食品安全情報blog過去記事

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評価等

  • 産卵鶏用飼料添加物としてのECONASE® XT (エンド-1,4-β-キシラナーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of ECONASE® XT (endo-1,4-β-xylanase) as a feed additive for laying hens
EFSA Journal 2018;16(3):5216 [7 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5216
ECONASE® XTは、肥育鶏あるいは育成期の産卵鶏、肥育期あるいは交配に向けた育成期の七面鳥、産卵鶏、離乳子豚、肥育豚、およびマイナー家禽種用の飼料添加物として認可されているエンド-1,4-β-キシラナーゼを用いた酵素調製物である。産卵鶏については、この添加物は飼料1 kg当たり24,000 BXU*の用量で認可されている。申請者は、産卵鶏における使用条件を改変し、飼料1 kg当たりの最小推奨用量を24,000 BXUから12,000 BXUに引き下げる申請を行った。動物用飼料の添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、過去の科学的意見の中で、飼料添加物として使用される場合のこの製品の安全性を評価しており、飼料添加物としての使用によって消費者における安全性の懸念を生じることはなく、環境におけるリスクが生じることも考えられないと結論付けている。パネルはまた、この添加物が皮膚刺激性を有しておらず、液状組成物も眼に刺激性を示さず、皮膚感作性もないと結論付けたが、呼吸器感作性物質であると認定した。産卵鶏におけるこの添加物の使用に関しては、FEEDAPパネルは、その使用条件においてこの添加物が産卵鶏に対して安全であり、飼料1 kg当たり24,000 BXUで有効性を示すことができると結論付けた。以前に評価に供された試験の結果では、2つの事例で12,000 BXU/kgあるいはそれ以下の用量で有効性が認められている。申請者は、2件の新たな試験の報告書を提出し、新しい推奨用量で、1件では産卵鶏における成績が向上したことを、もう1件ではエネルギー効率が改善したことを示した。そのため、、FEEDAPパネルは、この添加物が、飼料1 kg当たり12,000 BXUの用量で、産卵鶏において畜産添加物として有効性を示す能力があると結論付けた。
*BXU: birchwood xylanase units: 標準的な条件下(pH5.3及び50°C)において、カバノキ(birch)由来のキシランをキシロースと源として、それから還元糖を1秒間に1 nmol生成する酵素

  • 肥育豚用の飼料添加物としてのECONASE® XT (エンド-1,4-β-キシラナーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of ECONASE® XT (endo-1,4-β-xylanase) as a feed additive for pigs for fattening
EFSA Journal 2018;16(3):5217 [7 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5217
ECONASE® XTは、ECONASE® XTは、肥育鶏あるいは育成期の産卵鶏、肥育期あるいは交配に向けた育成期の七面鳥、産卵鶏、離乳子豚、肥育豚、およびマイナー家禽種用の飼料添加物として認可されているエンド-1,4-β-キシラナーゼを用いた酵素調製物である。肥育豚については、この添加物は飼料1 kg当たり24,000 BXUの用量で認可されている。申請者は、肥育豚における使用条件を改変し、飼料1 kg当たりの最小推奨用量を24,000 BXUから16,000 BXUに引き下げる申請を行った。動物用飼料の添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、過去の科学的意見の中で、飼料添加物として使用される場合のこの製品の安全性を評価しており、飼料添加物としての使用によって消費者における安全性の懸念を生じることはなく、環境におけるリスクが生じることも考えられないと結論付けている。パネルはまた、この添加物が皮膚刺激性を有しておらず、液状組成物も眼に刺激性を示さず、皮膚感作性もないと結論付けたが、呼吸器感作性物質であると認定した。肥育豚におけるこの添加物の使用に関しては、FEEDAPパネルは、その使用条件においてこの添加物が肥育豚に対して安全であり、飼料1 kg当たり24,000 BXUで有効性を示すことができると結論付けた。今回の申請で、申請者は飼料1 kg当たり16,000 BXUでの有効性を支持する3件の有効性試験の報告書を提出した。3件の内2件は、以前にFEEDAPパネルの評価に供されているもので、飼料1 kg当たり16,000 BXUでの有効性を支持している。3件目の試験では、この飼料添加物が、飼料1 kg当たり20,000 BXFEEDAPパネルは、この添加物は、飼料1 kg当たり20,000 BXUの用量で、肥育豚において畜産添加物として有効性を示す能力があると結論付けた。

