食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • 離乳子豚とマイナー豚種の飼料添加物としてのEB15 10 (Bacillus subtilis DSM 25841株)の安全性と有効性

Safety and efficacy of EB15 10 (Bacillus subtilis DSM 25841) as a feed additive for weaned piglets and minor porcine species
EFSA Journal 2016;16(4):5199 [9 pp.]. 20 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5199
この添加物は、Bacillus subtilisのある系統の生芽胞を含む調製物である。提案されている使用用量は、完全飼料1 kg当たり5 × 108 CFU、飲料水1 Lあたり1.7 × 108 CFU/Lである。この添加物には、EB15とEB15 10の2形態があり、それぞれ添加物1 gあたり1.25 × 109 CFUおよび1.25 × 1010 CFUの濃度で細菌を含んでいる。この添加物は、QPSアプローチによる安全性評価の結果、対象動物、投与された動物に由来する製品の消費者、環境に対して安全だと想定される。活性物質がタンパク質の性質を有していることを考慮すると、この添加物は呼吸器感作性を示すと考えるべきである。皮膚や眼への刺激性ならびに皮膚肝阿世についてはデーターが無く、結論を導出できなかった。この添加物の離乳子豚とマイナー豚腫離乳仔における有効性に関しても、証拠が不十分のため、結論を導出できなかった。

  • 食品と飼料への使用を目的とした遺伝子組換え綿GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株の評価

Assessment of genetically modified cotton GHB614 × LLCotton25 × MON 15985 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2011‐94)
EFSA Journal 2018;16(4):5213 [27 pp.]. 20 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5213
3イベントスタック綿GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株は、通常の交配手法により3つの綿シングルイベントGHB614、LLCotton25およびMON 15985を組合わせて作出された。EFSAのGMOパネルは、以前この3つのシングルイベントを評価しており、安全上の懸念を認めていない。安全性に関するそうした最初の結論を修正しなくてはならなくなるような新データは、各シングルイベントにおいて確認されていない。分子学的特徴、農学的特徴、表現型、および組成の特性に基づき、これらのシングルイベントの組合せ及びこの3イベントスタック綿に新たに発現したタンパク質の組合せは、食品や飼料としての安全性の問題や栄養的な問題を生じなかった。綿GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株から生じた食品と飼料は、非-GM参照種から生じるものと同じ栄養的効果を生じると予想される。GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株の生存可能な綿実が偶発的に放出されても、この3イベントスタック綿は安環境の安全上の懸念を生じない。市販後環境監視計画と報告間隔は、綿GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株に企図される用途に適合している。結論として、GMOパネルは、この申請で述べたように、綿GHB614 × LLCotton25 × MON 15985株は、ヒトと動物の健康と環境への潜在的な影響に関して、非-GM参照種と同様に安全だと考えている。

  • 遺伝子組換えトウモロコシにおけるキザロホップ-P-エチルの輸入トレランス設定

Setting of import tolerance for quizalofop‐P‐ethyl in genetically modified maize
EFSA Journal 2018;16(4):5250 [23 pp.]. 20 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5250
Dow AgroSciences社は、aad-1遺伝子を持つ遺伝子組換えトウモロコシの穀粒におけるキザロホップ-P-エチルの輸入トレランスを設定する申請を行った。提出されたデーターは、トウモロコシ穀粒におけるキザロホップ-P-エチルのMRLを導出するのに十分であった。EFSAリスク評価結果に基づいた結論として、認可された方法でキザロホップ-P-エチルを使用し、aad-1遺伝子を持つ遺伝子組換えトウモロコシを育成した後、そのトウモロコシ穀粒を欧州に輸入しても、消費者の暴露は毒性参照値を超えることは無く、それゆえ消費者の健康上のリスクを引き起こす可能性は低いと判断した。

  • アシュラム(評価した類縁体: アシュラム-ナトリウム)の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance asulam (variant evaluated asulam‐sodium)
EFSA Journal 2018;16(4):5251 [23 pp.]. 20 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5251
ホウレンソウ、ならびに球根生産用のチューリップ、ヒヤシンスおよびユリの除草剤として、典型的な条件・手法で使用した場合の評価に基づき、結論が導出された。MRLsはホウレンソウで評価された。哺乳類における毒性や残留物などに関して必須データの欠落があり、それらに関連して種々の懸念が確認された。

  • 使用済PETを食品と接触する材料へリサイクルするために使用される‘BTB PET DIRECT IV*+’プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process ‘BTB PET DIRECT IV*+’, used to recycle post-consumer PET into food contact materials
EFSA Journal 2018;16(4):5227 [13 pp.]. 19 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5227
このリサイクルプロセスに入れられる原料は、使用済みの食品接触物質由来のPETで、それ以外の目的に使われたPETの割合は5%未満である。原料は、苛性溶液で洗浄され、ペレット状に押出され、さらに結晶化され、固相重縮合(SSP)に供される。これらの段階は、汚染除去にとって極めて重要であると判断された。それらの完成度を管理する、温度、圧力、滞留時間などの操業パラメータは良く定義されている。このプロセスにより、未知の汚染物質の食品への移行は、安全側に考慮したモデルでの移行値である食品1 kg当たり0.1 µgを下回ることができる。CEFパネルは、このプロセスから得られるリサイクルPETを、室温で長期保存されるあらゆる種類の食品との接触を企図した材料や製品の製造に100%使用しても、安全上の懸念を生じないと結論付けた。ただし、このPETで作られたトレーは電子レンジとオーブンで使用することを企図していないため、それらで使用するべきではない。

  • 農薬の確率論的累積食事暴露評価を行うための、MCRAソフトウェアに沿ったデータモデルの提案

Proposal for a data model for probabilistic cumulative dietary exposure assessments of pesticides in line with the MCRA software
19 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1375e
この報告書は、農薬への累積暴露の評価に用いるデータモデルに使用する要素を提案するものである。この目的のために必要かつ重要なデータ構成要素およびデータ構造を説明するものである。提案されるデータモデルの基礎を成すのは、基本的構成要素である対象集団、食品、化学物質および影響である。これらの基本的要素により、暴露評価の範囲が決まり、集められる他の全てのデータは、これらの基本的構成要素や基本的構成要素の関係性についての情報を付け加える。消費データは、特定の集団における個人の食品消費量を表し、汚染実態データは、食品中の化学物質の濃度を表す。危害用量データは、健康影響に関する有害性を特徴付け、相対的な効力の係数の導出と累積暴露量の算出の基礎となる。これらの基本的なデータセットに加え、他の様々なデータセットにより追加の情報が提示される。これらの情報はモデルの質の向上(作業工程要因、農薬の認可、外挿を行う上での規則を考慮)と基本的構成要素を正しく関連させる(食品レシピのデータ、残留物定義を考慮)のに用いることができる。この報告書の提案は、モンテカルロリスク評価ソフトウェア(MCRAソフトウェア)の開発の中で評価されるであろう。