減になる。しかしキノコ栽培は必ずしも理想的グリーンではない。キノコは温度にうるさく通常温室で栽培される。2012年の解析ではタマネギの約10倍の温室効果ガス影響がある
(略)
しかしノンアルコールワインや砂糖なしソフトドリンク同様、消費者が選ぶかどうかは味によるだろう。Natureのレポーター二人はキノコ入りバーガーを正確に見分けられた。
(ハイテクによる食品の改良は加工を良くないものとみなす一派とどう折り合いをつけるのかなぁ)

  • Worcestershire王立病院で乳児用ミルクを無くすことに怒り

Anger over cut baby milk formula at Worcestershire Royal Hospital
http://www.worcesternews.co.uk/news/16128051.Outrage_over_cuts_to_free_baby_milk_formula_at_hospital/
5月1日から市の産院で無料の粉ミルクを提供することを中止する。これは母乳で育てることを推進するためであるが、それを発表する文書の独善的言葉遣いに母親達が怒っている。
多くは'artificially feed人工栄養'という言い方に怒っている

  • コーヒーにはがん警告が必要、米国の裁判官が言う

Coffee needs cancer warnings, says US judge
30 March 2018
https://www.smh.com.au/world/north-america/coffee-needs-cancer-warnings-says-us-judge-20180330-p4z724.html
ロサンゼルスの裁判官が、カリフォルニアの法律はコーヒー企業にがん警告表示を要求していると判断した。
上級裁判所裁判官Elihu Berleが水曜日に、スターバックスやその他のコーヒー企業が発がん物質の脅威について表示していないと判決案に書いた。NPOのThe Council for Education and Research on Toxicsがスターバックスと小売店を含む約90の企業に対して、一連の化合物について州の法律に違反していると訴えていた。それら化合物の一つがアクリルアミドである。

他報道多数
カリフォルニア人はがん警告のあるコーヒーを飲む
Californians to take their coffee with a cancer warning
Mar 29, 2018
http://abcnews.go.com/Health/wireStory/apnewsbreak-california-judge-coffee-cancer-warnings-54107756