食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 関節リウマチに如何にして環境汚染物質と遺伝が一緒に働いているか

How environmental pollutants and genetics work together in rheumatoid arthritis
19-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/mm-u-hep041818.php
PNASに発表されたマウスでのHL遺伝子とダイオキシン破骨細胞活性化に関する研究。
(プレスリリースには書いていないマウスへのTCDD投与量0.3 ng/gm body weightを毎週注射、ってダイオキシン類の 4 pg-TEQ/kg/日より相当大量のような。0.3ナノグラム/グラム体重って300,000ピコグラム/キログラム体重だよね?それを根拠にダウの工場跡で見つかった汚染物質と同じものだ、と具体的企業を批判するのはどうなんだろう。これがPNASでいいの?)

  • 新規抗酸化物質は古い血管を再び若く見えるようにする

Novel antioxidant makes old blood vessels seem young again
19-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/uoca-nam041918.php
Hypertensionに発表されたコロラド大学Boulder校の新しい研究によると、ミトコンドリアを標的にした新規抗酸化物質MitoQは加齢に伴う血管の変化を6週間のうちに15-20年若がえらせる。
(たった20人での、業者から提供されたサプリメントそのものを使った研究。CoQ10にトリフェニルホスホニウムカチオンを共役させてミトコンドリアに取り込まれやすくしたものとのこと。既にあらゆる病気予防効果を宣伝して販売しているもので、当然この論文も宣伝になるだろう。サプリメントとしても新規食品成分要件を満たすのかどうかわからないもので宣伝に使われることが明白な臨床研究を倫理委員会はどう評価したのだろう。医薬品ならあり得ない状況なのを研究者らは何の責任も感じないのだろうか。)

  • 正しい計画を使えば屋内汚染を減らしエネルギーを節約できる

Using the right plants can reduce indoor pollution and save energy
19-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/cp-trp041218.php
工業化された国の人々は生活の80%以上を屋内、ますます気密性の高い建物で過ごしている。これら建造物は暖房や換気に必要なエネルギーは少ないが、粒子状物質や有毒ガス、揮発性有機化合物などが蓄積するとヒトの健康に害となる可能性がある。屋内空気の質の改善に植物が寄与できる可能性があるがどの植物がいいのか屋内でどうすればいいのかについての知見は驚くほど少ない。Trends in Plant Scienceのレビューではイタリア研究評議会の植物生理学者Frederico Brilliがスマートセンサーで管理した空気清浄化技術と組み合わせたうえで植物生理学の知識が屋内空気の質の改善に寄与できると結論している。