食品安全情報blog過去記事

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緑茶カテキンの安全性に関する科学的意見

Scientific opinion on the safety of green tea catechins
EFSA Journal 2018;16(4):5239 [89 pp.]. 18 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5239
緑茶は、(Camellia sinensis (L.))の葉から発酵を経ずに生産され、そのためポリフェノール成分の酸化が妨げられている。緑茶のポリフェノールの多くはカテキンである。ANSパネルは、緑茶のカテキンで最も重要な(-)-エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)の摂取と肝毒性との関連性を考慮した。この科学的意見は、介入試験、専攻論文、国や国際機関の報告書などの科学的文献、および「データ提供の呼び掛け」によって入手したデータに基づいている。EUの成人集団では、緑茶抽出物の摂取によるEGCGの平均日常摂取量は、90〜300 mg/日の範囲であり、多量に摂取する人では最大866 mg/日に達する。緑茶カテキンを含む食品サプリメントでは、成人集団において、1日当たり5〜1,000 mgのEGCGが供給される。伝統的な方法で煎れた緑茶抽出物のカテキンと、それと同等の成分になるよう再構成された飲料は、一般に、欧州加盟国からの報告値に相当する摂取量を考慮した安全性アプローチの推定によると、安全であるとみなされる。だが、ほとんどが特異体質反応によると考えられるが、まれに緑茶抽出物の摂取後に肝障害を発症した事例が報告されている。緑茶カテキンが肝臓に及ぼし得る有害影響に関する利用可能なデータに基づき、ANSパネルは、介入臨床試験から、食品サプリメントとして1日当たり800 mg以上のEGCGを摂取すると、対照群と比較して血清トランスアミナーゼの統計学的に有意な増加が誘発されることを示す根拠が得られていると結論付けた。