  • 肥育豚用の飼料添加物としてのCalsporin® (Bacillus subtilis DSM 15544株)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Calsporin® (Bacillus subtilis DSM 15544) as a feed additive for pigs for fattening
EFSA Journal 2018;16(3):5219 [9 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5219
欧州委員会の要請に基づき、欧州食品安全機関(EFSA)の動物用飼料の添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、肥育豚用の飼料に使用した場合のCalsporin®の安全性と有効性についての科学的意見を導出するよう求められた。この添加物は、Bacillus subtilisの1菌株の生芽胞を含んでいる。EFSAは、この菌種の安全性評価には、QPS(qualified presumption of safety)アプローチが適していると考えている。このアプローチには、その菌株の同定に係る特性が完全に明らかにされていることが求められ、その菌株が毒素産生性を示さず、ヒトや動物において重要な抗菌剤への耐性を示さないという証拠が必要である。この菌株は、過去の科学的意見に照らして、QPSアプローチの基準に適合すると認められ、この添加物の他の成分からも懸念が生じることは想定されないため、Calsporin®は、豚を含む全ての対象動物種、投与を受けた動物に由来する製品の消費者、環境において安全であると考えられる。過去の科学的意見において、FEEDAPパネルは、この添加物は皮膚や眼に刺激性を示さず、皮膚感作性も無いが、呼吸器感作性物質とみなすべきであると結論付けた。この添加物を肥育豚に使用した場合にこの製品の使用者にハザードが及ぶ可能性については、最初の評価の過程ではまだ判断されていなかったが、低いものと考えられる。したがって、ここで導出された結論が今回の申請に充てはめられる。FEEDAPパネルは、4件の試験の統合分析の結果に基づき、Calsporin®が、飼料1 kg当たり1.5 × 108 CFUの用量で、肥育豚の飼育成績を向上させる能力があると結論付けた。

  • EC規則No 1829/2003に従い、食品および飼料としての使用、輸入、加工のための遺伝子組換えトウモロコシMON 87403の評価(認可申請EFSA-GMO-BE-2015-125)

Assessment of genetically modified maize MON 87403 for food and feed uses, import and processing, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-E015-125)
EFSA Journal 2018;16(3):5225 [28 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5225
トウモロコシMON 87403株は、生殖段階初期の穂から得られるバイオマスを増加させることを目的として開発され、そのためにHD-Zip II遺伝子族の植物転写因子をコードする修飾AtHB17遺伝子を発現させている。修飾AtHB17遺伝子は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来である。分子生物学的特性データと生物情報工学的分析結果からは、食品や飼料の安全性評価が必要となるような問題点は明らかにならなかった。トウモロコシMON 87403株とそれの元となった従来株との間で農学的特性および表現型特性が調べられたが、統計的に有意な相違は確認されなかった。トウモロコシMON 87403株の組成分析では、さらなる評価が必要となるような変異は確認されなかった。 GMOパネルの評価では、トウモロコシMON 87403株で発現されるAtHB17∆113タンパク質について、毒性やアレルギー性に関連する安全上の懸念は明らかにならなかった。トウモロコシMON 87403株由来の食品や飼料の栄養価は、様々な非遺伝子組換え(非GM)トウモロコシ株から得られる食品や飼料の栄養価と相違するとは考えられない。比較分析と分子生物学的特性の評価において検討された試験の結果に基づき、GMOパネルは、トウモロコシMON 87403株が、供試された従来株や様々な非GM参照株と同様に、安全で栄養価を有すると結論付けた。トウモロコシMON 87403株の粒子が生存能力を持つ状態で環境中に偶発的に放出されても、トウモロコシMON 87403株が環境の安全上の懸念を生じることはないと考えられる。市販後環境監視計画および報告間隔は、トウモロコシMON 87403株に企図されている使用状況から見て妥当である。結論としてGMOパネルは、トウモロコシMON 87403株は、この申請書に説明されている様に、ヒトや動物の健康および環境に及ぼし得る影響に関しては、その元となった従来株や供試された様々な非GMトウモロコシ参照株と同様に安全であると判断した。