食品安全情報blog過去記事

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FDA、危険なほど高濃度の非常に濃厚または純粋なカフェインを含むダイエタリーサプリメントから消費者を保護する方向へ

FDA takes step to protect consumers against dietary supplements containing dangerously high levels of extremely concentrated or pure caffeine
April 13, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm604485.htm
FDAは、2018年4月13日より、高濃度のもしくは純粋なカフェインを含む製品による危険から消費者を保護するための対策に着手する。これらの製品は、過剰で危険と考えられる誤った用量で用いられるリスクがある。こうした製品は、大容量包装で売られている場合も多いが、摂取しなければ健康だった人の死亡例の少なくとも2件に関連している。
FDAは、新しいガイダンス(下記ウェブサイト)を発表し、その中で、純粋もしくは高濃度のカフェインを粉末または液体の形で含有するダイエタリーサプリメントは、大容量包装のまま直接消費者に販売された場合、違法とみなされることを明確に示した。国民の健康上の懸念が大きく、このガイダンスが即座に効力を発揮する必要があるため、FDAは、違法な製品の市場からの排除開始を直ちに進める施策を準備した。
FDA長官は、以下のように述べている。「過去に何回も活動を行ったが、1包装あたり何千食分も含んだ大容量のダイエタリーサプリメントが消費者に直接販売されている。こうした製品は時として危険な使われ方をされる。例えば、10代の若者は、活力向上の感覚を求めて、危険なほどの量の超高濃度カフェインを混ぜて、トレーニング用カクテルとして飲んでしまう例がある。超高濃度の形でしかも大容量包装で販売されているため、その量はいとも簡単に考えている以上の大量となる場合がある。このような販売の仕方は違法であることを業界に対して明確にし、市場から危険な大容量包装製品を除去していく。」
高濃度液体カフェインは、2分の1カップで約2,000 mgのカフェインを含んでいる場合があり、純粋な粉末カフェインでは、ティースプーン1敗で約3,200 mgのカフェインが含まれている場合がある。これらの量は、コーヒー20杯ないしは28杯に相当し、カフェインが毒性を示し得る用量に匹敵する。実際、純粋な粉末カフェインの製品の中には、大さじ2杯未満でほとんどの成人に死をもたらすものもあり、はるかに少量でも子供の命を脅かしかねない。高濃度カフェインが大容量包装で売られていたり、消費者に非常に少量の推奨要領を正確に測り取ることを求めるように売られている場合、濫用や誤用のリスクが高まる。製品に注意書きが付されているかどうかにかかわらず、そうした製品は、消費者に病気を引き起こしたり身体的損害を与えたりするリスクを著しくかつ不合理に引き起こす。
高濃度もしくは純粋なカフェイン製品の推奨される安全な1回分用量は、カフェインとして200 mgとされている場合が多い。この量は、純粋粉末の場合、ティースプーン16分の1杯であり、液体ではティースプーン約2.5杯である。1回分用量がこんなに少ないにも関わらず、粉末カフェインは大袋で売られており、液体商品は、1ガロン以上(4 L以上)入りの瓶で通販されている。消費者が正確にこのような少量を測り取れないことも多い。もし消費者がそうできるとしても、単純でよくある間違いが1回分のカフェインの量を増加させてしまう。例えば、粉末がぎっしりと包装されていたり、「すり切り一杯」のはずを「山盛り一杯」にしてしまうことが起こり得、有害影響という結果がもたらされる。液体のカフェイン製品の場合も同様の間違いが起こり得る。缶入りカフェイン炭酸飲料中には約35 mgのカフェインが含まれているが、高濃度液体カフェインの場合はその分量だとティースプーン半分にも満たない。
さらに、これらの製品は他の安全な家庭用製品とよく似ている場合も多く、偶発的で危険な摂取が起こりかねない透明な液状の高濃度カフェインは、水や蒸留酢と紛らわしいし、純粋な粉末カフェインは、小麦粉や粉砂糖と混同しやすい。こうした混同により、毒性影響を被ったり死亡したりすることさえ起こりうる。
適切に調製され販売されていれば、カフェインはダイエタリーサプリメントの成分であり得る。例えば、今回のガイダンスでは、カフェインを含有する特定の形態のダイエタリーサプリメントについて、どうすれば安全性のリスクを生じないようにすることができるかが説明されている。そうした方策には、あらかじめ適量に小分けした包装で販売する、錠剤やカプセルなどの固形剤として販売する、高濃度にならないように調製して販売するなどが含まれている。
なお、今回のガイダンスは、処方薬、店頭販売薬、伝統的にカフェインを含む飲料などの従来からある食品については対象外である。
2015年から2016年にかけて、FDAは、純粋な粉末カフェインを販売していた7業者に警告文書を送っている。それらのいくつかには、製品が危険であり、消費者に病気を引き起こしたり身体的損害を与えたりするリスクを著しくかつ不合理に生じることが書かれている。その後も、FDAは、同様の製品が通信販売される例が増加するのを目の当たりにしてきた。FDAは、どのような形状であれ、危険とみなされる量のカフェインを含むダイエタリーサプリメント製品は、全て入念に調査する意向であり、製品が消費者を危険にさらす際には、対処の行動を取り続けていく。
*カフェインを高濃度で含有するダイエタリーサプリメントに関する業界向けガイダンス
https://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformation/ucm604318.htm(見出し)
https://www.fda.gov/downloads/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformation/UCM604319.pdf(本文)